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「19歳ー神城刹那」
十九歳。
海外の大学へ進学した刹那は、目覚ましい成績を収めた。
講義では常に優秀な評価を得た。
複数の言語を自在に操り、難しい議論でも物怖じしなかった。
人前では礼儀正しく、冷静だった。
誰に対しても公平で、必要以上に親しくなることはなかった。
「神城って、何考えてるか分かんないよな」
「でも、すごい奴だよ。教授にも一目置かれてるし」
「いつも落ち着いてるよな。怒ったところ見たことない」
周囲は、そう評価した。
刹那はそれを聞いても、何も感じなかった。
褒められても嬉しくない。
失敗しても悔しくない。
人と話していても、どこか遠くから自分を眺めているようだった。
必要なことを言う。
必要なことをする。
それだけで、毎日は問題なく進んでいった。




