第五話:非業の死
「色々聞きたいことがあるなぁ」
「くふふふふふふふ、答えられることには答えるよ」
「その答えられることと答えられないことの差は?」
「面白いかどうか」
ジャバラは、断言した。
「まるで、おもちゃにされてるみたいだ」
ウツシミは、無数の目を発現させた状態で、ジャバラを見る。
(駄目だね、やはり滝に映った状態ではコピーできないみたいだ)
ウツシミは、そのことを理解した。
「じゃあ、普通に尋ねるよ。何故、その6人をコピーする必要がある?」
「教えない」
「5人は王であるのに、一人だけ少女がいる理由は?」
「教えない」
「あっそ」
ウツシミは、そっぽを向いた。
「むかつくなぁ」
ウツシミは、そう口にした。そして全ての眼でジャバラを睨む。
「くふふふふふふふふ」
ジャバラもフードの下で光る眼で、ウツシミを睨んだ。
「ふーーーん」
ウツシミは何かを理解したかのように、うなずいた。
「これが、恐怖か」
ウツシミはあっけらかんと、そう口にした。ウツシミの身体に寒気が走っており、身震いする。
「きっと君が本気でやると、僕なんて殺されてしまうのだろうね」
「くふふふふ、よく分かってくれたね」
ジャバラはフードの下の眼を糸のように細くし、笑顔を作った。
「さて、私から二つ教えてあげる。まず一つ、その6人をコピーするっていうのを君が全うできるかどうかは、私にも分からないんだ。君は旅の途中で、むごたらしく、なにもなさないまま、夢半ばで、非業の死を遂げる可能性だってある。それも、とても高い確率で、くふふふふふふふふ」
ジャバラは何が楽しいのか、両手を叩いて大笑いしている。
「そして二つ目、君はその6人をコピーする旅に出るしかないんだ。だってそれ以外に、本当の君を見つけ出す術なんてないんだから」
ウツシミは頭をポリポリとかいた。
「きっと君の言っていることは、真実なのだろうね。不思議と君の言葉には、僕に心からそう思わせる安心感がある」
ウツシミは少しだけ息を止めた。
「だから、やるよ。その6人をコピーする旅に出る」
「くふふふふふふふふ、なら私は、君の願いが叶うことを祈っておくよ。もしくは、君が旅半ばでむごたらしく死んでしまうことを楽しみしておく。だから、せいぜい頑張ってくれ」
ジャバラがその言葉を言い終わると滝が輝きを消し、同時にジャバラの姿も消えた。
そしてその場所は、ただただ発光蝶々が飛ぶだけの場所になった。
「スキル"剣聖" 」
レイラの姿になったウツシミは、思い切り滝に向かって剣を振った。
刹那、滝は真っ二つに斬れた。だが、滝なのですぐに水が流れ、元の状態に戻る。だが、付近にいた発光蝶々は飛び去った。
「やるしかないんだよね」
ウツシミは、その事実をあえて口にした。
「進もうか」
ウツシミはただただそう口にし、誰もいなくなった常夜の滝を後にするように進む。
6人の者達をコピーするために、本当の自分を探し出すために、ウツシミは、足を進めた。




