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Data 15. 新たな魔法体系



「俺たちの、勝ちだ!」


 グラントレントの窪みにはまっていた黒玉こくぎょく

 それを刺突スキルで破壊した。


 すると、周囲への仕切りは消えて俺の制御化を離れた火は消えていく。

 そしてグラントレントが正気を取り戻した。


【罪深きこと……罪深きこと……魔の野心に気を付けよ……魔は、神の御心……】


 ……。



――――――


Data 15. 新たな魔法体系


――――――



 グラントレントは再び深い眠りに着くかのように、意識を失っていった。

 最後の言葉は……いったい……。


<アナザーミッション グラントレントの解放をクリアしました。 お疲れ様です>

【アナザーミッション グラントレントの解放:Clear!!】


「Iruka! やったー!」


 Mariaが駆け寄り抱き着いてくる。

 ……色々と疑問は残るけど、今は仲間たちと勝利の美酒を分かち合おう。


 俺たちの誰が欠けても、この勝利は得られなかったはずだ。


「あんな隠し玉があったんですね。 流石Irukaさまです」


 Akiさんの言葉で、Mariaは先ほどの魔法を思い出したのか、俺を問い詰めてくる。


「そ、そうだよ! さっきのどういうこと!?」


 全く情緒が忙しいな。


 俺達がパーティーを組んでから、この10日日間で魔法剣士になるために俺は魔法職を取っていた。

 そして、コツコツと魔法使いのスキルを獲得しながら属性魔法を試していたってわけだ。

 練習時に成功する兆しは見えていたが、中々上手くいかなかったんだよな。


 皆を驚かせようと思ってやっていたけど、まさかこんな緊急時に披露し成功するとは。

 それを言うと、Mariaは興味という心に火が付いたのか、グイグイ質問してくる。


「どうやってやったの!? 魔力の量は!? スキルの獲得方法は!?」


「お、落ち着こうか、説明するから」


 俺は属性魔法の体系が確立されていない考えを教えた。

 魔力を無属性魔法に変換し魔物を殴る。

 大方の場合それで済んでしまうからだ。


 あまり属性魔法を獲得する理由がなかったんだろう。


 それに加え、ここでは自分の魔力のみを元に魔法を展開している。

 きっと自分の魔力を変換するという固定観念が生まれていたんだ。


 魔力は直に属性へと変換できないのに、これじゃあいつまで経っても使えるわけがない。


「え? じゃあ、どうやって変換したの?」


「Irukaくんは……変換していない……ですよね?」


 ヒーくんの観察眼には目を見張るものがあるな。


「正解。 俺は変換したわけじゃないんだよ」


「あ、さっきの……!」


「気付いたか」


 そうだ。

 Mariaが送ってくれた種火。

 それを元に、火薬を火種に自然発火を起こした。

 発火は少量の規模だが、俺は自分の力を用いてそれを増幅させた。


 この世界の属性魔法は、自然の力なんじゃないか。

 それが俺が辿り着いた答えだ。


「自然の力を利用したんだよ」


「そっか……なんか、ウズウズしてきた! 早く試したいなぁ!」


 そして、Mariaの魔法の特訓が始まった。

 休憩して場所を移し、Akiさんとヒーくんは連日の長時間ログインに疲労したのか大事をとってログアウトした。

 俺はMariaと共に人の気配がない森の近くの荒野へと足を運んでいた。


 火種で発火し、魔力を用いてそれを増幅させることから始めているが……。


「う~ん。 上手くいかないなぁ……」


「俺はだいぶ慣れてきたな……」


 なぜMariaは上手くいかないんだ?

 ……何か引っかかるな。


「Iruka、さっき剣に変なことしてなかった?」


 指でなぞる様に剣へと文字を刻んだことか。


「あれは、自然を敬う時、力を借りる時のまじないだよ。 ジンクスみたいなもので、ゲームの仕様じゃないさ」


「ふーん、そうなんだ」


 お互い何かヒントはないか、模索していく。


「スキルや職業の解放には、アチーブメントや行動が必要だよな……」


 アチーブメントを眺めてみて……目星いものを発見した。

 これは【調和の御心】……。


 自然を敬い、自然への敬意がある者が自然と共鳴できる……。


「Maria。 アチーブメントが重要かもしれない」


「どういうこと?」


「俺には調和の御心っていうアチーブメントがあったんだ。 Mariaにはあるか?」


「えーと……ないみたい……」


「そうか……俺は、たまたまそれがあったから上手くいったけど……魔法使いは元々属性魔法を使えるはずだと思うんだ」


「え? そうなの?」


 魔法使いの持つ最初期の基礎魔法は。

 種火 粉雪 静電気 など……。

 そして属性の元になるような別の魔法も順次習得可能だ。


「俺がさっき使った魔法に関しても、基礎魔法は属性の基盤となるはずって思えないか?」


「確かに……。 Iruka、もう一回見せてよ」


「悪いけど、もう魔力がカラだ。 基礎魔法も使えないよ」


「そこをなんとか! 何か思いつきそうなの! 一回だけでいいから!」


「種火なら、なんとかなるかな?」


 俺は短刀へと種火を展開した。

 短刀に己の魔力が纏われ、火が灯っていく。


 命名しよう。

 魔法剣・炎刃えんじん


<スキル【属性魔法剣】【魔法剣・炎刃】が発現しました>


 まただ。


「Maria。 属性魔法は……おそらく既存スキルじゃない。 自分で産み出すものなんだ」


「自分で……産み出す……」



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