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不人気と言われようともデバッファーを極める ~攻撃スキルが無くても戦えます~  作者: 功刀


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黄金蝶探し⑧

「……あの、折り入って提案があるのだが」


 しょんぼりと肩を落としていたガルフォードが、意を決したように顔を上げて俺たちを見た。


「吾輩たちのパーティも、貴殿らに同行させてもらえないだろうか?」

「同行?」

「うむ。見ての通り、我らは黄金蝶をフイにしてしまった大罪人だ。このままでは寝覚めが悪すぎる! せめてもの贖罪として、貴殿らが十分な黄金蝶を手に入れるまで、この盾を捧げたいのだ!」


 ガルフォードは拳を胸に当て、熱く語る。


「もちろん、手に入れた黄金蝶は全て貴殿らに譲る! 吾輩たちは手助けをするだけで構わん! 頼む、この通りだ!」


 再び頭を下げようとするガルフォードを、俺は慌てて止めた。


「待ってくれ。そこまでしなくていい。共闘はありがたいが、全部譲るなんて条件、飲むわけにはいかない」

「いや、これは吾輩の騎士道に関わる問題なのだ! 恩を仇で返したまま立ち去るなどできぬ!」


 頑固な男だ。だが、その実直さは嫌いじゃない。

 俺はテレサとサクラに視線を向けた。二人は顔を見合わせ、にっこりと頷いた。


「いいんじゃない? 戦力が増えるのは大歓迎よ!」

「うん! ガルフォードさんもマリアさんも強いし、一緒に戦えたら心強いよ!」


 二人の承認を得て、俺はガルフォードに向き直った。


「分かった。共闘の申し出、ありがたく受け入れるよ。ただし、報酬については全部譲るんじゃなくて、あくまで『協力』だ。手に入れた分は、その時の貢献度や状況で公平に分けよう。それでいいか?」

「……むう。貴殿らは慈悲深いのう」


 ガルフォードは感極まった様子で鼻をすする。


「感謝する! 貴殿らの厚意、このガルフォード、命に代えても報いてみせよう!」

「本当に、いいのかしら? 私たちのせいで損をしたのに」


 マリアも申し訳無さそうに尋ねてくる。


「損をした分は、これから取り返せばいいさ。それに、このイベントはPKありのサバイバルだ。信頼できる仲間は一人でも多い方がいい」


 俺の言葉に、マリアはようやく安堵の笑みを浮かべた。


「ありがとう。……じゃあ、改めて自己紹介させてちょうだい」


 マリアは優雅に一礼した。


「私はマリア。攻撃を主体にしつつ、多少の支援もこなせるわ」

「吾輩はガルフォード! 重装の守護騎士(ガーディアン)だ! 特技は盾と……土下座だ!」

「そこは胸張るところじゃないでしょ」


 テレサがすかさずツッコミを入れる。場が和み、俺たちも自己紹介を返した。


「俺はガイ。デバッファーだ。直接的な攻撃力はないが、敵を弱らせて場をコントロールするのが役目だ」


 そう告げると、ガルフォードは「ほう!」と目を丸くした。


「デバフ専門とは珍しい! だが先ほどの戦いぶり、見事であったぞ。あの巨大蜘蛛が吾輩の攻撃をあそこまで通すようになったのは、貴殿の弱体化あってこそだ」

「ありがとう。で、こっちがアタッカーのサクラ」

「サクラです! よろしくお願いします!」


 サクラがぺこりと頭を下げる。


「うむ、よろしく頼むぞ、サクラ殿! その俊足と鋭い剣撃、まさに疾風の如しであった!」

「えへへ、それほどでも……」

「そして、こっちが生産職のテレサだ」

「テレサよ! 素材集めとレア掘りが生きがい! よろしくね!」


 テレサがVサインを作る。


 こうして、俺たち『トライ・ジョーカー』と、ガルフォード&マリアのペアによる、5人の臨時連合パーティが結成された。

 タンク1、前衛アタッカー2、後衛アタッカー1、デバッファー1。

 偶然にしては出来過ぎなほどバランスの取れた構成だ。


「よし! 人数も揃ったし、気を取り直して出発進行!」


 テレサの号令と共に、俺たちは新たな陣形で森の奥へと進み始めた。

 先ほどの失敗も、今となってみれば良い笑い話だ。

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― 新着の感想 ―
土下座が特技になるほどやらかしてるのか、ガルフォード君。これからまだまだやらかしそう。
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