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#0011 次に目指すところ

これだけ時間かけて3000文字行かないってマジ?

嫌になってくるよね。

どうも文章のスタイルが安定しないというか、一貫性が保てなくて

本当に気持ち悪い。

……ほんの少しだけ寝ていたらしい。

30分くらいか? まあ、問題になるほどの時間じゃあないのは確かだ。


宇宙の旅というのはどうしても暇な時間が多くて

その潰し方に苦労するもの。


軌道マニューバ実行待ち、完了待ち、軌道周期待ち、ランデブー待ちに

FTL航行が遅い船なら超空間の通過待ちととにかく待たされるわけで。

あとはステーションの交通管制待ちもあるな。ドッキングポート、

クランプ、ハンガーが空くのを待つことは

それなりの規模のステーションならよくある。


正直言って俺もこの待ち時間をどう過ごすのが最適かはわかっていないな。

辺境星系で暮らす船乗りたちは実際のところどうしているんだか。


なかなか良い答えは浮かばない。

だから、考えるのはまた次の機会にしよう。


はぁ。それじゃあ忘れないうちに低温ポッドで凍っている奴らを

時間凍結ポッドに移すように指示して、ニックスの元に戻ろうか。


「ジェフ、ポッドの中身を解凍して時間凍結ポッドに移しておいてくれるか?

大丈夫だとは思うが故障で生命維持装置が止まったりすると困る」


「了解。ドローンに作業させますが時間凍結ポッドの在庫が

無いので新品の生成に多少かかります。以上」


うむ、ジェフも特に文句なく従ってくれたな。

まあこのくらいの命令ならということだろうが。


用が済んだら艦長室を出て居住区へ。

それほど時間は経っていないがニックスの様子はどうだか。


====


居住区へ戻ってくると、ニックスは大部屋のソファに座って

くつろいでいた。尻尾が邪魔になるんで座る位置は少し前寄りだけどな。


この感じだと居住性は問題なさそうだ。


「戻ったぞ、ニックス。仕事は済んだんでこれからはほぼ自由行動だ」


座ったままのんびりと部屋の向かい側のモニターを見ているニックスに声を掛ける。


「おかえりオーウィン。ってことは次の目的地も決めないとだよな」


モニターの画面を見ていたニックスはこちらを振り返る。


……何を見ていたのやらと思って俺も画面の方に目をやると――

どうやらセントラルシティでやってるホバーバイクレースの中継らしい。


そうか、向こうだと今はそんな時期か。


「そうだな。まあ俺としてはもうしばらくこの惑星の軌道に

居てもいいと思うが、そこはお前に任せようかね」


せっかく一緒に旅をすることになったんだ、しばらくの間行き先は

ニックスに任せて好きな所へ連れていってやろうじゃないか。


「俺が決めていいのか? へへ、それはうれしいな!」


再び画面に向き直って聞き流していたニックスはこちらを向き、笑顔を見せた。


まあ、ポッドで寝ている生物たちを帰してやるまでは

完全に自由とまでは行かないが、寄り道はできるさ。


「ああ、俺は随分長いこと行き先は自分で決めていたからな。

天体図やら観光ガイドやらを見ながら考えようじゃないか」


そう言いながら俺はストレージからある装置を取り出して床に落とす。


「ありがとうオーウィン。……えっと、それは何なんだ?」


「はは、まあ見てみろ」


物珍しそうに床に置かれた装置を見つめるニックスのことは

一度置いておいて、電源を入れる。するとその装置は

部屋の中央に立体映像を映し出し、この船の周囲の天体図を示した。


「なるほど、天体図の投影機……? なんだな!」


うむ、色々と察しがいいニックスはすぐに何か理解したらしい。


「本来は現場での打ち合わせや簡易な説明に使うものだが

便利なものだろう? 天体図は触れられるしネットワーク経由で

情報表示もできるんでゆっくりと眺めてみるといい」


「おう、んじゃ見てみるぜ」


ニックスはソファから立ち上がり、天体図を触り始めた。

……その様子は"夢中になっている"という表現が最もよく似合うだろう。


「おっと、一応一つだけ言っておくことがある。天体図ですでに

マーカーがついている星系はお前と同じようにポッドに

入れられていたほかの生物の出身惑星でな、しばらくはこいつらを

故郷に帰してやるためにマーカー付きの惑星を巡ることになるから

行き先はその道中で寄れる場所にしてくれると助かる。じゃあごゆっくり」


「OK、まあそれは確かにちゃんと返してやらないとだしな。わかったぜ」




さて、俺も近くで何かいい場所がないか探してみるか。

ついでにダウンロードした近隣星系の最新版観光ガイドを

物質操作器で紙の本として実体化させてニックスのそばに置いておく。


天体図を見ながら探すのもいいが、こういうガイドで

おすすめされているような場所を回るのもいいものだ。

ガイドに載るくらいだから当然行って損はないような場所だからな。


====


それから少しの間、俺とニックスは次の目的地を探して

天体図と観光ガイドとを行き来しながら考え込んでいた。


なにせこんな辺境でも行ってみたくなるような星系や

惑星は意外なほどたくさんあってな……。


だが、その中でも特に魅力的だったものというのはある。


「なあオーウィン? この惑星って地面が二重になってるのか?」


一つ目はニックスが天体図から見つけた妙な惑星だ。

こいつの言う通り地面が二重になっている――というよりは

浮遊大陸と通常の大地に分かれているらしい。


天然の反重力物質の存在は確かに観測されているが、

現状銀河でも数えるほどしか見つかっていない環境で、

どうもこの惑星は数えるほどの例の一つらしい。


調べてみたところ初期調査報告を見つけることができた。


「これは……浮遊島のある惑星じゃないか? 相当に珍しいものだぞ」


――浮遊島と言った瞬間、ニックスの耳が震える。


「浮遊島って――地面が宙に浮いてるってことか?

すごいな! そんな惑星もあるんだな!」


そんなニックスは一瞬視線を落としたこと思えば

すぐに顔を上げてこちらを見つめた。


……そうか。空を飛べる種族にとってはこれほど興味の湧くものも無いか。

実際俺もこれは魅力的に感じるよ。


「どうもそうらしい。……場所もそれほど遠くはないし行ってみるか?

空を飛ぶのが好きなお前には最高の選択肢だろう?」


「へへ、そりゃもちろん! じゃ、ここを次の目的地で頼むぜ!」


ニックスはとても嬉しそうだ。

そんな姿を見ていると……もっと、いろいろなものを見せてやりたくなる。

不思議なものだな……。


「ああ。ジェフにジャンプの準備をさせておくよ。

準備が済んだらそうだな……せっかくなんでブリッジに来てくれ。

ワームホールの通過が見れるぞ?」


「お、それもいいな。ありがとう、オーウィン」


====


そんなわけでひとまず行き先は決まった。

他にも候補は見つけたがそれらはまた後で、だな。


浮遊島惑星。

人間の視点でも非常にユニークなものなのは間違いない。

だが飛行種族の視点ではどうだ?


エーレンたちもニックスと同じ反応を示すだろうか?


こう考えてみると、いろいろな種族がクルーに居ればもっと広く、

焦点の異なる考えを持てるんじゃないかと強く感じるよ。

もし機会があれば一緒に旅をする仲間を探してみる

というのもいいのかもしれない。


今は決められないにしても気に留めておこうか。


[装備品: ホロプロジェクター]


容易に持ち運べるサイズの立体映像投影機。

壁、床、天井、自然の壁面などほぼすべての物体の表面に吸着する性質を持ち、

さらには反重力浮遊にも対応しているため場所を選ばずに設置可能。


通常は個人端末の操作用インターフェースから表示内容を受け取り、

周囲の空間上に投影する。投影には磁場と重力場の複合で空中に整列された

微細な金属粉末を使用しているため、環境によっては注意が必要である。


発展型のモデルでは投影に金属粉末ではなく

プログラマブル物質である疑似知覚素材を使用。


[種族: エーレン]


比較的最近銀河社会に加わった、知性と共に飛行能力を持つ鳥類に似た種族。

最も大柄な個体でも体重は30kgに満たず、非常に軽量かつ柔軟で強度のある骨格に加え

小さな断面積でも高い出力を発揮できる高度な筋組織を持つのも特徴である。


優れた知覚力と空間認識、情報処理能力から宇宙戦闘における適正は高く、

トリニティ航空宇宙軍でも重要な役職についているものが多い。


[装備品: 携行式物質操作器]


物質生成、合成、分解、変換、組立を全て一つでこなす高度な建設用装備。

内蔵されたゼロポイント反応炉のエネルギー出力により通常のモデルであれば

毎秒1kgの物質を生成することが可能である。また生成テンプレートの使用により

様々な加工済み製品の生成も可能。


その性質上悪用が容易であるため、極めて厳格かつ複雑な機能制限機構を持っている。


コメント:


前に説明したかもしれませんが念のため置いておきます。

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