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奈落曲(旧)  作者: 羽赤(はあか)
ヒースの花束に、理解を
10/21

藪から蛇

「神具か……ネリーさんは、ヒースクリフ達の方に行ってください」


「冷静な判断素晴らしいですね、ヒースクリフ達は屋上ですよ」


「……はい」

ネリーは震える足で屋上に向かう。


「わざわざ教えるなんて悠長だな」


「私は完成するまで、貴方の足止めをします貴方以外はどうでも良いのです変わらないので」


「デゥランダル」

メフィストフェレスがそう言うと、

空虚から剣が現れた。

剣は壁……障害物を貫通している。

防げるものでは無い、そう直感する。


「神具……何本持ってる」


「さぁ、わかりません数には興味ないので」


ウェルギリウスはペルソナを完全に使い、

導く月桂冠とまるで旗のように靡く、

布をつけた壊れない剣を持ち、

英雄のように剣を向ける。


「完全なペルソナを使うだなんて、殺す気ですね本気で……」


言葉が終わるより早くに斬撃が飛ぶ。

メフィストフェレスは少女とは思えない、

軽々とした動きで回避する。


「さすがですね、死ぬかと思いました」


「……何でここにいる、鼠でも食いにきたか」


「半分あってますね、食べるわけでは無いですが」


「ミョルニル」

空虚からハンマーが現れる。

ハンマーは光り輝き、帯電する。


「これは受けれますか?ミョルニル最大加速」

音より早くに放たれた攻撃は、

雷の様に光を残して、吹き飛ばす。

空気が落雷の痕のように裂ける。


ウェルギリウスは見るより早くに、

剣で防御したが、中庭はまで吹き飛ぶ。


「今のに反応出来たたのは、その月桂冠の能力でしょうか?」


「神具頼りだな、本体は弱い」

土煙の中から落ちる水の線のように突きを入れた。


「わぁすごい……」


「デゥランダル」

ウェルギリウスは剣を消して直ぐに避ける、

月桂冠のさす完璧な方向へ。


「デゥランダル……それはさっき壁を貫通していた、防げぬ剣……聞いたことがあるがそれか」


「そうですね、伝説の剣です」


メフィストフェレスは、

傷など無いように振る舞う。


「もう少しだけ話しませんか?まだ終わってないみたいだから」


「そんなに私が……俺が怖いか、蛇」


「はい恐ろしいです、だって隙を見せたら死ぬじゃ無いですか、……イカロスみたいにはなりませんよ」


「天叢雲剣」

大太刀が現れる。

空間も雲すら切れる、剣で。


「次元空間切断」

「――嵐」


残像……いや、次元の可能性が現れた。

揺れる次元は剣を持つ、

全てのメフィストフェレスが切り裂く。


「戦争ごっこが好きなんだな」


「「「好きじゃ無いですよ、だって英雄が無垢の人を殺しすから、そしてまた新しい英雄が生まれそれに嫉妬することになるから」」」


重なって聞こえる、その声が、

全ての可能性が、同じ返答をした。



――屋上から叫び声が聞こえる。

嵐の吹く屋上声が揺れる。


「ヒンドリー!!お前を殺す……絶対に殺してやる!!」


「待ってくださいヒースクリフさん」

絡みついている、肉を切るほどに。

いつのまにか持っていた、見覚えのある銃。


「見えてる、見えてるぞヒースクリフ!!」

ヒンドリーは簡単に避ける、

知っているように、先に行動する。


「キャサリンが今どこにいるのか知ってるか?ヒースクリフ!!」


「話すな!もう口を開くな……」

笑うヒンドリーに、見える、

ヒンドリーの胸に見える。

一人、ただ一人で生きてる、

孤独、嫉妬、恐怖、怒り。

そこには……鼠に纏わりつくダニのように、

惨めさだけが混ざっている。


「孤独だ……」


「……お前、今は俺を孤独だと言ったか!」


胸の中が激しく揺れる、

感じる罪の動きを。

ヒンドリーの胸が赤く染まる、

血じゃ無い……罪に染まっている。


その揺れる胸の中の、

ヒンドリー?は怪物のように見える。


「俺は……俺は孤独じゃ無い、愛されてたんだ!!ヒースクリフお前が盗むまで!!」


真実、他者の思考、愛情、孤独。

それを恐れている、見える。

空虚に邸宅が浮かぶ、

底から無尽蔵に溢れ出る感情。

理想の規定、木の根元、罪の根源、

重なって張り詰められたエゴの始まり。


――いつかの邸宅その会話

「……ヒースクリフの方が――」


「旦那様それは……」


聞きたく無い、知りたく無い。

知っていた……だからヒースクリフ、

お前が嫌いだ、

毎日が楽しみだったあの時……

お前がやってきた。


返せ、返せ、

親父の……お父様の愛を返せ!!


ヒンドリーの感情が見える。


「あらまぁ」


心臓を歯を立てられるような感覚。

命の危機、ヒンドリーの部屋から見えた、

ウェルギリウスが戦っていた相手と同じ。

本能が拒絶する、ただ恐ろしい。


「蛇……何をしにきた!!」


蛇と呼ばれた少女は、

次元?が揺れて見えた。

その胸には、

青……いやペイルに満ちた死を感じる、

全てあるのに空虚が残る、

理解できない感情。

重なり合い、混ざり合い、

本質を見失った虹、見たく無い。

あれほど恐ろしいものは無い。

一人じゃ無い……混ざりすぎている罪。

人に理解できる次元では無い。


「少し予想外がありまして、今は逃げるべきですそれに……キャサリンさんの結婚式を見るのも悪くは無いでしょう」


「は……キャサリンの……結婚式」

ヒースクリフは膝ついて倒れる。

今は怒りではなく空虚を感じる。


「はは……ぁはは!!ヒースクリフ!!今俺は幸せだ!!お前から盗み返したんだ幸せを!!」


唾が溢れ、声が裏返る、狂った笑い声、

僕は知っているそれは、理想を叶えたフリ。

本当の理想は父からの愛、

ヒースクリフの苦しみでは無い。


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