黒の腕輪 赤の腕輪
腕輪に、膨大な量の魔力が注がれていく。
このレベルの魔力を扱うとなると、宮廷魔導師、国の高レベルの魔術師を集めた機関の全員が、全力で、一斉に魔力を集めても、勝也が、一秒間に腕輪に注ぎ込む魔力の、一割程度にすらならない。
どれ程これがものすごいか理解していただけたでしょうか。
二分ほどで、勝也は腕輪に魔力を注ぎ込むことを止めた。
その腕輪は、銀色をベースに、若干七色に輝いている。
勝也は、その腕輪を鑑定して、念のため思った通りにできているか見た。
ニヤリと笑うと、その腕輪をしまい、もう一つの、今度は、赤色の腕輪を取りだし、先ほどと、全く同じ事をした。
それを、今度は黒色の腕輪で、もう一度繰り返したところで、シャロロが、晩ごはんができたことを知らせに来た。
腕輪をしまい、焚き火の近くに向かった。
今日の、晩ごはんは、白パンに、茹でた野菜と、焼いた肉を挟んだもの、それと、シチューのようなスープ、デザートに、果物がついた。
これは、完全に野営の食事ではない。
普通に、食事どころで出されても、遜色ないほどの食事だ。
「ご主人様、先ほどは何をなされていたのですか?」
スープを一口食べたところで、シャロロが、質問してきた。
「ん?ああ。このままだと、万が一、シャロロならだいたいは大丈夫だと思うが、強い敵、下級神が複数体、もしくは中級神以上の敵と戦うことになって、戦法が限られると負ける可能性があるといけないから、ちょっとした武具を作っていた」
と、何でもないように言った。
「そうなんですか。それで、どのような武具をお造りになられたのですか?」
シャロロが、目をらんらんと輝かせて、勝也に聞いた。
「百聞は一見にしかずだ、つけてみるか?」
そう言って、亜空間庫から、黒色の腕輪をシャロロに、赤色の腕輪をナミットに渡した。




