表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/19

#0012 窓の向こうの未知

激遅更新な上に短い無能。

正直存続限界点の方を優先したいので一旦更新止めようかとも思ってます。

どうせ誰も見てないしええやろ。

さて、ひとまずジャンプの予約はしておいたからあとは待つだけでいい。

先にブリッジに行ってついでに近くの他の星系の情報も少し集めてみるかね。


ニックスに挨拶して、艦長室の隣にあるエレベーターで上へ向かう。

このエレベーター、ニックスには少し狭いだろうな。


到着を待っている間にふとそう感じた。


で、ブリッジに入ったら座席に座っていつも通りの情報収集といこうかね。


まずは何から調べようか?

今気になることと言えばやはりあの霧に覆われた星系か?


まあ、この件から調べてみるとしよう。


といっても、件の星系について得られる情報というのは非常に少ないんだが。


密輸業者が商品の隠し場所に使っているくらいだし

誰も知らないということはないはずで、

実際俺が天体図を売ってもらったあの船長も

何があるかわからないから近づかないようにしているだけで――

この辺りの住人にとっては知られてはいるはずだろう?


なのにろくな情報が見つからないんだ。


霧の中にあるのは破壊された惑星と無人のエキュメノポリス。

こんな特徴的にも程がある場所が手つかずのままというのはおかしな話じゃないか?


なぜ調査研究チームが派遣されていないんだ? 俺にはわからない。

いや、単純に近くに住んでるやつらは近づきたがらなくて、

密輸業者やらはこの星系の研究的価値を知らないだけ

という可能性もあるかもしれないが……いや納得がいかんな。

はぁ、ダメだ、わからん。


旅を始めてから分からないことばかりだ。

色々なものに答えを求めようとする俺が間違っているのかも

しれないにせよ、やはりはっきりとしたものがないと気持ちは晴れない。

困ったものだ。


まあ、切り替えて別の件に触れていこうか。

次に考えたいのはこれから向かう浮遊島惑星について、だろうかね。


浮遊島惑星……か。


浮遊島というのは昔からフィクションでは

よく登場するものだったが、まあ当然空想の世界にしか存在しないものだった。

だが、人類が宇宙に進出して、より多くの世界を

目にするようになってからはそれも変わったよな。


天然の反重力物質が惑星の地面を宙に浮かべ、浮遊島、

浮遊大陸とその下に広がる惑星本来の地表とで異なる二つの

生物圏が広がる。そんな世界がこの宇宙には実在したというわけだ。


"世界は広いから空想できるようなものはどこかしらに実在する"

というのがまさに事実なのは驚きだよ。


「艦長、ジャンプ準備が完了しました。命令を待機します」


――おっと、そろそろだな。内線でニックスを呼ぼうか。


<<「ニックス? ジャンプの準備ができたぞ。

外の景色が見たかったらブリッジまで来るといい」


これでよし。あいつの今までの行動からすれば間違いなく見に来るだろう。


少し待っていると予想通りブリッジの後ろで扉が開き、

ニックスはエレベーターから降りるとすぐにこっちに駆け寄ってきた。


「よ、オーウィン。今からジャンプするんだよな?」


「ああ、ここからなら外の様子もよく見えるぞ。

なかなか独時な景色だから見て損はないだろうさ。

さて、お前の方が準備できているなら出発しようか」


「へへ、楽しみだな。んじゃ頼むぜ」


よし、ニックスも心の準備はいいようなので出発といこうか。


「ジェフ、ジャンプを実行してくれ」


ジェフに指示を出すと船はすぐに動き出し、

目の前の真っ黒な星空が少しずつゆがみ始める。

ワームホール生成の第一段階だ。


「おお、これがワームホールってやつなのか?」


後ろで見ていたニックスが早速尋ねてきた。


「いや、まだ反対側までは繋がっていないな。

もう少しすればトンネルができるはずだ」


「ふむふむ」


俺が答えると、ニックスは納得の表情を見せ再び視線を外の映像に戻す。


それからほんの数秒すると前方の歪んだ空間は

俺たちがめざす目的地――あの浮遊島惑星を映し出す

実体のないレンズのように姿を変え、船はそのレンズ、

または水面に沈み込むかようにして捻じ曲げられた空間の縁を下ってゆく。


――俺には、このトンネルが水の中の景色のように感じられることがあるよ。

像の歪みが水中の屈折を思わせるからだろうかね?

なんにせよとても奇妙な光景だ。


なんだが……その割にずいぶんとニックスが静かだな。

振り返ってみるとその理由は分かった。

ニックスは外の景色を映し出すブリッジの

壁面を見つめたまま動かず、どうやら見とれているらしい。

俺も、ワームホールの通過を初めて見たときは言葉が出なかったのを覚えているよ。


実際これはその場で素早く形容するのは難しい。

思えば旧世代のFTL航行――超空間移動もなかなか見ごたえのあるものだった。


……さて、そろそろ到着か。少し前までは目の前にありながら

幻のように見えていた惑星の姿も今は確かな実体としてそこにある。

そしてさらに数秒経ち、船はついに空間のトンネルを抜けて

浮遊島惑星の軌道上に出現した。


「ジャンプ完了。速度、ベクトルともに誤差無し。これより赤道軌道に遷移します」


「……はっ、通過……できたみたいだな。いや……なんかこう、すごいな」


ジェフのアナウンスの後、ニックスは我に返ったように

初めてみるワームホール航行の感想を述べた。


……上手く言い表せない"凄さ"はあるよな、わかるよニックス。


「俺も初めてワームホールの通過を実際に見たときは

正直すぐには感想が湧いてこなかったのを覚えているよ、

ははは。さて、到着だな」


「おう! 降りるの楽しみだな!」


ニックスはそう言いすぐに窓際――つまり投影された外部映像まで

駆け寄り、右舷側に広がる浮遊島惑星を覗き込んだ。


せっかくなんで俺も一緒に惑星の姿を眺めてみようかね。

ニックスの後を追い、隣に立って眼下に広がる雲海へと目を向けてみると、

そこにあるのは惑星の地表から剥がれて浮き上がった巨大な浮遊大陸。


そしてそれらよりさらに高くへ浮かぶ小さな浮遊島群だ。

大陸と島々の隙間から姿をのぞかせる惑星本来の大地は

空を遮られ暗闇に包まれ、同時に地表の剥離によってあらわになった

惑星深部の火山活動の影響により活発に溶岩が流れ出ていることも分かる。


……まさに雲の上の天国と闇に閉ざされた地獄だな。


だが、よく見てみれば地表すべてがこうではないようで、

惑星のほぼ全域を覆う浮遊大陸群の中にもいくつか

隙間ができている場所があり、そこには通常の地表が残っている様子だ。

深い緑と青に包まれたその地域は地獄の中の小さな楽園ともいえるだろう。


そして大気の上層に視線を移すと、高空に浮かぶ比較的小さな浮遊島の間を

濃密な雲が川のように流れている様も確認でき、島々の狭間に吹く

気流の激しさや不安定さを宇宙からでもはっきりと見ることができる。


本当に、とんでもない場所だ。

はぁ……だが、最も驚くべきなのは、俺たちが今からここへ降りるということだろうな。


そんな中、隣で惑星を見下ろしていたニックスが唐突にこちらを振り向く。


「こんな世界が……あるなんてさ。今までいろんなところを回ってきたのに、

ちょっとワームホールをくぐれば見たことのないものばっかりって……すごいよな」


ニックスの表情は少し悲しげではあったが、同時に昂揚をも含む――そう感じられた。


人間の感情で例えるなら、シンプルに感動していると捉えればいいんだとは思う。

だが、俺にはもう少し複雑そうにも見える。


「はは、もっとすごいことならこれからあるだろう?

なにせ俺たちはあそこに降りるんだからな。まあ、昼食でも食べながら

降りてからのことを考えようじゃないか。居住区に戻ろう」


「……そだな! ほんと、ありがとな、オーウィン。

船に乗せてくれて、感謝してる」


「まあ、気にしなくていいさ」


ニックスはその後少しだけ名残惜しそうに窓の外へ鼻先を向けると、

俺の後に続いてエレベーターに乗り込んだ。


居住区に戻ったら少し早いが昼飯だな。ニックスもそれほど

腹は減っていないだろうが、飯は重要だ。

前に書いたかもしれないけどこの世界には主に3種類のFTL航法があります。

一部の特殊艦船のみ利用可能なものを含めると5つ。


- 超空間航法


距離のスケールが異なる別空間を利用した移動。

マイクラのネザー移動と言えばわかりやすいか。


- ワームホール航法


空間を捻じ曲げ二つの地点を繋ぐトンネルを作り出す。

距離に関係なく常に移動所要時間は同じだが

遠ければ遠いほどトンネルの生成と維持に多くのエネルギーを必要とする。


- 微小転移航法


並行宇宙間の座標系のスケールや精度の差を利用し、

現実を騙すことで自分自身の存在座標を書き換える技術。

間接的現実改変の一種。


- 現実波面滑走航法


現実の"海面"のうねりに乗って滑るように移動する特異な超光速航法。

通常空間上でFTL移動できる数少ない方式。


- PSIジャンプ航法


乗員の超能力を増幅し、現実のカットアンドペーストで移動する技術。

転移先の現実が転移元の現実で上書きされるため、

ジャンプの出現地点にある物体はなんであれ消滅する。


また、超能力を用いない現実改変で転移する派生型も存在する。


エネルギーシールドとかもかなり種類が多く、種族柄や技術水準が強く出る部分ですね。


なお、これらの設定は多分本編内で活かされることはあんまりないです。


そのほか:


個人的に、浮遊島や雲の上が舞台のお話は割とあると思いますがそんな世界における地表の様子、生活というのはめったに描写されない部分なので書きたいなと。地表には何らかの事情で行けないみたいな設定も多いと思います。エキュメノポリスの極高層建築群のはるか下、最下層民の暮らしとかと同様の魅力があると思うんですけどね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ