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第40話 昔の姉には戻らない

御影音羽の「訂正を希望しない」という書類。


そこには、本人が書いていない署名と、


本人意思確認済。


という記録が残されていた。


署名を書いたのは、音羽の母親。


そして母親は証言した。


藤崎先生に、


確認したことにしてください。


そう言われた、と。


一方。


相談番号零を続ける御影朔は、初めて自分自身の願いを書いた。


僕は、姉を元に戻したかったんじゃなくて。


昔の姉に戻ってほしかったのかもしれません。

翌日の放課後。


臨時相談室の机には。


一枚の紙が置かれていた。


御影音羽さんから。


藤崎俊介先生への質問。


全部で五つ。


ひより先輩は。


紙を読む前に、ぼくを見た。


「書記くん」


「はい」


「これ、私たちが読んでいいんだよね」


「音羽さん本人から許可があります」


「先生にも?」


「はい」


「朔くんは?」


「まだです」


「……そっか」


御影朔くんには。


今は見せない。


音羽さんが決めた。


理由も。


本人から説明されている。


これは。


弟の事件ではなく。


私自身が、学校へ確認するための質問だから。


御影くんも。


了承した。


完全に納得しているわけではないと思う。


でも。


口を出さなかった。


それだけでも。


以前とは違う。


「読みます」


ぼくは紙を開いた。


一つ目。


なぜ、私が訂正を希望していたことを知りながら、取り下げるための書類を作ったのですか。


二つ目。


母が私の名前を書くことを、本人の意思確認として扱えると思った理由を教えてください。


三つ目。


『確認したことにしてください』と言いましたか。


四つ目。


私が学校を辞めたあと、この書類が本人の意思ではなかった可能性を、一度でも確認しようとしましたか。


そして。


五つ目。


今のあなたは、当時の自分が私を守ったと思っていますか。


ひより先輩は。


最後の質問を見たまま。


しばらく何も言わなかった。


「……強いね」


「はい」


「責めてるんだけど」


「はい」


「答えを決めてない」


「はい」


「『あなたは私を傷つけましたよね』じゃない」


「藤崎先生自身に説明させる質問です」


ひより先輩は、小さくうなずいた。


「私だったら……」


「はい」


「たぶん、もっと先に怒る」


「先輩は今でも先に怒ります」


「そこは否定してよ」


「事実なので」


「今日も冷たいなあ」


でも。


先輩は。


少し笑っていた。


音羽さんは。


藤崎先生と直接会わないことを選んだ。


今日。


質問は学校側から文章で渡される。


回答も。


まず文章で返す。


音羽さんがそれを読み。


必要なら。


次の質問をする。


会うかどうかは。


そのあと決める。


「顔を見た方が本音がわかる、って人もいるけど」


ひより先輩が言う。


「会わない方が話せることもある」


「はい」


「今は、声すら使わないんだね」


「文章です」


「この事件、ずっと声の話だったのに」


そうだった。


音羽さんの声。


偽の告白音声。


御影くんが作った、存在しない声。


校内放送。


盗聴。


録音。


全部。


声だった。


でも。


今。


音羽さんは。


自分で選んで。


文字を使っている。


声で話さなければ。


自分の意思ではないということにはならない。


本人が選んだ方法なら。


それも。


本人の言葉だ。


午後四時十二分。


藤崎先生から回答が届いた。


紙ではなく。


学校の担当者を通した電子文書。


内容は。


長かった。


でも。


最初の一文で。


ひより先輩の表情が変わった。


一つ目の質問について。


当時の私は、御影さん本人がこれ以上の対応を望んでいないと、自分に都合よく解釈していました。


「……認めた」


ひより先輩が言う。


「はい」


二つ目。


保護者が本人を代理できると考えていました。


ただし、それが適切な手続きであるか確認していませんでした。


三つ目。


『確認したことにしてください』という言葉について。


正確な文言は覚えていません。


しかし、御影さん本人へ確認したこととして処理する趣旨の説明をした可能性は高いです。


四つ目。


退学後。


書類が本人の意思ではない可能性を、確認しようとはしませんでした。


そして。


五つ目。


当時の自分が音羽さんを守ったと思っているか。


回答。


いいえ。


当時の私は、御影さんを守っていると思うことで、学校側の問題を早く終わらせようとしていました。


「……」


ひより先輩が。


紙を置いた。


「これ」


「はい」


「謝罪文じゃないね」


「質問への回答です」


「うん」


「音羽さんも、謝罪を求めたわけではありません」


「そうだね」


最後に。


藤崎先生から。


一文だけ。


質問とは別の記載があった。


当時の私は、御影さんへ「これ以上争わない方が、あなたの将来のためになる」と考えていました。


今振り返れば。


それは、本人の将来を理由に、本人の現在の意思を無視した行為でした。


「将来のため」


ひより先輩が。


小さく繰り返す。


進路指導。


部活動。


相談室。


先生。


家族。


いろんな場所で。


使われやすい言葉。


あなたのため。


将来のため。


守るため。


でも。


それを言った瞬間。


本人へ聞く必要がなくなるわけではない。


「音羽さんに送ります」


佐伯先生が言った。


回答は。


そのまま送られた。


編集しない。


要約しない。


学校側の説明を先に足さない。


藤崎先生が書いた文面を。


本人へ渡す。


返事が来たのは。


一時間後。


読みました。


今日は、これ以上質問しません。


その下。


もう一文。


今のところ、藤崎先生とは会いません。


そして。


最後。


回答を記録に残してください。


「許したとは書かない」


ひより先輩が言った。


「はい」


「許さないとも」


「はい」


「会わない」


「今は」


ぼくは言った。


「今は、です」


ひより先輩は。


少し笑う。


「書記くん、そこ大事にするね」


「必要なので」


「はいはい」


その日の夕方。


御影朔くんが。


相談番号零の続きを受けるため。


会議室へ来た。


今日は。


母親は別室。


佐伯先生が同席。


ひより先輩。


ぼく。


御影くん。


四人。


御影くんは。


椅子へ座るなり。


ぼくの記録用紙を見た。


「姉の質問」


「はい」


「回答、来ましたか」


「来ました」


「見せてもらえますか」


ひより先輩が。


御影くんを見る。


「音羽さんの許可が必要」


「……そうですよね」


以前なら。


なぜ。


と言ったかもしれない。


今は。


一度飲み込む。


「聞いてみます」


佐伯先生が言った。


御影くんが。


少しだけ首を振った。


「今じゃなくていいです」


「いいんですか」


「姉が、僕にまだ見せないって決めたなら」


「はい」


「たぶん……理由がある」


「気にならない?」


ひより先輩が聞く。


「気になります」


「すごく?」


「かなり」


「見たい?」


「ものすごく」


「正直」


「でも」


御影くんは。


自分の手を見る。


「それでまた、姉より先に知ろうとしたら」


「はい」


「何も変わらないので」


会議室が。


少し静かになる。


ひより先輩が。


柔らかく言った。


「じゃあ今日は」


「はい」


「御影くんの相談をしよう」


御影くんが。


うなずいた。


相談番号零。


現在の相談内容。


姉の事件を追うことをやめたら、自分が何をすればいいかわからない。


そして。


昨日追加された言葉。


僕は、昔の姉に戻ってほしかったのかもしれません。


ひより先輩が。


その一文を読み上げた。


「どういう意味?」


御影くんは。


すぐには答えなかった。


「昔の姉は」


少し。


間を置く。


「明るかったです」


「うん」


「よくしゃべった」


「うん」


「家でも歌ってた」


「歌?」


「放送用の発声練習です」


「なるほど」


「朝とか」


「迷惑そう」


「すごく」


御影くんが。


少し笑う。


「でも、嫌じゃなかった」


事件の前。


御影音羽さん。


放送委員。


将来はラジオの仕事をしたい。


自分の声を。


好きだった。


「事件のあと」


御影くんは続ける。


「姉は、あまり話さなくなった」


「はい」


「録音機を見なくなった」


「はい」


「家でも、自分の声を聞くのを嫌がった」


「うん」


「学校を辞めて」


「はい」


「そのあとも」


御影くんの指が。


少しずつ強く握られる。


「前みたいに笑わなくなった」


「だから?」


ひより先輩が聞く。


「戻したかった」


御影くんは答える。


「姉の声を取り戻せば」


「はい」


「学校が間違ってたって認めれば」


「はい」


「偽の放送を消せば」


「はい」


「姉も、元に戻ると思ってました」


「今は?」


長い沈黙。


「……戻らない」


御影くんの声が。


少し震えた。


「事件を全部訂正しても?」


「はい」


「先生たちが謝っても?」


「はい」


「記録を直しても?」


「はい」


「戻らないと思う」


御影くんの目に。


涙が浮かぶ。


「姉ちゃん」


声が。


少し崩れる。


「もう、昔の姉じゃない」


ひより先輩は。


すぐに何も言わなかった。


御影くんが。


自分で続きを話すのを待つ。


「それが……嫌でした」


「今の音羽さんが?」


「違う」


御影くんが。


急いで首を横に振る。


「今の姉が嫌なわけじゃない」


「うん」


「でも」


「昔の姉を奪われた感じがした」


「誰に?」


「学校に」


「桐生先生に」


「音声を作った友達に」


「教頭に」


「藤崎先生に」


「……全部に」


ひより先輩は。


静かに聞いた。


「音羽さん本人には?」


御影くんが。


止まる。


「何を?」


「今の自分を、どう思ってるか」


「聞いたことない」


「昔に戻りたいかも?」


「……ない」


また。


本人へ聞いていない。


御影くんは。


自分で気づいたらしい。


苦しそうに笑った。


「またですね」


「うん」


「姉のためって言って」


「うん」


「姉が戻りたいか、聞いてなかった」


「うん」


「……最悪だ」


「そこまで一気に自分を決めなくていいよ」


ひより先輩が言う。


「でも」


「今、気づいた」


「はい」


「じゃあ、次にどうするか決められる」


御影くんは。


少し黙った。


「聞きたいです」


「音羽さんに?」


「はい」


「何を?」


御影くんは。


考える。


「昔に戻りたいか」


「それだけ?」


「……」


「今の音羽さんをどう思ってるか、も聞いたら?」


御影くんは。


少し驚いた顔をする。


「そんなこと、聞いていいんですか」


「聞くのは自由」


「答えるかどうかは?」


「音羽さんが決める」


「……はい」


「聞き方も」


ひより先輩が言う。


「戻ってほしいって答えを求めないように」


御影くんは。


うなずいた。


その場で。


音羽さんへ連絡することはしなかった。


御影くんが。


自分で文章を考えたいと言ったから。


相談中。


ぼくは記録用紙を閉じた。


「書記くん?」


「はい」


「何で閉じたんですか」


御影くんが聞く。


「ここからは、本人へ送る文章を作る時間なので」


「記録しない?」


「必要な結論だけで十分です」


「……そういうこともあるんですね」


「あります」


すべてを。


残せばいいわけではない。


記録することと。


全部を保存することは違う。


十分ほど。


御影くんは。


一人で紙に書いた。


消す。


書く。


また消す。


そして。


完成した文面。


姉ちゃんへ。


事件の前の自分に戻りたいと思っていますか。


僕はずっと、戻ってほしいと思っていました。


でも、それを姉ちゃんに聞いたことがありませんでした。


今の姉ちゃんが嫌だという意味ではありません。


もし答えたくなければ、答えなくていいです。


ひより先輩が。


文面を見て。


「いいと思う」


御影くんが。


ぼくを見る。


「高槻くんは?」


「一つだけ」


「何ですか」


「最後に、自分が今どうしたいかを書いた方がいいです」


「今?」


「はい」


御影くんは。


少し考えた。


そして。


一文足した。


僕は、今の姉ちゃんと話せるようになりたいです。


送信。


御影くんは。


スマートフォンを伏せた。


「返事、待つ?」


ひより先輩が聞く。


「……今日は帰ります」


「いいの?」


「待ってたら」


御影くんは。


少し笑った。


「ずっと画面見てしまうので」


「正解かも」


「返事がなくても?」


「それも姉ちゃんが決めることだから」


御影くんは。


自分で言った。


相談番号零。


少しずつ。


姉から。


御影朔本人のものになっていく。


翌日。


返事が来た。


御影くんからではなく。


音羽さん本人から。


放課後相談室宛て。


御影朔への返信を。


相談の記録として共有して構わない。


本人が。


そう選んだ。


本文。


朔へ。


昔の自分に戻りたいとは思っていません。


御影くんは。


その一文を見て。


動かなかった。


音羽さんの文章は続く。


戻れないから、ではありません。


戻りたくないです。


あの頃の私は、今より楽しかったこともたくさんありました。


放送も好きでした。


自分の声も好きでした。


でも。


言いたいことを言えない時も多かった。


先生に言われたら従って。


友達に嫌われたくなくて。


嫌だと言うのも苦手でした。


事件があって。


学校を辞めて。


いろんなものを失いました。


でも。


そのあと。


自分で選ぶ練習もしました。


誰と会うか。


どこで勉強するか。


声を録るか。


録らないか。


学校の話をするか。


しないか。


今の私は。


昔より、嫌なことを嫌だと言えます。


だから。


昔の私に戻りたいとは思いません。


御影くんの目から。


涙が落ちる。


ひより先輩も。


黙っている。


最後。


音羽さんは書いていた。


朔。


私を昔の私に戻そうとしなくていい。


でも。


昔の私を忘れなくてもいい。


どちらも私です。


そして。


今の私とも話してください。


御影くんは。


しばらく。


画面を見たままだった。


「……怒ってるかな」


「何に?」


ひより先輩が聞く。


「僕に」


「書いてないね」


「でも」


「気になるなら聞ける」


「また?」


「何度でも」


御影くんは。


涙を拭う。


「姉ちゃん」


「はい」


「昔より強くなったんだ」


「本人は、そう感じているみたいですね」


「僕は」


少し笑う。


「弱くなったと思ってた」


「話さなくなったから?」


「はい」


「笑わなくなったから?」


「はい」


「それも」


ひより先輩が言う。


「御影くんが見た音羽さんだね」


「はい」


「でも、音羽さんが自分をどう感じてたかは違った」


「はい」


「どちらかが嘘ではない」


「……はい」


同じ人を見ても。


違うものが見える。


だから。


本人へ聞く。


事件を追うだけでは。


わからなかったこと。


「御影くん」


ひより先輩が。


相談番号零の用紙を見る。


「今、姉の声を元に戻したい?」


御影くんは。


長く考えた。


「いいえ」


「じゃあ、何をしたい?」


「姉が」


一度。


言葉を止める。


「自分の声を、好きでも嫌いでも」


「はい」


「自分で決められるようにしてほしい」


「誰に?」


御影くんは。


少し困った顔をする。


「……学校に?」


「学校が決めること?」


「違う」


また。


考える。


「姉ちゃんに」


「うん」


「姉ちゃんが決められる状態に戻したい」


ひより先輩が。


少し笑った。


「それなら」


「はい」


「最初より、ずっと相談室で扱いやすい」


「どうして?」


「声を元に戻すことはできないけど」


先輩は言った。


「選べる状態を戻す手伝いなら、できるかもしれないから」


御影くんは。


静かにうなずいた。


相談番号零。


当初の相談。


姉の声を、元に戻したいです。


現在。


姉が、自分の声や過去をどう扱うか、自分で決められる状態にしたい。


ぼくは。


記録を書き直すのではなく。


下へ追加した。


過去の言葉は消さない。


変わったことも。


記録する。


その日の最後。


音羽さんから。


もう一つ連絡が届いた。


学校へ。


正式な希望。


御影音羽本人。


過去の偽音声事件について。


学校による調査結果を確認したうえで。


記録の訂正を希望する。


ただし。


全校放送による訂正は希望しない。


学校ホームページへの掲載も。


現時点では希望しない。


希望する対応。


学校内部の正式記録に。


本人の実際の意思として。


次の内容を残す。


私は、当時の校内放送で流れた告白をしていません。


放送された音声は、私が編集練習で作ったデータを、本人の許可なく使用されたものです。


私は当時から、事実の訂正を希望していました。


取り下げた事実はありません。


ひより先輩が。


ゆっくり読み上げる。


最後に。


一文。


この訂正を、誰かを処罰するためだけのものにはしないでください。


でも。


誰にも責任がなかったことにも、しないでください。


「音羽さんらしいね」


ひより先輩が言った。


「今の音羽さん、ですか」


ぼくが聞く。


先輩は。


少し笑った。


「そうだね」


昔の御影音羽ではない。


事件の被害者だけでもない。


御影朔が守ろうとした姉だけでもない。


今。


自分の言葉を選び。


自分の記録を訂正しようとしている。


御影音羽。


その人自身だった。


そして。


相談番号零も。


終わりへ近づいているように見えた。


でも。


翌朝。


学校側の過去資料から。


一枚の新しい文書が見つかった。


御影音羽の訂正申請。


その処理について。


当時の職員会議へ提出された内部メモ。


タイトル。


御影案件 対応方針。


作成者。


柴崎正臣。


当時の教頭。


内容。


本人の訂正希望については、学校側の責任問題へ発展する可能性があるため、個別対応とする。


そして。


その下。


手書きの追記。


生徒会への共有は禁止。


放課後相談窓口案についても、同様の問題を生じる可能性があるため却下。


ぼくは。


その一文を見つめた。


数年前。


橘圭吾さんが作ろうとした。


生徒が最初に話せる相談場所。


その案は。


安全上の問題だけで却下されたのではない。


学校側が。


自分たちの対応を。


生徒に見つけられることを恐れていた可能性がある。


ひより先輩が。


小さく言った。


「……相談室が、作られなかった理由」


ぼくは。


内部メモを見る。


御影音羽さんの事件と。


現在の放課後相談室。


二つは。


偶然同じ部屋を使っていたわけではなかった。


数年前。


学校が閉じたはずの相談の入口を。


ぼくたちは。


知らないまま。


もう一度開いていた。

第40話まで読んでくださり、ありがとうございます。


今回は、御影音羽が藤崎先生へ送った五つの質問と、御影朔自身の相談番号零を中心に進みました。


藤崎先生は、音羽が本当に訂正を望んでいないと確信していたわけではありませんでした。


本人のため。


将来のため。


そう考えることで、学校側の問題を早く終わらせようとしていたことを認めます。


一方。


御影朔は、ようやく自分自身の願いと向き合います。


僕は、昔の姉に戻ってほしかったのかもしれません。


しかし、音羽本人の答えは。


昔の自分には戻りたくない。


でした。


事件によって失ったものはある。


それでも。


その後に、自分で選べるようになったものもある。


だから。


昔の私に戻りたいとは思わない。


朔の相談も変わります。


姉の声を元に戻したい。


から。


姉が、自分の声や過去をどう扱うか、自分で決められる状態にしたい。


へ。


そして音羽本人は、ついに学校記録の正式な訂正を希望しました。


しかし最後。


数年前の内部メモが発見されます。


そこには、当時の生徒会長・橘圭吾が提案した「放課後相談窓口」を却下した本当の理由につながる記述が残されていました。


学校は、生徒の安全だけを理由に相談窓口を拒んだのではない。


自分たちの問題を、生徒側から見つけられることを恐れていた可能性がある。


次回は。


現在の放課後相談室が、過去に閉じられた相談窓口とどう向き合うのか。


そして。


相談番号零を、本当に終わらせることができるのか。


物語は、御影音羽編の大きな決着へ進みます。


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