始まりの黎明
ここから予約投稿なので安定
本を読み終えた時、
ちょうど準備も終わったようだ。
「トミノ、終わったよ」
「僕も読み終えました」
今は、罪を知る、
それがどれほど難しいのかは、
わからないが、困難に思えた。
今も焼ける感覚が残っているから。
でも希望に縋るべきだろう。
「じゃあ、大体わかったね。それと危険だから何かあれば僕かウェルを頼ってね」
自身ありげにダンテは胸を叩く。
ウェルギリウスはそれを見て、
溜め息を吐いた。
「ほとんど私頼りなのに、よくそう言えるな」
「ウェルギリウスさんは有名なんですね」
「ダンテとは違い、しっかりと本を読んだみたいだな」
少し安心した表情で、
ウェルギリウスは答えた。
「変なこと教えないでよウェル」
緊張が和らいだ気がした。
少しの談笑と準備が終わり外にでた。
見える場所全てに家が並び、
人のが数え切れないほどいる街に呆気を取られた。
「こんな場所にいたんだ」
「そうだよ、ここはかなり人のいる場所だからね」
「談笑していないで駅に向かうぞ」
「はいはいわかったよウェル」
想像していたよりも明るい外を、
見渡しながら、駅という場所に向かった。
「ヨークシャー行きの切符を3枚」
「はい、合計1500キリルです」
「1500キリルは、どれぐらいの価値ですか」
ダンテが少し悩みながら答える。
「まー……ここは一月働いたら大体6000キリルだね、まあそこそこ高いかな」
「そうなんですね」
「列車が来るまで後30分ほどです、あちらに売店などがあるので、時間を過ごすことができますよ」
「そうか、ダンテとトミノ2000キリル渡そう、好きに使うと良い」
「良いんですか?」
「金の使い方を知るには、金が必要だからだ。そのための金だ、余り無駄遣いはするなよ」
ウェルギリウスはそう言い、
お札を2枚を手渡した。
「僕は金の使い方知ってるけど」
「ダンテはトミノに教えろ」
「そうか、じゃあトミノ、なにが欲しい?」
今必要なものは何か、考えてみる。
本には危険なことが多いと書かれていた、
何か身を守るものを買うべきか……でも、
僕は弱いから猫にコバンじゃないか。
それじゃあ今必要なのは……。
「本が欲しいです、今はまだ世間について知らないので」
「そうか、じゃあ買いに行こう」
壁一面に本が並んでいる店に来た。
様々な本があり、悩んでしまう。
「落ちてきたばかりなのですが、おすすめの本ってありますか?」
「この本なんてどうでしょうか」
本には「初心者でもわかる護身術」と書かれていた。
「何キリルですか?」
「400キリルだす」
高いのか安いのかわからない。
なぜか少し心配だが、
ダンテさんを頼ってみる。
「ダンテさん、これってどうですか?」
「良いんじゃない、400キリルは少し高いけど、護身術まぁ大切だし」
本当に信用して良いのだろうか。
今回は信じてみる。
「買います」
「はい、600キリルのお返しです」
本当に良かったのかと、
モヤモヤしていたら。
列車の時間が来たらしい。
「トミノ、悩んでないで、そろそろいかないと」
「あっ……はい」
ウェルギリウスに会い列車に乗り込んだ。
「トミノ、なにを買った」
「護身術の本を400キリルで買いました」
「そうかまあまあな買い物だな」
「そうですか」
列車が着くまで本を読む。
本にはバリツという武術が書かれていた。
本を読んでいると、一瞬で着いてしまった。
「ヨークシャーについたよ」
「え……もうついたんですか」
「いや、結構長かったと思うけど、そんなに本が面白かったの」
「はい、あと考え事とかもあって……」
「早く来い」
その声に優しさはなかった。
「急かないでよウェル」
「これから、殺し合いになるかもと言うのに、随分と気楽だな」
駅を出るとウェルギリウスは、
駅前にいた人に話しかけた。
「ネリーさん、依頼に着いてですが、一人戦力外が増えました」
ネリーと呼ばれた女性は、
こちらを見て答える。
「まぁ、随分と若い子をこんな場所に連れて来たね」
「初めまして、トミノと言います」
「初めまして私はネリー」
「僕はダンテ」
「貴方がダンテね、事前に聞いていたよ」
「挨拶はこれくらいに、して依頼に着いて話しましょう」
「そうね、立ち話も何だし、貴方達が泊まる宿に来ない」
「そうさせてもらう」
緊張した足取りで宿に向かう。
殺し合になると言われて、
体が強張る。
「ここが、宿ですか」
「入って入って、貴方達のチェックインは事前にやってあるから」
泊まる宿と言われたところは、
かなり大きく、周りに比べ綺麗だった。
「随分と奮発したのですね、ネリーさん」
「えぇ、何たってあのウェルギリウスが、解決してくれるからね」
ネリーさんは嬉しそうに笑う。
――嵐の吹く丘を遠くから、
眺めている人がいる。
「待ってろよ……キャサリン」
「全部捨ててやる……ヒンドリーあいつを」
――邸宅の中、綺麗な服を着た人が叫ぶ。
「俺はカポだぞ!!わからないの!!ヘルヘイム……鼠の幹部だ!!」
「すみません……すみません……」
「ヒンドリー兄様、怒鳴るのはよしてと言ったじゃ無いですか」
「キャサリンお前は、もちろん俺のためにエドガー・リントンと結婚するよな」
「はい……そうします」
「あのクソガキがどう思うか楽しみだ」




