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Data 61. ヴァルプルギス



 ギルドを発足する事をクラスで示した後。

 あれからいつもの仲間たちと相談し、CSOの世界が本物であるという事はやはり伏せるべきという結論になった。


 その後、真理愛とも相談し、俺たちの世界がまやかしの世界であることも今はまだ隠しておくことにした。


 どちらも逢魔の災厄を防ぐ事に集中するためにそうした方が良いという結論だ。


「それじゃ、作成する」


 俺は手順を踏み、リリスの協力でギルドを作成した。


<ギルド【ヴァルプルギス】が設立されました>


 ヴァルプルギス。

 死と再生の象徴の日。

 この現実世界で、作り物である俺たちは魔物に負けて死したとしても再生する。


 俺たちは……決して消えない。

 そう、願いを込めたギルド名だ。


<我々、四天霊もあなた方に協力します>


(助かる。 必要な時はひーくんを介して君たちを呼ぼう)


 かつての指導者の遺伝子を継いだ俺の力を、召喚士であるひーくんの術を介して即座に呼べる。

 彼女達と離れその力が必要な時は、この召喚術を使おう。



――――――


Data 61. ヴァルプルギス


――――――



 ギルド・ヴァルプルギスが作成され、同じ学校に通う多くのプレイヤーが所属する事になった。

 そして俺たちはCSOでの立ち回りや戦闘法を皆へと教えていた。

 このCSOを今までなんとなくプレイしていた人も多い。


 そういった人たちの力を底上げするため、基本的な講習を開いていた。


 基本的な事を大雑把に教えた後、実戦訓練へと移っていた。

 俺たちはいつもの仲間と共に、新たなギルドメンバーへと一人一人順番に動きを教えていく。


「Satsukiは結構強いな。 この基本講習を受ける必要はなかったんじゃないか?」


 真理愛を通して親しくなった女生徒、烏丸カラスマ 咲月サツキ


 職業は最近獲得したという盗賊系統の上級職の一つ【影舞踏師シャドウダンサー】。

 彼女もCSOをちょくちょくプレイしていたみたいだが、俺たちのギルドに入る際に講習を受けたいと言っていた。

 そして彼女を見ているが基本的な動きどころか、難敵も個人で倒せそうな動きをしている。


「でも、Irukaたちには及ばないでしょ?」


「俺たちはすぐ追い越されるかもな」


 ……確かに俺の仲間たちは強い。


 彼らがいなければ、俺は今までの戦いを潜り抜けられなかった。

 逢魔の災厄を乗り越える……そして、俺たちの存在や世界を守るために、これもプログラムであるエインヘリヤルが仕組んだものだったんだろうか……。


「でも意外だな。 咲月は思ったより深くCSOをやっていたんだな」


「うん。 実は兄貴がさ、アナートマンに努めてるんだよね。 効率の良いやり方を知ってるんだ」


「そ、そうだったのか」


 確か……開発会社のアナートマンに烏丸カラスマという苗字の職員がいたような気が……。

 その関係で彼女もCSOに興味を持っていたのか。


「それで……最近、兄貴も疲れてて……」


「……」


「飛鳥馬たちも兄貴と同じような表情をたまにしててさ……」


 まさか。


「何か、隠してない?」


 一瞬、彼女もCSOの世界が本物だという事を知っているのかと思ったが、恐らく彼女は知らないな。

 彼女にもいつかそれを話すときが来るだろうか。


 だが、今は……。


「もしも咲月が、このまま一緒に戦ってくれるなら、いつか話すときが来るかもしれない」


「……私は今でもいいけど」


「これは、俺の判断だけでは……難しいんだ」


「まぁ、楽しみにしとく」


 ということは、彼女はこれから一緒に戦ってくれるつもりだろうか。

 心強い。


 俺たちは初心者への講習を終えて、その後は新たに入った強めのメンバー達と強力な魔物を共に倒し皆の力を把握していった。

 この調子で戦力を磨き、俺たちの熟練度も高めていこう。

 次の逢魔の災厄の日は近い……。



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