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「17歳ー神城刹那」
十七歳になった刹那は、父親の人脈を使い始めた。
もちろん、理由など話さない。
「……人を探している」
それだけだった。
「どなたを?」
「雨宮さくら。同年代の女だ」
「ご関係は?」
「……知り合いだ」
嘘だった。
知り合いと言えるのかどうかさえ、分からない。
彼女がどこに住んでいるのか。
どんな学校に通っているのか。
そもそも、本当に存在するのか。
何ひとつ、確かではなかった。
それでも刹那は、探すことをやめなかった。
公開情報を調べ、知人に尋ね、合法的に利用できる調査サービスにも依頼した。
思いつく限りの手段を試した。
しかし、返ってくる答えはいつも同じだった。
「申し訳ございません。該当する人物を特定できませんでした」
「……そうか」
「ほかに何か手掛かりはございますか?」
刹那は答えられなかった。
手掛かりなら、山ほどある。
笑うと目尻が下がること。
甘いものが好きなこと。
数学が苦手だったこと。
嬉しいことがあると、真っ先に話したがること。
花冠を作るのが妙に上手いこと。
けれど、そのどれもが。
現実の彼女を見つけるためには、役に立たなかった。




