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第16話 潜入

大きな爆発音が響いた。


ドォン!!


一瞬。


拠点内部まで揺れるほどの衝撃。


それは外部班からの合図だった。


「合図だ。」


ゴウマが前を見る。


「いくぞ!」


裏道を走り抜けていく。


そして一気に内部へ侵入する。



拠点内部。


そこは。


想像以上に混乱していた。


深淵の剣のプレイヤー達が走り回っている。


「敵はどこから来た!?」


「外の奴らを止めろ!」


「入口の瓦礫を撤去しろ!」


誰もこちらに気付いていない。


外部班の攻撃。


そして入口封鎖。


その影響で内部の防衛は完全に乱れていた。


「……。」


俺は周囲を見る。


敵の数。


配置。


逃げ道。


瞬時に確認する。


「今なら行ける。」


アイスが頷く。


その時。


ゴウマが入口方向を見る。


深淵の剣のプレイヤー達が必死に瓦礫を動かそうとしていた。


「入口を開けられたら外部班が危険になる。」


ゴウマは拳を握る。


「俺は入口を押さえる。」


俺が振り返る。


「ゴウマ。」


ゴウマは笑う。


「大丈夫だ。」


窓へ向かう。


そして。


次の瞬間。


飛び降りる。


「ゴウマ!」


しかし。


すでに彼は下へ向かっていた。



地上。


ゴウマが着地する。


深淵の剣のプレイヤー達が驚く。


「なっ!?」


「いつの間に!?」


ゴウマは拳を構える。


「悪いが…。」


「ここから先はいかせん!」



その様子を確認したアイスが言う。


「先を急ごう。」


俺達は頷く。


目的は。


拠点内部の制圧。


そして。


ゼノス達の撃破。


「行くぞ。」


アイスは前を見る。


拠点の中心へ。


王虎の牙の潜入部隊は進んでいく。


拠点内部。


長い通路を進む。


足音。


声。


戦闘の気配。


外では仲間達が戦っている。


だが俺達の目的はこの先。


「……。」


アイスが周囲を確認する。


「この先を抜ければ中央区画へ出る。」


その時。


通路の奥。


複数の気配。


「止まれ!」


声が響く。


深淵の剣のプレイヤー達。


武器を構えながら現れる。


「何者だ!」


「侵入者か!」


次の瞬間。


一斉に襲いかかってくる。


「俺が行く。」


ハヤテが前へ出る。


刀。


《白夜》。


抜刀。


一瞬。


空気が変わった。


「速い……。」


敵プレイヤーが呟く。


次の瞬間。


ハヤテの姿が消える。


斬撃。


一閃。


武器を弾く。


足を払う。


急所は狙わない。


ただ。


戦えなくする。


「まだ来るか!」


敵が迫る。


しかし。


ハヤテは止まらない。


流れるような剣技。


攻撃。


回避。


反撃。


全てが無駄なく繋がっている。


一人。


また一人。


深淵の剣のプレイヤー達が倒れていく。


「先に行け!」


ハヤテが叫ぶ。


「こいつらは俺が止める。」


その言葉に。


俺は頷く。


「分かった。」


俺達は先へ進む。



しばらくして。


最後の一人が倒れる。


ハヤテは刀を構えたまま言う。


「もう勝負はついた。」


倒れたプレイヤー達を見る。


「投降するなら命まではとらん。」


その言葉。


深淵の剣のプレイヤー達は顔を見合わせる。


迷い。


恐怖。


そして。


安堵。


「……。」


武器を下ろそうとした。


その時。


――ザシュッ。


背後から。


一本の槍が伸びた。


「……っ!」


ハヤテは強烈に後ろに飛ぶ。


そこに無数の斬撃。


深淵の剣のプレイヤー達の身体が崩れる。


通路に静寂が落ちる。


ハヤテの表情が変わる。


「……。」


見覚えのある姿。


「何故投降する。」


男は冷たく言う。


「最後まで戦え。」


「雑魚ども。」


槍使いバルド。


ハヤテは刀を構える。


「……。」


そして。


「久しぶりだな。槍使い。」


バルドは槍を構える。


「逃げ帰った雑魚が。」


ハヤテは《白夜》を握り直す。


「今度は逃げねぇよ。」


通路。


その場に。


二人の戦士が向かい合う。


近づくことを許さない槍。


一瞬で距離を詰める剣。


再戦が始まる。

第16話を読んでいただき、ありがとうございます!


今回は。


ついに白銀戦線の拠点内部への潜入が始まりました。


外部ではプレイヤーを救うための戦い。


内部では敵の本拠地へ進む戦い。


二つの戦場が同時に動き始めています。


そして。


ハヤテとバルドが再び対峙しました。


同じ戦士でも。


二人の考え方は大きく違います。


果たして。


一瞬の距離を詰める剣と近づくことを許さない槍。


どちらが勝つのか。


お楽しみに!

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