表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
36/54

第6話 建設開始

会議後。


王虎の牙の集落。


昨日までと変わらない景色。


畑。


家。


広場。


仲間達の笑い声。


しかし。


一つだけ違うものがあった。


集落の一角。


そこには、大量の資材が集められていた。


木材。


石材。


建築に必要な道具。


今日から。


ここは街を作る場所になる。


「よし!」


たるとが両手を握る。


「それじゃあ、始めましょう!」


王虎の牙の街作り。


最初の日が始まった。



「まずは、作業場所を分ける。」


ゴウマが設計図を広げる。


「建築場所。」


「資材置き場。」


「作業する人達の動線。」


「無理をすれば事故につながる。」


「安全に進めることが一番大事だ。」


元警察官だったゴウマらしい。


勢いだけではなく。


全員が安心して作業できる環境を作る。


それが彼の役割だった。


「さすがゴウマね。」


リンファが微笑む。


「こういう時、本当に頼りになるわ。」


ゴウマは少し照れながら頭をかく。


「俺は戦うより、こういう方が向いているのかもしれんな。」



最初に始まったのは。


城壁作りに必要な資材の運搬だった。


大量に積まれた石材。


普通なら何人もの人手が必要になる量。


しかし。


「任せろ!」


ガンテツが前へ出る。


「こういう仕事は俺の出番だ!」


ガンテツは拳を握る。


アークスキル。


剛力解放ギガント・ブレイク


発動。


瞬間。


熊獣人の巨体に、凄まじい力が宿る。


巨大な石材を軽々と持ち上げる。


「おお……。」


周囲から驚きの声が上がる。


ハヤテが笑う。


「相変わらず、とんでもない力だな。」


ガンテツは豪快に笑う。


「力ってのはな。」


「壊すためだけにあるんじゃねぇ!」


「こうやって、何かを作るためにも使えるんだ!」


その言葉に。


たるとは嬉しそうに笑った。



「私も何か手伝えることを考えるね~。」


セリアが周囲を見る。


「でも……。」


「今ある魔法だけだと、少し不便かも~。」


アイスが首を傾げる。


「不便?」


セリアは頷く。


「うん。」


「じゃあ、作る~。」


セリアのアークスキル。


幻想創造ファンタズマ・クリエイト


それは。


存在しない魔法を、新しく生み出す力。


セリアは目を閉じる。


必要な魔法。


効果。


使いやすさ。


それらを頭の中で組み立てる。


「できた~。」


「《建築補助ビルド・アシスト》」


新たに生まれた魔法。


資材の固定。


細かな加工。


作業の補助。


街作りを助けるための魔法。


「……。」


アイスが驚く。


「本当に魔法そのものを作った?」


セリアは眠そうに頷く。


「うん。」


「欲しいものがなかったから~。」


ハヤテが苦笑する。


「それを普通にできるのがすごいんだけどな。」



シズクは建設予定地を見る。


「ここには結界の準備をしておきます。」


たるとが尋ねる。


「街を守るためですか?」


シズクは頷く。


「はい。」


「でも、一番大切なのは。」


「皆さんが安心して暮らせることです。」


「帰ってきた時に、ここなら大丈夫と思える場所。」


「それを作りたいです。」



俺は少し離れた場所から皆を見ていた。


作業をする仲間達。


笑いながら資材を運ぶNPC達。


昨日まで何もなかった場所が。


少しずつ変わっていく。


昔の俺なら。


こんな光景を見ることもなかった。


ただ強くなること。


生き残ること。


それだけを考えていた。


あの日。


たるとと出会うまではーー。


「ガウ!」


たるとの声。


振り返る。


「ガウも手伝ってくださいね!」


「分かってる。」


俺は小さく笑う。


「最初から、そのつもりだ。」



夕方。


初日の作業が終わる。


完成したものは。


まだ少しだけ。


でも。


確かな一歩だった。


集落の一角には。


新しい形が生まれていた。


ここから。


もっと多くの人が暮らせる場所になる。


もっと多くの笑顔が集まる場所になる。


小さな集落は。


少しずつ。


街へ変わり始めていた。

第6話でした!


ついに王虎の牙の街作りが始まりました!


今までは仲間を集める物語でしたが、ここからは集まった仲間達と一緒に「帰る場所」を作っていく物語になります。


戦うだけじゃなくて。


作ること。


支えること。


一緒に暮らすこと。


それぞれのキャラクターが、自分にできることを見つけていくのも建国編の楽しみの一つです。


次回も、少しずつ変わっていく王虎の牙を楽しみにしていてください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ