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魔法とセカイの約束  作者: 河野陽莉


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An Unchanging Futureー①

 木々が空が紅に染まる季節になってきた。私はこの時期が好きだ。美しいから。そしてすぐに終わってしまう寂しさも相まって好きなのかもしれない。私は紫月星玲(しづきせら)、ここ魔法学校「グロースワ学園」の最上級生である。今は休憩時間だから一人で、のほほんとサンドイッチを食べている。ちなみに手作り。今食べている場所は草原が広がる坂と桜の木々のコントラストがお気に入りで、いつもここにいる。桜は今季節でないけれど。この桜は卒業する頃に私を見に来てくれるのかな。そう意味わからないことを考えながら私は過ごしていた。


「ねぇ。魔法教えてくれない?」


 そう私に声をかけてきたのは、両手を後ろで組み様子を伺いながら問う、最下層のクラスを意味する刺繍を胸ポケットにしている生徒だった。別にいつもそこを注視しているわけではないが、いきなりのその言葉に驚きを隠せなかった。咀嚼していたサンドイッチも口に入れたばかりであるのに、ごくっと飲み込んでしまった。正直、仲の良い友達なら怒鳴りかけそうだったが、初対面の相手に失礼と感じ、その言葉はぐっと飲み込んだ。名前も知らない見ず知らずの他人に教えるつもりはない、と私は軽くあしらうと彼女は詫び、続けてこう言った。


「私は菊華(きくはな)さくら。なんの魔法も扱えない人間だよ。」


なんの魔法も扱えないという菊華の発言は、さすがに耳を疑った。もう一度聞いても同様の答えが返ってくる。さすがに学年を見誤ったのではないかとも思った。先程言った胸ポケットの刺繍は、最下層と最上位クラスにのみ記される。対になる刺繍がなされており、判別が一目でつく。そして、この刺繍は最上級生になるとなされるため、身間違いではないと自分を無理やり納得させた。さすがに入学して3年も経てば扱えるようになれる魔法はあるだろうと、確かめのために問うと、それも扱えないんだと、当たり前のようにいうあいつに私は呆れを隠せない。私は渋々承諾し、それから魔法を教える毎日が始まった。卒業まで約三ヶ月。卒業直前にある卒業試験で一定のクラスに昇格できなければ、進路を学校側に決められてしまう。あいつだけでなく他のみんなも必死だ。とある日の昼食の時間、私が声をかけられた場所に立っている。そこに立つあいつは、いつも話すときとは違うような雰囲気を思わせるような気配が感じられた。私に気が付くと、


「今日もお願いします。」


そう笑顔で言う。そんなあいつは目を疑うほど急速に成長していった。


 昇格試験当日、私は自身の心配を無視してさくらのクラスに赴いた。口には言い表せないような不安が頭をよぎったからだ。何もかもが上手く行く彼女に、今更なんと言葉をかけたら良いのかもわからず、「さくら」と教室前で名前を呼ぶ。最上位、この学園ではAクラスの生徒が来たことで、最下層クラス、F3クラスが静まり返った。なにか悪いことをしたなと思い、さっそうと帰ろうとすると、さくらが私を呼び止めてきた。


「大丈夫。今まで教えてくれたことを出すだけだから。」


 思いの外、彼女は落ち着いていた。不安な顔を一切見せず、いつも通りの様子であった。私は彼女にそうかと言い、手を振りその場をあとにした。欲は言わない。学園関連の仕事に、就くことを強制されるDクラスに上がってもらえればいいと、どこか上から目線で私はさくらの試験を考えていた。

 1週間後、結果が発表される時が来た。成績は中庭にて張り出される。全員の今日までのクラスが書かれた表が、これからのクラスごとに張り出される。


「これから最終昇格試験の成績を発表する。」


 そうお偉い先生が乞うと、大きな紙が一斉に開示される。その瞬間、歓喜と悲鳴が交じる声が学園に響き渡る。悲鳴のほうが大きいように感じながら、私は目と耳を疑った。周りもすぐに疑問視するような声に変わっていく。



 この学園のトップである首席は、菊華さくらだった。

ご覧いただきありがとうございます!

 タイトルに①がついているとおり、この作品は二話で一話分という形で書いていこうと思っています。ぜひこの次のお話も見に来てくださると嬉しいです。次回は投稿初期ということで、明日18日、18時頃に投稿予定です。18日と18時、イハイハですね(?)


 みなさんの力が執筆に熱の入るパワーの源です。ひよこなひよりをどうぞよろしくお願いします!!

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