表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
義妹は、私だけを見ていた。―妹に愛されすぎた女の話―  作者: ZERO POINT
第2章 光のズレ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/37

第34話 光の守り方

 花屋……あいつは黒か?


 高木は少しだけ考えていた。


 そういえば――花束事件の時に揉めていなかったか?


「なあ、あのさ……花束事件の時に誰か揉めなかったか?」


「詩織、覚えてないか?」


 詩織が少し考え込む。


「美咲に彼氏いるっていうのは、誰もが知ってたよね」


「知ってて送り付けたんだと思う」


「あれ……直哉が怒るの、わかってた気がするけど」


「ワンチャンあるって思ってたやつ、いた気がするんだよな」


「大量の花束」


「それくらいなら、もらってくれるって思ってたのかも」


「ああ……」


 高木も思い出す。


「あれ、全部捨てるの良くないからって、直哉が返しに回ったんだよな」


「野球部の小野田君じゃない?」


「イケメンのエースか」


「あいつ、相当直哉のこと嫌ってたしな」


「それに、美咲さんのこと好きだったんだろ?」


「私、代わりにラブレター捨ててやったわ」


「え?」


「だから、美咲はあまり知らないのよ」


 高木が目を丸くする。


「お兄ちゃんのこと、陰で言われてたの」


「あの時」


「だからムカついたの」


「それで、そんな奴が美咲の彼氏になるかもしれないって思ったら、ふざけんなって思っちゃって……」


「悪かったとは思ってるんだけど、捨てたの」


 詩織が小さく息を吐く。


「他の男の子のことも馬鹿にしてたの」


「俺が一番、みたいな感じで」


「上からで」


「いいやつ風に思われてたかもしれない」


「でも、たまたま聞いちゃったの」


「五人くらい固まってて、そのグループで誰が美咲を落とせるかって賭けしてたの」


「怖かったの」


「それで、ちょっと監視してたっていうか」


 高木の表情が変わる。


「お兄ちゃんのグループは、そんなことしない人だって思ってたけど、小野田君たちはヤバかったから」


「だから、あれはないって思って捨ててやった」


「でも、すごいこと言ってたから……普通じゃなかったわ」


「そんなになのか?」


「うん」


「ちょっと待て。それってさ……まさか犯罪入ってるやつ?」


「まあ、そういうことよね」


「あ……そういうことな」


「うん」


「だから、守ってたのな」


「わかった」


 詩織が少し目を伏せる。


「私も悪かったと思ってるわ」


「でも、何かあってからじゃ遅いでしょ」


「でも、そんなこと誰にも言えなかったんだもん」


「私が変な子って思われてもいいって思ったし、何かあるよりはずっといいって思ったの」


「それで色々したけど、良くないなって思うことも確かにあった」


 高木は少し考え込む。


「でも、あいつらがそこまで執着するか?」


「わからない」


「だって……美人よ?」


 詩織が真顔で言う。


「それと気になるのは小林君」


「いつも見てた気がする」


「あとは桜井君」


「彼は普通にワンチャン狙ってたくらいの感じ」


「気持ち悪い人いたかな……」


「竹中君は覚えてる?」


「ああ……いたな」


「あの子はめげなかったかも」


「彼、振られたのよ」


「でも、何回か言ってきたわ」


「私もその子は止めなかったんだけど、結構美咲が困ってた」


「ものすごくヤバいっていうか……犯罪系は止めようと思ったの」


「だから、全員を止めるのは違うって思ってて」


「美咲が自分で考えて断れるならいいって思ったのもあるし」


「付き合うかを選ぶのは、美咲の問題でしょ?」


 高木が小さく頷く。


「でも、先に言っておくけど、ヤバい噂を聞いた人だけ止めただけだからね」


「その……女の子を女だと思ってないとか、賭けでしてるとか、そういうやつね」


「彼女はゲーム扱いされていいわけじゃないでしょ?」


「だから、それをゲーム扱いされてるよって言うのも傷つくだろうし」


「……詩織」


 高木が少し真面目な顔になる。


「あのさ……何で直哉にも言わなかったんだ?」


「お兄ちゃんは、私達を守るので必死だったから」


「言えないでしょ。あんなに頑張ってるのに」


 詩織が少しだけ笑う。


「そんなお兄ちゃんだから、私は美咲に紹介したの」


「それに、美咲と一緒にいて、ちゃんとしてくれるのはお兄ちゃんだと思ったし」


「でも、紹介しただけで、美咲とお兄ちゃんが嫌なら別にって思ってたわよ」


「ただ……私もちょっと変になってたところもあって」


「結構パンパンだったかも」


「抱え込みすぎ」


 高木が小さく息を吐く。


「さっさと告白すればよかった」


「ずっと好きだったのに」


「でも、あの時は……ずっと三人でいたから、近づくこともできなかったんだ」


「俺が勇気を出して、早くしていれば違ったかもな」


「何か……俺、遅いな」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ