表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不人気と言われようともデバッファーを極める ~攻撃スキルが無くても戦えます~  作者: 功刀


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

105/123

黄金蝶探し⑩

「ギシャァァァァッ!!」


 マリアの勘は当たっていた。

 森を抜けた湿地帯で俺たちが遭遇したのは、大木ほどもある太さの巨大な蛇――『ジャイアント・アナコンダ』だった。


「来るぞ! 迎撃だ!」


 俺の合図で戦闘が始まる。

 しかし結論から言えば、この戦いは一方的なものだった。


『フンッ!』


 ガルフォードが大盾で蛇の突進を受け止め、弾き返す。


「そこよ!」


 サクラとテレサが左右から挟み撃ちにし、その長い胴体を切り刻み、叩き潰す。

 そして俺とマリアが後方からデバフと魔法の集中砲火を浴びせる。


 先ほどのタランチュラと比べれば、攻撃パターンも単純で、防御力も低い。

 ほんの数分もしないうちに、巨大蛇は悲鳴を上げながら光の粒子となって消滅した。


「ふぅ、終わったね」

「楽勝楽勝!」


 戦闘終了後、俺たちはすぐに周囲を捜索した。

 藪の中、木の陰、蛇が出てきた穴の中……

 だが。


「……いないわね」

「うん。どこにもいない」


 サクラとテレサが首を振る。

 黄金蝶の姿は、どこにもなかった。


「ハズレか……」


 俺はため息をついた。

 ボスクラスのモンスターだからといって、必ず黄金蝶を持っているわけではないらしい。あるいは、もっと強力なボスでないとダメなのかもしれない。


「まあ、そう簡単にはいかないか」

「だな。だが、方針は間違っていないはずだ。次に行こう」


 気を取り直し、俺たちはさらに森の奥へと進んでいった。

 湿地帯を抜け、少し標高が上がってきたあたりで、岩肌が露出したエリアに出た。

 そこで、俺たちは奇妙なものを発見した。


「ねえ、あれ……」


 サクラが指差した先。

 切り立った岩壁の根元に、ぽっかりと口を開けた、暗い横穴があった。

 自然にできた洞窟のようだが、その入り口付近には、なぜか人工的な石柱のようなものが倒れている。


「洞窟……か?」

「なんだか、ただの洞窟って雰囲気じゃないわね。奥から変な風が吹いてくるし」


 人工的に掘られたものではなく、自然の岩盤が崩落してできたような、荒々しい入り口だ。中からは冷たく湿った風が吹き出してきており、何とも言えない不気味な気配を漂わせている。


「いかにも『何かいます』って感じね」


 テレサが顔をしかめる。

 確かに、洞窟の中から漂ってくるのは、カビ臭いような、もっと古い時代の空気のような匂いだ。


「怪しいな」

「うむ。黄金蝶が隠されているとすれば、こういう場所こそ相応しい」

「少なくとも、さっきの蛇よりは期待できそうだ」


 俺たちは顔を見合わせ、頷いた。


「行ってみる価値はあるな」


 隊列を組み直し、慎重にその暗い洞窟の中へと足を踏み入れた。

 静寂と闇に包まれた洞窟。

 その奥底に待ち受けているものが、黄金蝶であることを祈りつつ、俺たちは一歩一歩、先へと進んでいった。


 俺は杖を握り直し、洞窟の入り口を睨みつけた。

 奥からは微かに、何かが這いずるような音や、水が滴る音が反響して聞こえてくる。


「入るぞ。灯りが必要だな」

「任せて。《ライト》!」


 マリア杖を掲げた。

 すると周囲が暖かな光に包まれる。


「じゃあ、あたしが先頭を行くわ。狭い場所ならハンマーの出番だし!」

「いや、先頭は吾輩が務めよう。盾持ちが先陣を切るのは戦場の常識だ」


 ガルフォードが立ちはだかる。


「そお? そんじゃお願い」


 ガルフォード、テレサ、サクラ、俺、マリアの順で隊列を組み、俺たちは慎重に洞窟へと足を踏み入れた。


 中はひんやりとしていて薄暗い。

 壁面はゴツゴツとした岩肌で、所々に見たことのない発光する苔が生えている。

 足元はぬかるんでいて歩きにくい。


「うぅ……なんか出そう……」


 サクラが俺の背中にぴったりとくっついて歩く。

 その時、前方の暗闇から、バサバサバサッ! という羽音が響いた。


「来るぞ!」


 ガルフォードが盾を構える。

 現れたのは、巨大なコウモリの群れだった。


 赤く光る目でこちらを睨み、鋭い牙を剥き出しにして襲いかかってくる。


「雑魚だ! 蹴散らせ!」


 俺が叫ぶと同時に、マリアが火球を放ち、テレサがハンマーを振り回す。

 狭い洞窟内での乱戦となったが、個々の能力が高い俺たちにとっては苦戦する相手ではない。数分の戦闘で、コウモリたちは全滅した。


「ふぅ。今のところは、ただの雑魚敵ばっかりね」

「油断するな。奥に何かいるはずだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ