元王子の話②
元第二王子、レイナルド・クリストフがこの里に来て1ヶ月が経過した。
その間、レイナルドは現在住んでいる家の修復作業をしたり、食材探し、主に山菜採りや近くに流れている川で魚を釣ったり温泉に入ったりとのんびりとした日々を過ごしていた。
思えば、生まれてからは王太子のサポート役として忙しい日々を過ごしてきた。
「よく考えてみれば本来は兄上の仕事も何故か手伝わされたりしていたなぁ……」
自分はもしかしたら都合良く動かされていたのかもしれない。
このまま何事も無ければ働き続けていたかと思うとゾッとする。
だから、離れて正解だったのかもしれない。
そう思えるようになった。
レイナルドは家の修復作業をしている時に壁に紋章らしき物があるのに気付いた。
「これって確か……『精霊紋』じゃないか」
この国には精霊がいて国を護ってくれている、と考えられている。
精霊は普通の人には見えなくて特定の力がある者、例えば『聖女』とか聖なる力を持つ者が見える、と言われている。
その精霊達と契約する為にあるのが精霊紋である。
つまり、この地には精霊の加護がある、と考えても良い。
そう思うとレイナルドは妙に納得した。
年月が経っていて跡形も無く崩れていてもおかしくない建物が多少は朽ちているが人が住める程度に残っているのも温泉が人が入れる様になっているのも精霊のおかげだと考えれば辻褄があう。
見えてはいないけどレイナルドは多分いるであろう精霊に感謝した。




