陰影と紅蓮
「腕輪、ですか?」
手渡された腕輪を興味深そうに、じろじろと見ている。
「ああ、でもただの腕輪じゃない。シャロロに渡した黒色の腕輪は、名を《陰影の腕輪》、ナミットに渡した赤色の腕輪は、名を《紅蓮の腕輪》という。お前ら、使ってみたい武器の形を想像して、腕輪に魔力を流してみろ」
きょとんと、としている二人は、ほぼ同時に、腕輪に魔力を注ぎ込んだ。
すると、
「「!?」」
腕輪が、激しく発光し、シャロロの手には、漆黒の戦斧が、ナミットは、血のような色の騎士槍と、大盾が装備されていた。
「ご主人様、これは……」
シャロロは、驚愕に目を見張らせながら、勝也に問いかけた。
「その腕輪には、武具創造というスキルが付与されている。魔力量で、強度、最大顕現時間が変わる。それと、自由に付与スキルがつけられて、結構便利だと思う。魔力を注ぎ込めば注ぎ込むほど、それに比例して、付与スキルの量が変わる。そこのところは、かなり面倒」
はぁ、と、そこだけは失敗した、と言わんばかりにため息をついた。
「ごちそうさま。向こうでもう少し違う武器造ってくる。その間は一人にしてくれ」
と言って、空の食器を地面に置くと、のそのそと、離れていった。
「シャロロさん、後でこの武器の性能を試しておきませんか?」
「そうですね、それではちゃちゃっと片付けをして、この近くにいる魔物を、実験台にしましょうか」
二人は、片付けの作業に入り、それが終わると、森に入っていった。
その後、威力が強すぎて、その森の一部分が、完全に消滅した。
そのせいで、二人は、勝也にこってりと怒られて、シュン、としてしまった。
それと、五秒でたてたテントは、結局誰一人として使用しなかった。
……テントを建てた意味ってあったのだろうか。




