An Unchanging Futureー②
「最下層のクラスから首席が出た」
こんな事実聞いたことがなかった。まず、最下層はF3。Fのみが隣に数字が来る。3というのはFの中でも3番目。下の下ということになる。そこからA〜F3まで上げるには、並大抵の努力では不可能だ。相当努力しても、3ヶ月なんかでは所詮Dくらいだろう。ただ、驚くべきことに、出会ったばかりの頃は魔法一つも扱えなかったのに、卒業試験2週間ほど前から上級魔法が扱えるようになっていた。私は上級魔法に関しては、制御不能になってしまうこともある。自身のふがいなさで仲間を大変な目に遭わせたことも。Aクラスの連中は、扱え切れているものが大半だ。もしやとは思ったが、実践経験などほとんどなかったはずの3ヶ月でなぜAクラスにのし上がれたのか。しかも学園の首席になったのか、不思議で仕方がなかった。
「これは一体どういう事だ?」
やっとの思いで見つけたさくらに、私はこの結果になった理由が知りたい。そう思った。
「せらから教わったことを、ただ出しただけだよ」
前かがみで私にそう笑みをこぼすさくらには、気味悪がるさが正直ある。まず、彼女は聞いていた印象と全然違うということだ。魔法が使えなかったのも、魔法士になろうとなど思ってもおらず、友達は必要ないと割り切る人間だと、クラスメイトから聞いたことがある。だが、3ヶ月共にしてきてそれはないと思った。魔法士になりたくない、ならばなぜここまでの技術を求めたのか。そして友達が必要ないのであれば、なぜAやBクラスの連中と最近つるんでいるのか。ますます訳がわからなくなっていた。頭を冷やすこともかねてさくらを誘い、あの出会った場所まで歩くことにした。それに成績が発表された今の雰囲気は、まさに地獄だ。
卒業試験が終われば、すぐに卒業式。今回の試験の結果はもう変えることは出来ない。そしてクラスのランクによって卒業後の進路が決まってくるが、それだけではない。AクラスにはAクラスの戦いがある。私たちの進路は、だいたいがセカイのために尽くす。役目というのはセカイや魔法士らを消し去ろうとする奴らの存在を抹消することが最も多い答えだろう。何度か目にしたことはあるが、本当に気味が悪い連中である。まるでゾンビのような姿で心身ともに腐っている。そして標的を見つければ皆が同じ方角を定めて狙ってくる。本当に気色悪い。そんな連中となぜ我々は戦いたいのか。それは少しの正義感と一領域の統治をしたいと考えているから。というのが最も多い考えだろう。領域というのは、簡単に説明すれば国のようなもの。それが大きくまとまり合わせて4つの領域になる。領域の中でもフレームという領域の中にある小さな国のようなものも存在するが、領域を統治する奴らより自由が減るため、一領域のメンバーになることをみな目標としている。まあ難しい話だ。追々わかってくる、はずだ。
「おまえは何者だ?」
つい口が滑ってしまった。普通に考えて口が滑らないなんてほうが難しい。元々私は嘘をつくのが苦手だ。それにAの中でもさらに主席なんて。喉から手が出るほどにほしい称号だ。元々の主席はレオという猛獣男が独占していた。私はそいつに勝ったことなんて一度もない。そんなレオを押しのけて主席になるなんて考えもしなかった。きっとレオはものすごい形相でさくらを捜しているだろう。想像が出来る。そんなことを考えながら少しの沈黙の後、さくらは淡々と答えた。
「ただの一人の人間だよ。」
まさかこんな答えが返ってくるとは思いもよらなかった。私の予想は回答に困る姿だった。きっと私がそう聞かれたら何も答えられない気がする。淡々と答えるさくらに恐怖感が少し頭をよぎってしまう。
「卒業したらどうしたい。」
ここまで実力を上げたんだ。きっとすごい目標でもあったんだろう。私はというと、「未定」が答えだ。正直なりたいものなんて何もない。一時期はフレームか領域の長をサポートしたいというのが、私の目標だと仲間に話していたが、卒業が近づくにつれ、よくわからなくなっていた。誰かの役に立ちたいというのはあくまでも見栄だ。そんな正義感私にはないと感じている。だからこそさくらの意見を聞きたかった。そこまで実力をつけて一体どうしたい、何がしたいのか。土手に咲いている一本の桜の木を見つめ、さくらはこう答えた。
「私は領域の長になってせらと一緒にセカイを救いたい。」
そう儚げな表情を見せさくらは一言、私にそう言った。
見ていただきありがとうございました!
少しの間は主人公さくらではなく、せら視点での話がメインになってくると思います。独自のワードがいくつか出てきて、ほ、ほう、、となるかもしれません。ちなみにまだまだ出てくる予定です笑
恐らく物語序盤が終わる頃には、マスターできているはず、、です
次回は明日19日18時頃に掲載予定です。是非見に来てください!!
ひよこなひよりをどうぞよろしくお願いします。




