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セクシャルマイノリティ

 ジョンはいつの間にかクマムシのブログを毎日閲覧するようになっていた。朝早く起きて掃除をして料理を仕込んで母親と一緒に店の準備をする。昼下がりには店を閉めて片付けの後、自宅に戻る。防犯と慈善活動の為に町の見回りを済ませた父親とテレビで報道(ニュース)や映画を観たり、食事と入浴の後、自室で電子書籍の漫画を読む。寝る前にクマムシのブログを閲覧する。客達と母の世間話、時折大通りを闊歩するデモ隊、父と視聴するテレビ。最近の情報はある程度耳に入る。経済状況も差別問題も環境悪化も労働争議も政治も戦争も暗い話ばかり。町の人達や客達は皮肉を交えて時には笑い飛ばす。民族・障害・宗教・政策・性の在り方をめぐって互いに一線を超えないように絶妙に皮肉や冗談を言い合う。母親は得意だが父親とジョンは口下手で無口だ。最近、ジョンはクマムシが身近にいたらどうなるだろうかとボンヤリ考えることが多くなった。


 クマムシは昨日のブログで性的(セクシャル)少数者(マイノリティ)について言及していた。過去にキリスト教徒圏で同性愛者が迫害されていた歴史に疑問を持っている。欧米もアジア圏も男の友情や絆を過度に美化しており、アジア圏では男色が肯定的に見られていた。キリスト教圏は何故同性愛者を迫害してきたのだろうか。また、昨今ではゲイばかりが話題になるがレズビアンのプライバシーや権利についてはゲイほど話題にならない。むしろレズビアンは遠慮を強いられている。同性愛者同士ならば異性愛よりも対等な恋愛ができるはずだ。異性愛だと体格や社会的地位に恵まれている男性が有利になって家庭内暴力が起きやすい。


 トランスジェンダー女性による女子更衣室・女子便所・女湯の使用ばかりが話題になるが、トランスジェンダー男性が安全に男子更衣室・男子便所・男湯を使用する権利について話題にならない。更には日本では女子便所を減らして男女兼用便所を増やしてシスジェンダー女性を挑発している。生物学的な性差が大きいのにトランスジェンダー女性を完全に女性扱いすることで医療現場が混乱になっていく。トランスジェンダー女性にとっても危険だ。トランスジェンダー女性もシスジェンダー女性も性犯罪者を一緒に捕まえて警察に突き出せば良いのに女子便所使用の話題ではそれを避けている。クマムシはトランスジェンダー女性がシスジェンダー女性に配慮して共に性犯罪者を捕まえるならば女子便所・女子更衣室・女湯の使用に賛成している。


 ゲイは自分に対しても他人に対しても男らしさを求めるはずなのに洋画では時々女性的な男性に「ゲイか?」と尋ねる登場人物が出てくる。クマムシは疑問に思っている。女を攻撃したり排除したり見下したりするゲイは嫌いでクマムシはゲイにも紳士的なふるまいを求めている。


 クマムシは差別主義者だと非難されるだろう。しかし、ジョンはクマムシを非難する気にはなれない。

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