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第1話 加入

第1章では小さな集落だった王虎の牙が、たるとの「楽しく暮らせる場所を作りたい」という想いから、少しずつ仲間を増やしていく物語でした。


バレット。


鉄球戦団。


白銀戦線。


モルフォ。


ノエル。


様々な出会いを経て王虎の牙は、ただのギルドではなく、誰かが帰ってきたいと思える場所へ変わっていきました。


そして第2章。


今度は、その居場所をもっと大きくしていく物語です。


街作り。


新しい仲間との出会い。


新たな脅威。


小さな集落から始まった場所は、どこまで成長していくのか。


王虎の牙の新たな挑戦を楽しんでいただけたら嬉しいです。


それでは、第2章「建国編」開幕です。

王虎の牙の集落。


朝。


鳥の鳴き声が聞こえる。


畑では住民達が作業をしている。


水路を流れる水の音。


家々から聞こえる笑い声。


「ガウ!」


満面の笑みでたるとが手を振る。


俺はたるとの横に立つ。


「いよいよだね。」


俺が呟く。


たるとがこちらを見る。


「はい!」


「始めます!」


迷いのない目だった。


たるとは誰かを助ける少女だった。


今は違う。


守る場所を作る者になろうとしている。


「簡単ではない。」


俺は言う。


「人が増えれば問題も増える。」


「敵も現れるかもしれない。」


たるとは笑った。


「一人じゃないですから。」


その言葉に。


俺は少しだけ目を細める。


「……そうだね。」



集会所。


街作りのための最初の会議が始まった。


集まったのは。


王虎の牙のメンバー。


バレット。


モルフォ。


ノエル。


ガンテツ率いる《鉄球戦団》。


「まず確認する。」


ゴウマが地図を広げる。


「街を作るなら、必要なものは増える。」


「住居。」


「食料。」


「防衛設備。」


「交易場所。」


一つずつ説明していく。


たるとは真剣に聞いていた。


「大変ですね。」


シズクが呟く。


「はい。」


たるとは頷く。


「でも。」


「やります!」


その言葉を聞いて。


俺は少し笑った。


やっぱり。


たるとは変わらない。


たるとは静かに聞く。


怖くないわけではない。


でも。


「……だからこそ」


「守れる場所にしたいです」


「困っている人が来た時」


「安心して助けられる場所にしたいです」


ゴウマは笑った。


「分かった」


「それが王虎の牙だな」



「一ついいか?」


豪快な声が響く。


ガンテツだった。


「はい!」


たるとが返事をする。


ガンテツは仲間達を見る。


そして。


大きく笑った。


「俺達《鉄球戦団》総勢10名!」


「正式に王虎の牙へ加入させてもらいたい!」


一瞬。


集会所が静かになる。


「……え?」


たるとが目を丸くする。


ガンテツは笑う。


「最初に会った時から思ってた。」


「嬢ちゃん達は、ただ生き残るために集まってるんじゃねぇ。」


「誰かと一緒に生きるために、ここを作ってる。」


拳を握る。


「俺はそういう場所が好きだ。」


「これからは友好ギルドじゃなく、同じ仲間として力を貸したい」


たるとはしばらく黙る。


そして。


笑顔になる。


「ありがとうございます!」


「よろしくお願いします!」


ガンテツは豪快に笑う。


「任せろ!」


「街作りなら、俺達の力を存分に使ってくれ!」


こうして。


《鉄球戦団》は正式に王虎の牙の一員となった。



その様子を見ていたバレット。


静かに立ち上がる。


「……。」


「俺も。」


全員が見る。


バレットは少し視線を逸らした。


「正式に加入させてほしい。」


たるとが目を丸くする。


「バレットさん……。」


「勘違いするな。」


「助けてもらったからだけじゃない。」


バレットは集落を見る。


「ここで過ごして。」


「飯を食って。」


「誰かと話して。」


「悪くなかった。」


少し間を置く。


「……いや。」


「好きになった。」


俺は思わず笑う。


「ようやくだな。」


「うるさい。」


バレットは睨む。


でも。


その表情は以前とは違っていた。


「よろしくお願いします。」


たるとが笑う。


「はい!」



「私も。」


次に声を上げたのはモルフォだった。


「正式加入をお願いします。」


モルフォは周囲を見る。


「皆さんは私を受け入れてくれた。」


「能力ではなく。」


「私自身を見てくれた。」


「だから。」


「今度は、この場所のために力を使いたいです。」


たるとは笑った。


「もちろんです。」


「一緒に街を作りましょう。」



最後に。


ノエルが立ち上がる。


「私も。」


「お願いがあります。」


ノエルは真っ直ぐたるとを見る。


「私を、王虎の牙の仲間にしてください。」


「私は。」


「守ることしかできないと思っていました。」


「ですが。」


ノエルは集落を見る。


「ここでは。」


「守るだけではなく。」


「一緒に未来を作れる。」


「そう感じました。」


「それに私の仲間達もきっと同じ事を言ったと思います。」


「私も、この場所を守りたいです。」


たるとは笑顔で頷いた。


「よろしくお願いします。」


「はい!」



その日。


王虎の牙は変わった。


小さな集落を守るギルドから。


未来を作るための仲間達へ。


俺は空を見上げる。


これから。


きっと多くの問題が起こる。


敵も現れる。


失うものもあるかもしれない。


それでも。


「……。」


俺は思う。


ここなら。


乗り越えられる。


「始まったな。」


たるとが俺を見る。


「はい!」


笑顔で答える。


「ここからです!」


小さな集落。


それは今日。


街になるための一歩を踏み出した。

第2章第1話でした!


第1章のテーマは、「仲間を集める物語」でした。


最初は、たるととガウ達だけだった小さなギルド。


そこにバレットが加わり。


ガンテツ達と出会い。


白銀戦線と繋がり。


モルフォやノエルとも出会いました。


そして今回。


ガンテツ達、バレット、モルフォ、ノエルが正式に王虎の牙の仲間となりました。


王虎の牙は、これまでの「小さな集落を守る場所」から「みんなで未来を作る場所」へ変わっていきます。


第2章では街作り・防衛・交易・新たな出会い。


そして、やがて国へと繋がる大きな物語になっていく予定です。


もちろん。


簡単に街が完成するわけではありません。


困難や敵との戦いも待っています。


でも、たるとが作りたいと思った場所は一人ではなく、仲間達と一緒だからこそ作れるものだと思っています。


次回は白銀戦線ギルドへの訪問になります。


第2章も楽しんでいただけたら嬉しいです。


これからも王虎の牙の物語をよろしくお願いします。

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