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第5話 計画

――朝。


王虎の牙の集落。


いつもなら。


畑仕事をするNPC達の声。


家を建てる音。


仲間達の話し声。


そんな、いつもの日常が広がっている時間。


しかし。


今日は少し違っていた。


集落の中心には、多くの人が集まっている。


王虎の牙のメンバー。


そして。


昨日から街作りを手伝ってくれることになった白銀戦線のアイス。


皆が集まった理由は一つ。


これから作る街について話し合うためだった。



「それじゃあ!」


皆の前に立ったたるとが、元気よく声を上げる。


「街作り会議を始めます!」


ゴウマが腕を組む。


「街作りと言っても、考えることは多い。」


「住居。」


「施設。」


「道。」


「そして、防衛。」


「順番を決める必要がある。」


その言葉に、アイスも頷く。


「大きな街を作るなら、最初の設計が重要だ。」


「後から変更するのは簡単ではない。」


皆が真剣に聞く。


そんな中。


たるとは突然――


「ふっふっふっー!」


全員がたるとを見る。


「……?」


俺は首を傾げる。


「たると?」


たるとは胸を張った。


「実は……考えてました!」


たるとは大きな紙を取り出す。


そして。


机に広げた。


そこに描かれていたのは――


未来の街の姿だった。


城壁。


関所。


メインストリート。


中央広場の噴水。


住宅街。


宿泊施設。


NPC住宅街。


訓練場。


研究施設。


海へ続く道。


そこには。


たるとの思い描いた未来が詰まっていた。


「すごいね……。」


リンファが優しく微笑む。


「ただ建物を作るんじゃなくて。」


「ちゃんと、そこで暮らす人達のことを考えてる。」


たるとは嬉しそうに頷く。


「はい!」


「街って、建物だけじゃないと思うんです。」


「そこで暮らす人達がいて。」


「笑って過ごせる場所になって。」


「初めて街になると思います。」


その時。


アイスが静かに設計図を見る。


そして。


少しだけ表情を曇らせた。


「アイスさん?」


たるとが尋ねる。


アイスは顔を上げる。


「すごいと思う。」


「だが。」


一度、間を置く。


「まだ、守るための設計が不足している。」


たるとの表情が固まる。


「……え?」


アイスは設計図を指差す。


「入口の配置。」


「城壁の位置。」


「見張り場所。」


「警備配置。」


「避難経路。」


「考える必要がある。」


たるとは設計図を見る。


少しだけ肩を落とす。


「……そんなにですか。」


しかし。


たるとは落ち込まなかった。


顔を上げる。


「じゃあ。」


「教えてください!」


アイスが少し驚く。


「え?」


「私、この街を本当に守れる街にしたいです。」


「だから。」


「アイスさん達の力を貸してください!」


アイスは少しだけ笑った。


「分かりました。」


「僕の知識で、より良い街を作ろう。」


「では。」


アイスが設計図を見る。


「まずは、何から作るかを決めよう。」


皆が再び設計図へ視線を向ける。


街の完成図。


まだ夢のような話。


しかし。


これを本当に形にするためには、順番が重要だった。


「やっぱり、最初は武器屋とかじゃねぇか?」


ハヤテが言う。


「装備を整える場所は必要だろ。」


「いやいや。」


ガンテツが笑う。


「先に住む場所だろ!」


「街ってのは、人が暮らしてこそだ。」


二人の意見を聞きながら。


ゴウマが口を開く。


「どちらも必要だ。」


「だが。」


「優先するべきものは決まっている。」


「まずは。」


「守るための場所。」


「そして。」


「暮らすための場所だ。」


皆が頷く。


アイスも続ける。


「街の基盤となるものですね。」


「防衛設備がなければ、住民を守れない。」


「住む場所がなければ、人は増えない。」


たるとは頷く。


「じゃあ……。」


「最初に作るのは。」


「城壁と、NPCの皆さんが暮らす住宅街ですね!」


決定した。


最初の建設。


城壁。


そして。


住民達の家。


小さな集落だった場所が。


少しずつ。


街へ変わり始める。


王虎の牙の建国への第一歩が。


今、始まった。

第5話でした!


今回はついに、王虎の牙が「暮らす場所」から「街を作る場所」へ進み始めました。


たるとの理想を、アイス達の知識で現実にしていく感じですね。


まだまだ小さな一歩ですが、ここから少しずつ大きな街へ変わっていきます!


次回から本格的な街作り開始です。


果たして、どんな街になっていくのか……。


お楽しみに!

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