軍勢魔導士コンド・ガルネ
途中から慣れてないパソコンで書いてて死にそう
誰かたすけt
律が操る巨大なロボは、召喚された大軍を瞬く間に蹴散らした。
「これで終わりとでも?」
兵士は再召喚され、それらは再び軍を成す。
だが、律も【魔法砲撃】にて光線を撃ち出し、軍を殲滅する。
「まだまだ!」
兵士が再び補充され、ロボに襲いかかってくる。
【魔法砲撃】はまだ撃てる段階にはない。
つまりロボの巨体で倒すしかないのだが、先ほどとは兵士の動きが違う。
散らばるように広く動き、ロボを囲い込んでいる。
律はとりあえず前に剣を振り、前方の兵士たちを一掃する。
すると、後ろに回り込んだ兵士がここぞとばかりに攻撃してくる。
だが、【魔法障壁】がそれを阻み、兵士たちは絶好のチャンスを逃した。
殲滅される軍。
再召喚される兵士に、律はふーっと息をついて攻撃を開始した。
現在地は家の中。
正確には、空中を移動する家の中だ。
移動し続けるものを現在地と呼ぶかは怪しいが、とりあえず今はピンの地点に向かっている。
設計図作り⋯⋯はしておらず、律は仮眠をとっている。
というか昼寝だ。
最近戦闘続きだったし、身も心も疲れていそうだったので、ミルクの提案で少し休む事にしたのだ。
律本人はあまり気乗りした様子ではなかったがそれでも寝てしまう辺り、相当疲れていたのだろう。
幸い到着するまでは数日かかるような距離。
それまで律もしっかり休む⋯⋯というかミルクに休ませられるだろう。
律も十分に休憩し、疲れが完全に取れたある日。
「見えてきたな」
律たちはそろそろ到着というところまで来ていた。
ピンの地点まで近づいてきた律だが、ある程度近づいたところで家を止める。
今律たちの目の前にあるのは大きな渓谷。
その大きさといったら、律のロボットが入るだけでなく、自由に動かせそうな余地まである。
「この中にキューブが?」
そう、ピンはこの渓谷の中に表示されていたのだ。
相当大きな渓谷だったので、律はそのまま入っていく。
(【探知】!)
律が【探知】を発動すると、その眼に人影が映った。
ピンの位置から考えるに、その人影がキューブを持っていると見て間違いないだろう。
その人影に向かって、律は容赦なく光線を撃ち込―――――――――
「!?」
上空から感じた魔力に、律がばっと振り返る。
その眼に映ったのは、上から降ってくる大量の兵士。
「【軍勢召喚】」
律の耳が、彼の声を捉える。
振り注ぐ兵士たちは家に取り付き、【魔法障壁】を破壊しようと攻撃してくる。
彼が遅れて着地し、その衝撃で家が揺れる。
思ったより強い衝撃を律が驚くが、本当に驚くべきはそこではない。
律がさっき感じ取った魔力は。
その正体は。
(俺はそれを知っている⋯⋯)
律が険しい表情を浮かべて彼を見据える。
「魔王⋯⋯?」
そう、律が感じ取った魔力は、確かに魔王の魔力そのものだった。
「すごいなぁ、分かるんだ」
律の呟きが耳に届いたのか、彼は感嘆の言葉を口にした。
(分かる?分かるってなんだ?)
それよりも重要なのは、彼の言葉の意味だ。
分かるんだ、とは一体どういう意味なのか。
「まずは自己紹介だね」
頭を回す律を置いてくように彼が言葉を発する。
「キミの事は知ってるよ。リツって言うんでしょ?」
やっぱり情報は渡ってるのか、と思ったのも束の間、彼は言葉を続ける。
「僕の名前はコンド・ガルネ。コンドって呼んでね」
コンドが呑気に告げ、追加の兵士を召喚しようとする。
だが。
(もう【魔法砲撃】が撃てる!近くにいる今がチャンス!)
律は素早くコンドに標準を合わせ、光線を撃ち出した。
「【身代わり】」
瞬間兵士とコンドは入れ替わり、【魔法砲撃】は兵士に命中した。
先ほどまで兵士がいた場所に立っているコンドが、笑顔を浮かべて言ってくる。
「【身代わり】使わされちゃったか。悔しいなぁ」
そう言うコンドの表情は、言葉とは裏腹に楽しそうなものだった。
律は複製を召喚し、自分の魔力を使って即座に攻撃する。
「【軍勢召喚】」
コンドは再び兵士を大量召喚、肉壁にして光線を防ぐ。
そのまま犠牲になった兵士を補充するように、コンドはスキルを発動する。
「【軍勢召喚】派生」
今回は、召喚された兵士の数が少ない。
律が不可解というように眉をひそめると、コンドがスキル名を口にした。
「【一等兵】」
召喚された兵士たちが一斉におそいかかってきた。
(なんだあのスピード!?)
襲ってきた兵士たちのスピードは数倍にまで膨れ上がっていた。
律が【魔法砲撃】にて迎撃するが、強化された兵士たちはそれを難なく躱して近づいてくる。
ついに家まで到達した兵士たちが【魔法障壁】を攻撃する。
『【召喚剣】』
その手にはいつの間にか剣が握られていた。
それに、【魔法障壁】を攻撃するときの力、つまり攻撃力も上昇している。
とはいえ【魔法障壁】を破れるほどの威力ではない。
律は落ち着いて魔力を溜め、兵士たちに向かって撃ち出した。
「!」
律が目を見開く。
兵士たちは剣で受け止めつつ後ろに下がり、光線を受け流したのだ。
(やっかいだな。倒すのには時間がかかりそうだ)
律は顔をしかめ、兵士たちを睨む。
実際、【魔法砲撃】をただ撃っているだけでは倒すのに相当時間がかかるほど、この兵士たちは強かった。
ならば。
律は上空に複製を召喚、そこに転移する。
そして律がワープしたのは、コアとなる丸い形の複製。
律はニヤッと笑い、大きな声で叫んだ。
「組み立て開始だ!」
そう宣言すると同時、様々な形の部品を一気に召喚した。
大量に召喚されたパーツはガシャガシャと音を立てながら組み立てられ、やがて一つの巨大な機械兵士が生み出された。
そのロボは手に持った剣を振るい、兵士たちをどんどん減らしていく。
召喚に時間がかかる兵士のため補充もままならず、やがて兵士は最後の一体になった。
最後の兵士は何とか抗おうとするが、容赦なく振り下ろされた剣になすすべなく潰された。
最後の一撃でもうもうと土煙が上がる中、コンドは丁寧に、丁寧に一体の兵士を錬成していた。
隙だらけのコンドにロボの剣が振り下ろされる。
その剣はコンドに当たる直前で止められた。
「【軍勢召喚】」
土煙が晴れていき、剣を止めた者の姿があらわになる。
「【一騎当千】」
それは、一体の兵士だった。
(マジか!)
通常時のウステですら止められなかったロボの剣を止めた。それもたった一体の兵士が。
(舐めてかからない方がいいな)
律は一度距離を離し、油断なくその兵士を見据える。
「一つ気になる事があるんだけど、聞いていいかな?」
膠着状態を利用するようにコンドが話しかけてくる。
「キミはどうして、僕と同じ、魔王の魔力を持っているんだ?」
律が目を見開く。
そう、律は魔王から魔力を貸し出されている。
コンドはそれに気づいたのだ。
それだけではない。
律が先ほど感じた魔王の魔力。
(気のせいじゃなかったのか……!)
「あ、やっぱり気のせいじゃなかったか」
コンド本人も確証がなかったのか、律の反応に少し驚いたような表情をしている。
「ま、それはまだいいや。準備もできたし」
律が不可解そうに眉をひそめるとコンドが小さく笑いスキルを発動した。
「【軍勢召喚】派生」
コンドの前に、先ほどとは違う兵士が召喚されていく。
「【魔法兵】」
召喚された魔法兵は規則正しく並び、その手に握られている杖は律の方を向いている。
「さあ。どうやって対処する?」




