嵐が丘
「ネリーさんはそれでよろしいですか」
「はい、でもヒースクリフ本当に……」
「ネリー、俺はキャサリンのためなら何だってやる」
「そう……でも、これだけは覚えていて、復讐に呑まれないで、ヒンドリーと同じになるから」
「俺はキャサリンためだ……単なる復讐とは違う」
そういうヒースクリフは、
復讐心に燃えてるような感じだった。
酷く汚れて見える服の袖を握りながら、
少し震えている。
でも、それは怒りよりは、
子供が傷を我慢してるように思えた。
「そうか」
ウェルギリウスはひりついた空気を、
いつもの冷たく少ない言葉で終わらせる。
少し怖いと思っていたが、
今はカッコよく見える。
「私は下見をする、ダンテ作戦を立てておけ、トミノは話を聞いていろ」
「任せてよ、ウェル」
「あ……はい」
ウェルギリウスの胸に何か見えた気がする。
さっきの剣を持って草の冠を被り、
何かを冷たい目で見ている。
そこには、確かな寂しさを感じた。
理解されない時の寂しさを。
「作戦なんだけど」
「その前にまず、ヒンドリーについて話すね、最近までは鼠の落ちこぼれだったでも、最近は何でも知ってるみたいな感じでいろんなこと当てカポまで上がったのよ、前からだけど最近悪化してさらに横暴になったわ」
「俺を……殺すために遺物か何か使ったんだろうな」
聞こえる、あいつの笑い声が。
わかる、ヒンドリー、
あいつがどんな顔をしているか。
「目標は俺への復讐だろ、そうじゃないと……キャサリンは結婚……」
ネリーがヒースクリフの話を、
断ち切るように話し始めた。
「ヒンドリーとヒースクリフは仲が悪くて、旦那様が亡くなってからヒースクリフを虐待し始めて」
「ヒースクリフさんを虐待?」
「それは……俺はアーンショー……父親に拾われた養子ってやつだ、それでヒンドリーが俺に愛を奪われたとか言って殴られたりしてた」
「嫌なことでしたね……軽率に聞いてすいません」
「別いいぜそんなこと気にしてない」
「話戻していいかな?トミノ君とヒースクリフ」
「あっ……すみません、続けてください」
「じゃあ作戦について話すね、まあ……ほとんどウェルギリウスさんに頼るけど、ウェルギリウスさんが護衛とヒンドリーと戦ってるのを私が後ろから支援する、ヒースクリフとトミノ君とダンテさんはヒンドリーの遺物かいるのかわからないけど何かした人を見つける」
「俺はヒンドリーを殺せないのか……」
「ヒースクリフお願い言うことを聞いて……」
「ヒースクリフ、僕は復讐とかよくわからないけど、僕らには護衛が必要だ君は強そうに見えるだから僕からも頼めないかな」
「……すぐに終わらせてヒンドリーに行くそれでなら良い」
拳から血が垂れている。
我慢している、誰かのために。
誰かのために急いで、逃げている、
その足に絡みつく嫉妬から。
「ヒースクリフさん、僕もできる限り頑張ります、だから逃げないでください、断ち切らないといけないそれはわかりますでも、行くべき道を誤ってはいけません、
それがキャサリンさんのためなら一番は生きて会うことじゃ無いでしょうか」
「そうかもしれない、だけど俺は……」
「僕は無知で無力です、だからズレてるし他力本願ですが、生きることが大切だと思います」
「説教すんなよ……知らないくせに」
「はい、知りませんでも貴方は僕より見えていません」
「見えて無い……俺の何を知ってる」
「何かが絡みついていることと、失いたく無いそのために動いている……」
「トミノ、何か見えたの」
ダンテが話を切りそういう。
「複雑に絡み合うのが見えました」
「そう、やっぱりわかってたか、僕も感情……いや罪をエゴ……よりはペルソナとシャドウかなそれを感じる」
「ダンテさんも?」
「感じるだけだけど、初めに会った時トミノが溺れてるのに気づいたのも、多分トミノの罪を感じたからだね、多分同じ能力だからかな?」
「おい……なんの話だよ」
「ごめんこっちの話、でもヒースクリフ、君を知ってるのは同じ」
「何を知ってる……」
足が聞こえる、誰かが来る、
ドアが開いて、
聞き慣れた大きな溜め息が聞こえる。
「まだ決まっていないのか、ダンテ」
「ウェル、ちょっと色々あってね、あとトミノが僕と同じやっぱり能力があるみたい」
「そうか、作戦は」
「作戦はこうです。ウェルギリウスさんと私がヒンドリーと護衛の鼠の相手、ヒースクリフ達は遺物か何かした人を探すわ」
「そうか、下見してきたがそれなりに群れていた、ヒンドリーを殺すまで時間がかかるだろう」
いつも通り冷静に感情なく、
ウェルギリウスは話す。
だけれど剣は持っていなかった、
初めて会ったとも持っていなかった、
突然現れた剣は、
本に書いていたペルソナと言うもなのかな。
「明日に始める」
「早いねウェル、何でだい?」
「次の依頼があるからだ」
「ウェルは人気者だね、みんなは明日で大丈夫なの?」
「私は大丈夫よ、明日も明後日も変わらないから」
「俺は今すぐでもいい、早ければ早いほど良い」
恐ろしい殺意を感じる、
本当に殺したいと感じる。
虐待だけじゃない、
キャサリンと言う人物と、
関係あるのだろうか。
「僕はいつでもいいです」
「おお、みんないいんだね」
話がまとまってネリーとヒースクリフは、
部屋に戻って行った。
気になっていたことをダンテに聞く。
「あの……ダンテさん、先ほどの能力とは?」
「ああ……それはね、僕は罪をペルソナとシャドウを感じるんだ、トミノは多分少し違うけど罪とペルソナとシャドウが分かるのは同じだと思う、どんなふうに感じる?」
「見えます、胸に罪かペルソナかシャドウわからないけどを見れます」
「見える……やっぱあの時感じたのは……」
「あの時?」
「ごめん、こっちのこと」
気になるけど、
まだ知らなくていい気がする。
「そうだ、僕の胸には何が見える?」
ダンテの胸のを見ていると、
少しずつ見えるようになった。
見えるけど、底が見えない。
まさに奈落、天国から見た地獄のように、
遠く、ただ一つの星以外は見えない。
「上手く……見えません」
「そうか、上手く見えないか……」
そう言ってダンテは部屋に戻った。
上手く見えなかったのか、
見えていたがわからないだけか、
それはわからないけど、
まだ知るべきではない、そう感じた。
眠りにつく前に、考える、
聞こえた声ダンテの能力、僕の過去。
わからない、不自然に消した……いや、
忘却されたそう思える、
中途半端に覚えて思い出すように、
声が聞こえるのも忘却なら納得いく。
明日人が死ぬ、そう思っても、
何も感じない、感じたはずだった、
それも忘却してしまったのかな。
善意も悪意も何も。
時間が来る。
始まる、罪の理解が。
「トミノ、そろそろ作戦の時だよ」
緊張する、初めての事だから。
間違いを起こしたら死ぬかもだから。
もうすぐに始まる鼠の駆除が。
「やれる事はないけど頑張ります」




