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第23話 重装騎士

冷たい石の床。


暗い空間。


ガウは周囲を確認する。


見覚えのない場所。


ダンジョン内に転移させられたようだ。


シズクが安心したように息を吐く。


「たるとさんと一緒に転移できたのは、不幸中の幸いです。」


「みんなは……。」


たるとが不安そうに周囲を見る。


「分からない。」


俺は首を振る。


「他の場所へ飛ばされた可能性が高い。」


たるとは少し俯く。


でも。


すぐに顔を上げた。


「探しましょう。」


「みんなを。」


いつものたるとだった。


「……ああ。」


俺は頷く。


「そのためにも、まずはここを調べる。」



三人で探索を開始する。


幸い。


今のところ魔物の姿はない。


しかし。


不気味なほど静かだった。


「変ですね。」


シズクが周囲を見る。


「ダンジョンなのに、魔物の気配がほとんどありません。」


「罠の影響かもしれない。」


俺は壁を見る。


古い石壁。


傷跡。


何かの文字。


その時だった。


ガキィィン!!


遠くから音が響く。


全員が止まる。


金属音。


誰かが戦っている。


「誰かいます!」


シズクが杖を構える。


「行きましょう!」


たるとが言う。


「待て。」


俺は手で制する。


慎重に進む。


だが。


音の主が敵なら。


放置する理由もない。



長い通路の先。


少し広い空間があった。


ドォン!!


大きな衝撃音。


「……。」


通路から中を見る。


そこにいたのは。


一人の少女。


重厚な鎧。


巨大な盾。


全身を守る鉄壁の装備。


重装騎士。


しかし。


その表情には疲労が浮かんでいた。


目の前には巨大な魔物。


少女は何度も攻撃を繰り返す。


だが。


ガキィン!!


剣は弾かれる。


傷一つ付かない。


「……。」


俺は理解する。


防御は完璧。


生き残る力はある。


でも。


攻撃力が足りない。


その時。


巨大な魔物が腕を振り上げる。


少女へ向かって。


「ガウ!」


たるとが叫ぶ。


俺は《朧》へ手を掛けた。


次の瞬間。


走り抜け、魔物の攻撃を受け流す。


「大丈夫?」


少女が驚いた顔をする。


「ありがとうございます!」


そして。


未知のダンジョンで。


俺達は一人の重装騎士と出会った。

ダンジョンで出会った重装騎士の少女。


次回は重装騎士の少女目線で描いていきます。

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