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かわいいぼくら  作者: 千子


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二年のクリスマス 前編

勉強と、僅かなな時間で友人と遊んでいたらあっという間にクリスマスが近付いてきた。

どこもかしこもソワソワして、誰もが口ずさむあのクリスマスソングが街を賑わせている。

……僕も、村崎さんにクリスマスプレゼントを贈ってみようかな。

そう思うだけでドキドキする。

村崎さんは何が好きなんだろう?

猫が好きしか知らない……。

よし!村崎さんについて調べよう!


「と、いうことで、村崎さんって何が好きなの?」

「直球だね、青江くん」

村崎さんが苦笑した。

「動物は全般的に好きだよ。あと、ちょっとドジで可愛い子も」

じっと見詰められて言われる。

村崎さんは動物とちょっとドジでかわいい子が好き!

そっと取り出したメモに書き記して、僕はお礼をした。

「ありがとう!村崎さん!」

でも、それだけだと情報が少ない。

こうなったらみんなに聞いてみよう!

「と、いうわけで村崎さんって何が好きだと思う?」

黄瀬くんと赤井さんに尋ねたら、二人は顔を見合わせて溜息を吐いた。

「青江、お前……」

「青江先輩ですものねぇ」

二人して哀れみの目線を向けられる。

僕がなんだっていうんだ!

「とりあえず!青江先輩と村崎先輩がクリスマスにおしゃれなカフェに行けばいいんですよ!」

赤井さんが張り切って言う。

「ええっ!?そんな、恋人じゃないんだからクリスマスに誘ったって断られるよ〜!」

また二人は顔を見合わせた。

「青江だしなぁ」

「青江先輩ですしねぇ」

「だから!なんなの!」

むくれると膨らんだ頬を黄瀬くんが潰した。

「村崎なら猫カフェとかいいんじゃね?」

「そうですね!動物がお好きなら猫カフェもありですね!」

「なるほど、猫カフェ……」

僕はノートにメモをした。

「ありがとう!二人とも!」

お礼を言ってまた次へ。

好き子へクリスマスプレゼントなんて贈ったことないから分からないことが多いな〜!

でも、村崎さんのことを考えて、村崎さんへのプレゼントを用意するのって楽しい!

僕は浮かれた気分のまま放課後まで待って街へ繰り出した。

どこかに村崎さんに似合うものがあるはず!

うろうろしていると、デパートに辿り着いた。

いつもデパコスを眺めているから無意識に足が向いちゃったみたい。

でも、ここなら商品も多いし村崎さんが喜ぶ品物もあるはず!

一階のコスメコーナーは、村崎さんはコスメに興味がないから贈らない方がいいかな。

でも、限定コスメ気になる〜!

あ!SNSで話題になっていたやつが予約受付中だって!

いいや!だめだ!今日は村崎さんのための贈り物を考えるんだから!自分のことは後回し!

そう思って歩いてエレベーターに向かうと、馴染みの店員さんに声を掛けられる。

「あ、青江くん!ちょうど今日からクリスマス限定コスメの予約受付中だよ!」

元気よく声を掛けられて、ついつい見てしまう。

うん!かわいい!!

そうだ!大人っぽい村崎さんなら、大人の女性に尋ねればヒントが得られるかもしれない!

「あの、実は相談があって……」

「なぁに?」

僕の神妙な態度に、店員さんも接客モードを中断して聞いてくれた。

「青江くん、それは……。まあ、青江くんだものねぇ」

黄瀬くんや赤井さんのような反応をされて僕は首を傾げる。

みんな、僕がなんだって言うんだ。

「その子はきっと、青江くんから贈られたものならなんでも嬉しいと思うわ。もちろん、猫カフェデートもね」

ウィンクされて、メモを取る。

「なんでもいいのが一番困るんですけど……」

僕が不満を言うと、くすくす笑われた。

「いいわねぇ、若いって」

なんて言われて僕は困惑する。

大人になれば分かるのかな?

「とりあえず、今日はその子に贈るものを買いに来たんです!また今度買いに来ますね!」

「分かったわ。プレゼント探し頑張ってね」

手を振って別れる。

よし!気合いを入れ直してコスメコーナーの一階を飛ばして二階から一店舗ずつ見て回る。

ううん。どれもピンと来ないなぁ。

動物……猫……。

かわいいモチーフの防寒グッズはたくさんあるけれど、防寒グッズなんて寒がりの村崎さんはいくつも持っていそう。

ああでもない、こうでもないと探して行っても答えは出ない。

それでも楽しいのは村崎さんのことだからだろう。

そうだ!猫が好きならあえて猫以外はどうだろう?

きっと持っていないはずだ!多分!

僕は猫以外の動物グッズを探した。

う〜ん。どれも可愛くて悩ましい。

……あ!このペンギンのホッカイロ入れはどうだろう!

猫もあるけれど、猫は持っているかもしれないしホッカイロ入れならそんなに負担にならないはずだ。

村崎さんは謙虚だから僕からのプレゼントに困ってしまうけど、友人からのプレゼントってことなら受け取ってくれるかもしれない。

それなら黄瀬くんや赤井さんにもなにか買わなきゃ。

ちょうどペアの小物入れが合ったからそれにした。

アドバイスをくれたお礼もあるしね!


翌日、僕は村崎さんに尋ねた。

「村崎さんは24日か25日って空いている?」

「両方空いているよ。空けておいた」

ふふっといつもの大人びた笑顔で言われる。

空けておいたって僕のために?

そんなこと、聞くに聞けずに赤くなる。

「それで、青江くんのご予定は?」

ちょっと揶揄い気味に問い掛けられる。

「村崎さんと猫カフェ行きたいです」

素直に言うと頷かれた。

「猫カフェ。うん、いいね。私の行きつけでいい?」

「う、うん」

やっぱり猫が好きなんだ。

「そういえば学内の猫は?」

「まだ里親が見つからないんだよね……。卒業までには居場所を作ってあげたいんだけれど」

村崎さんの表情が曇る。

僕も、お母さんが猫アレルギーじゃなければなぁ。

「そっか」

「うん」

短い返事で終わると、村崎さんからスマホを見せられた。

「25日は満席だったけど、24日の夕方なら予約取れたよ」

お店の予約画面を見せられる。

「楽しみだね」

「うん。楽しみ」

僕は、自室の机の上に綺麗にラッピングされたプレゼントに想いを馳せた。

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