第14話 作戦開始
――朝。
王虎の牙の集落。
いつもなら。
畑仕事をするNPC達の声。
仲間達の笑い声。
穏やかな時間が流れている場所。
しかし。
今日だけは違っていた。
集落の中心。
そこには。
戦いへ向かう仲間達が集まっていた。
白銀戦線の拠点を取り戻すため。
そして。
囚われたプレイヤー達を救うため。
「いつでもいける。」
アイスが静かに言う。
その表情はいつもの冷静さを保っていた。
しかし。
その瞳には強い決意があった。
奪われた場所を。
必ず取り戻す。
その覚悟。
◇
「今回の目的を確認する。」
ゴウマが全員を見る。
「第一。」
「白銀戦線の拠点奪還。」
「第二。」
「奴隷状態にされたプレイヤー達の救出。」
「第三。」
「深淵の剣の戦力排除。」
皆が頷く。
「ただし。」
ゴウマは続ける。
「奴隷プレイヤー達は殺さない。」
「彼らは敵じゃない。」
「いいな。」
その言葉に。
全員の表情が引き締まる。
◇
たるとは参加する皆を見る。
ガウ。
ハヤテ。
ゴウマ。
リンファ。
セリア。
アイス。
バレット。
ガンテツ。
ノエル。
モルフォ。
そして。
白銀戦線の仲間達50名。
旧鉄球戦団のメンバー10名。
多くの仲間が集まっていた。
「……。」
たるとは少しだけ俯く。
今回の戦いは。
いつもの冒険とは違う。
相手を倒すためだけの戦いではない。
誰かを救うための戦い。
だからこそ。
怖かった。
でも。
「みんな。」
たるとは顔を上げる。
「絶対に帰ってきてください。」
「約束です。」
その言葉に。
俺は静かに頷く。
「分かった。」
ハヤテが笑う。
「当然だろ。」
その言葉に。
たるとは笑顔になる。
◇
作戦開始。
外部班。
目的。
敵の注意を引きつける。
そして。
拠点内部へ侵入させない。
メンバー。
バレット。
ガンテツ。
ノエル。
負傷していない白銀戦線メンバー。
旧鉄球戦団。
「正面から派手に行くぞ!」
ガンテツが笑う。
「任せてください。」
ノエルが盾を構える。
バレットは弓を手に取る。
「まずは俺が入口を崩す。」
「それが合図だ。いいな?」
全員が頷いた。
◇
内部潜入班。
目的。
拠点内部へ侵入。
深淵の剣戦力を排除。
メンバー。
ガウ。
ハヤテ。
ゴウマ。
リンファ。
アイス。
「こっちだ。」
アイスが言う。
「ここから内部へ入る。」
俺は静かに朧へ手を伸ばす。
ハヤテは白夜の鞘に手をおく。
ゴウマは拳を握る。
リンファが軽くストレッチをする。
「後は合図を待つだけだ。」
◇
そして。
白銀戦線の拠点。
森を抜けた草原の先。
岩山に囲まれた天然の要塞。
そこには。
すでに深淵の剣がいる。
ゼノス。
四天王。
そして。
支配されたプレイヤー達。
王虎の牙と白銀戦線。
全ての想いを背負った奪還作戦。
今。
開始する。
次回。
戦闘開始。




