西方諸国ラベニク、賤しさと絹《ソラ》
《ソラ》
「ふふっ、目的は責任重大だけれど、絹のドレスを着られるなんて楽しみだわ。」
マキは頬杖をついて、機嫌良く微笑んでいる。ユフィは言葉にはしないが、服などは好きだと言っていたので、楽しみな様子が表情から伝わる。
「舞踏会なんて久しぶりだから、緊張するなあ。」
カイはそう言うが、顔にも声にも全く緊張感が無い。俺は尋ねる。
「カイ、舞踏会なんて出たことあるのかい?」
「騎士をしていると、割とよく。王族や貴族の方とか、異国からのお客様とかを護衛をするのも仕事だからね。」
「え、じゃあ踊れるのかい?」
俺は驚いて前のめりに尋ねる。剣ばかりにしか興味が無いと思っていたので、とても意外だ。
「踊れるよ。まだ社交界に慣れていない女性を誘ったり、退屈そうにしている女性をもてなしたりするのも仕事の一つだよ。あまり速いテンポの踊りは苦手だけれど。」
俺たちは感心して声を上げる。
「なんだか、カイが踊りの練習をしている姿は意外だな。」
ユフィが言うと、カイはうーん、と腕を組む。
「育ての母や家庭教師の先生に教わったけれど、一番苦労したなあ。相手のドレスを踏んじゃうし、足を間違えて転んじゃうし。よっぽど剣を振っているほうが楽しいよ。」
「そっちのほうが、カイらしいわよね。他にも、騎士になるための勉強とかはあったの?」
マキが興味深そうに聞く。
「剣と槍はもちろんだけれど、礼儀作法とか、馬術とか、歴史とか、あとは音楽や美術の知識とかも勉強したなあ。」
「え、音楽と美術の知識って、なんでだい?」
俺はまた驚いて尋ねる。最初のほうは分かるが、その二つは騎士に必要なのか、ピンと来ない。
「まあ、女性と異国からのお客様をもてなすための教養みたいなものだよ。」
「なんか、客はとにかくとしてよ、なんでそんなに女ばっかもてなすんだい。」
俺は純粋な疑問を口にしたつもりだが、マキとユフィに軽く頭を小突かれる。
「な、なんだよ。」
「ソラ、言い方が良くないわよ。」
マキがジッと見つめて言う。
「お前、将来女で苦労するぞ。」
ユフィに言われてムッとする。
「けっ、別にいいさ。まあ、ユフィはアンナがいるもんな。」
俺がそう悪態をつくと、ユフィは腹立たしそうに俺の両頬をつまむ。ただ本音として、俺は今のところ、女に興味が無い。
「貴族の女性はね、いろいろな役割を持っているんだよ。」
俺とユフィを微笑ましく見るカイが、説明をする。
「結婚して後継を、というのは、どの時代でも女性にしか担えない大きな役割だと思う。ただそれだけでないんだ。家で雇う人の面倒を見たり、お金の管理をしたりと、家のなかの仕事の中心になるんだ。夫が仕事や戦場に出ているときは、夫の代わりに家の代表を務めるしね。他にも貧しい人への慈善活動だとか、外での活動もするんだ。」
俺はそれを聞いて、難しい顔をする。大変だとしても、食うに困らないなら良いだろうと思ってしまう。
「グランディエも、まだ貴族文化が残っているわよね。リベリアもそうだったわ。」
マキが頷きながら話す。
「私もリベリアで暮らしているときは、いわゆる花嫁修行をさせられたっけ。踊りも歌も、礼儀作法も。育ての母に一番言われたのは、〈夫が外に向けて、自慢出来る妻になりなさい〉だったわ。」
俺はマキが何気なく話す言葉に、反感を覚える。あのクルエルの悪夢で見た感情的な継母にも腹が立つが、女を必要以上に落としている言葉をマキが受けていたことが一番嫌だった。
「ジオリダムにはあまり無い感覚だな。言い方は適切でないが、夫の格を上げるために、妻も見た目だけでなく、教養を身につけねばならないということか。」
ユフィの言葉に、カイとマキは頷く。
「そういう将来の貴婦人を育てるためのも、僕ら騎士の仕事の一つなんだ。護衛中の何気ない会話にも、歴史や音楽、美術の豆知識を取り入れることも意識してね。より高貴な男性に選ばれるために、貴族の女性は賢く気高くなければならない。…まあ、歴史があるはずのグランディエは、世界に遅れを取っているなと、この旅で少し感じたけれど。」
そう言うカイの横顔は、少し俯き気味だった。カイは、自身の剣の技術や騎士としての仕事に誇りを持っていると思う。そんな彼の立場も、時代の変化によって揺らいでしまうのだろうか。
ただ、アリアレジスやジオリダム、新しい国を見た今は、その揺らぎがいつか現実になることを、どこかで感じてしまう。
「帰ったぞ…。」
扉を静かに開けて、カスガが帰って来た。
「カスガ、どこへ行っていたんだい?」
カイが尋ねると、カスガが浮かない表情で答える。
「これならどうじゃ。」
カスガはそう言って、懐から出したメガネをかける。それはツルの部分が革で出来た、安そうなメガネだった。
「え、カスガ、目悪かったのかい?」
俺は驚いて、椅子から飛び降りて尋ねる。
「いや、目には自信がある。地平線の彼方まで、何もかも見える。これは伊達メガネじゃ。」
「…度が入っていない、そんな不恰好なメガネをどうするんだ。絹の服には合わないぞ。」
ユフィが若干、呆れ気味に尋ねる。
「良いか。舞踏会中、ワシゃ、カスガじゃない。そうじゃ、リュウとでも呼んでくれ。」
「りゅ、リュウ?」
俺たちはよく理解出来ず、力が抜ける。
「頼む。ワシゃ、リュウじゃ。リュウなんじゃ。」
そう乞うように願うカスガ、いや、リュウは、必死そのものだった。
「…お前、どっかのボンボンで家出息子だろう?」
ユフィがカスガの顔を覗くように問う。
「…言わんぞ。別にどう思われても、いや、やはり…。ワシゃ、ただのカスガ、薬剤師じゃ。」
ユフィは諦めて、額を掻く。
「りゅ、リュウ。そのメガネ、似合っているわよ。」
「うん、新鮮でいい感じだよ。」
どう見ても似合っていないメガネを、良心的なマキとカイが褒める。
「本当か?」
カスガがユフィと俺を見る。
「…いいんじゃないか。」
「ああ、革のメガネってあるんだな。」
ユフィと俺も、無理に褒める。
もうすぐメウィティカにたどり着くが、カスガから自分のことを話す日は来るのだろうか。
そして、舞踏会当日となった。
俺たちはイザベルと約束した時間と場所に訪れた。それは富裕層が住む区域の入り口で、だいぶ居心地が悪い。姫神像を背に辺りを見るが、イザベルは見当たらない。
「どうかしたんじゃろうか。」
カスガ、いや、リュウが馴染まないメガネをかけて言う。
「え?ああ、皆さん、こちらです。」
聞き覚えのある、柔らかい声がすぐ後ろにした。しかし、俺は戸惑う。
「え?えっと…?」
「私です。イザベルです。」
俺とカスガは大声を上げそうになったが、他の三人に止められる。
宿屋で話したイザベルと全く違う。化粧や髪型にかなり手が加えられているが、全体としては上品にまとめられ、地味なくらいの元の顔立ちの面影が無い。十代後半くらいの、どこかの令嬢のようだ。
「素敵。見違えたわ。」
「ありがとうございます。」
マキが化粧のコツを聞いたが、イザベルは秘密です、とかわした。
「それでは、参りましょう。マルジャーナ家で着替えをし、化粧や髪型は専属の者が整えてくれます。」
「えっ、すごい。」
マキは本来の目的を忘れそうなくらい、はしゃいでいる。一方、リュウの足取りは重い。
「これは、俺たちが歩いて良い道なのか?」
ユフィが顔をしかめて言う。俺も同じような顔で頷く。周りは豪華な屋敷だらけで、道も、金と時間をかけて舗装されている。歩く人誰もが煌びやかな服装をし、従者を何人も連れている。
なんとなく、普通の服装をしている俺たちをチラチラ見ている気もする。
「マルジャーナの屋敷に入れば着替えも出来ますし、気にすることはありません。」
イザベルは動じることなく歩く。姿勢も良く、気品に溢れている。
「はあ、ワシゃ出来るだけ隅のほうにおるからな。」
「カ…じゃない、リュウも、こうなったら楽しそうぜ。」
俺はそう言ってリュウの背中を叩くが、彼は眉を下げて力無く歩いている。
話しているうちに、マルジャーナの屋敷に着いた。アリアレジスの姫神教会など、今までも立派な建物は多く目にしてきたが、この屋敷もまた、立派だった。
ただ俺は、妙に好ましく思えない。なんだかゴテゴテとしていて、見ていて目が疲れる建物だ。
「これが絹御殿かあ。何人ものレシオ人が破産して、この建物の一部になったんだね。」
カイが屋敷を見上げながら、さらりと恐ろしいことを言う。
イザベルが衛兵に招待状を見せる。一見、一般人の俺たちを訝しげに睨んで来たが、招待状はかなり凝った意匠で、偽装は困難そうだ。それに、アリアレジス上等学院に勤める、著名な学者のサインがされていたらしい。衛兵は渋々、俺たちを屋敷へと倒した。
男女で別の衣装部屋へと案内されるため、マキとイザベルとは別行動になった。廊下もついキョロキョロと忙しく眺めてしまう。やはり内装もゴテゴテとしており、言い方は悪いが、趣味が悪いように思う。
ただ、少し歩くごとに絵が飾られているのは、見ていて楽しい。俺は分からないが、有名な画家の絵なのだろう。どれも描かれた人物が話しかけてきそうな存在感がある。
すると、俺は見たことある人物を目にする。
「あ、アンナ?」
「なにっ。」
ユフィがすぐに反応する。つい驚いてしまったが、それはレノールが描いた絵だった。大きな瞳に紫がかった銀髪、そして白い肌。アンナは二匹の魚が泳ぐのを、微笑んで見つめている。
「へえ、これが本物の十二星座の乙女かあ。マキが持っていた絵はがきは白黒だから、色つきで見ると美しさも桁違いだね。」
「はあ、知り合いじゃが、こうして見ると、誠、現実に存在する人物には思えんのう。」
カイとリュウが感嘆して言う。
「…この魚座の絵のときは、右手に重心をかけた姿勢を保つために、腕がいつも痺れて大変だったと言っていた。」
ユフィが顔をしかめて言う。
「な、なんでそんな顔してるんだい。」
俺が戸惑って聞くと、カイが言う。
「ユフィ、大丈夫だよ。僕たちはアンナのことを好きになったりしないから。」
「なんじゃ、そう言うことか。」
リュウが納得すると、ユフィは無言で衣装部屋への案内に着いていく。
衣装部屋に入ると、何人もの従者がせかせかと動き、招待客の衣装や化粧、髪型など、全身を整えていた。
驚くことに、この衣装部屋だけで泊まっている宿屋が四軒くらい入りそうだ。男性の衣装がズラリと並んでいる。衣装はやはり、自慢の絹素材の光沢で眩しいくらいだ。
「お客様は学生さんですか?」
「ああ。」
「では、こちらへ。」
「お客様は?」
「僕は騎士です。」
「では、こちらへ。」
ユフィとカイが半ば引っ張られるように従者に連れられて、何枚も衣装を当てられている。二人ともされるがままで、着せ替え人形のようだ。
カスガはメウィティカ人ということで、また別の棚のほうへ連れられる。
「おぼっちゃまはこちらへ。」
「お、おぼっちゃま?」
俺はそんな言葉、言われたことないし、言われたくもない。なんとなく、一人で生きてきた浮浪児根性がうずいてしまう。
だが、そんな俺の思いと別に、俺は大柄な従者にほとんど抱えられるように、大量の服の前に立たされる。
「こちらはいかがですか?」
「ああ、いいんじゃないかな。」
「では、こちらは?」
「ああ、いいと思う。」
「おぼっちゃま、何かご希望はございませんか。」
「希望ったって…。そうだな、黒と水色じゃなきゃ何でもいいさ。」
俺がそう言うと、従者は口の端を上げて、軽くため息をついた。
俺は察した。生まれや言葉遣いの卑しさを見透かされて、小馬鹿にされたと。悔しくて、つい睨むような目を向けてしまう。
ただ、従者も仕事なので、きちんと俺の身長に合う高級な服を選んでくれた。靴下や靴も受け取り、小部屋で着替える。
俺は、さっきの従者のため息を引きずっていた。耳の入り口で、何度も繰り返してしまう。着替える小部屋があって良かった。水色の足を見られなくて済む。
着替えを終えると、大きく横に伸んだ机の前に座らされた。ちょうど良く、四人で並ぶ。
「みんな、いいね。よく似合っているよ。」
一番端のカイが俺たちを見て言う。
「カイは、この辺りの騎士の衣装か?白を基調に金の飾りがされていて、細かいところまで凝っているな。」
ユフィが興味深そうに眺める。
「うん、これは肩章と飾緒だね。さすが、グランディエのものより質が良さそうだよ。」
そう言われてカイを見ると、正直言って、かなりかっこいい。おとぎ話や紙芝居から飛び出した騎士みたいだ。彼の金髪と金色の瞳にとても似合う。
俺はと言うと、よく分からない。白いシャツに蝶ネクタイ、灰色のベスト、紺色の上着に同じ色のズボン。装飾品のブローチもつけられた。
なんだか肩口が硬くて、首もキツい。俺に似合っている気はしない。
「…お前はいつまで不貞腐れているんだ。」
ユフィが、カイと反対の端に座ったリュウに言う。彼はメガネをかけたまま、目を瞑っている。
「不貞腐れてなどおらん。悟りを開いておるのじゃ。」
「さ、悟り…。」
俺たちはリュウにかける言葉を諦めた。
しかしその衣装は、カイとは違うかっこよさがあって、目を奪われる。
やはり、メウィティカの衣装は独特だ。二、三重に着込んだ深緑の服を胸元で重ねて、同じ色の長い上着を羽織っている。しかも上着には、初めて見る細かい模様が刻まれている。ズボンと言っていいのか分からないが、幅広のズボンは真っ黒で渋い。
「それは、いわゆるハカマというやつか?」
ユフィが尋ねる。
「ああ、そうじゃよ。」
リュウがズボンを持ち上げて言う。なるほど、これは袴と言うらしい。
しかし思うのは、そんな重たそうで複雑な服を、リュウが着こなしていることだ。体格がそれなりにあるからかもしれないが、服に負けていない。
「ユフィはもっとこだわるかと思った。」
カイが言うのでユフィを見ると、確かに地味だ。
「俺はまだ半人前だしな。もっと言うと、今は学院に籍があるわけでもない。あれこれと派手な服を勧められたが、贅沢をする気は起きない。」
自分に厳しいユフィらしい言葉だ。ただ、俺と同じような服の合わせ方だが、似合う色を分かっている彼らしいベストと上着の微妙な灰色の違いが、逆に洗練された印象だ。
「あらあら、皆さまお化粧まだでした?」
俺たちの会話を遮って、四人の女中が後ろに立つ。かなり勢いがあり、俺たちは圧倒される。
そして、手鏡を持たされた。
「皆さま、お化粧や髪型にご希望は?」
「あら、おぼっちゃま、肌がモチモチしていて綺麗ですわ。」
俺の頬をむにむにと触る女中が言う。おぼっちゃまという単語を聞いた三人が吹き出した。恥ずかしすぎる。
「僕は前髪を上げてくれれば大丈夫です。」
皆がおまかせで、と言うなか、カイがそれだけを希望した。そして、女中が試しに櫛を通して前髪を上げると、さらにサッパリと大人っぽくてかっこいい。
「俺もそれがいい。」
「あら、おぼっちゃま、綺麗な額ですこと。」
「そのおぼっちゃまってやつ、やめてくれよ。」
三人が少しニヤつきながら見てくる。本当にやめてほしい。
でも、額を出すのはヴェーゼンでマキに髪を切ってもらって以来だった。浮浪児の頃は、適当に拾った紐で、適当に前髪や後ろ髪を縛っていたことを思い出す。切ってもらった髪型はもちろん気に入っているが、この全体的に髪が短い今、前髪を上げる髪型は、なんだか背伸びした気持ちでちょっとワクワクする。
「このメガネは外しませんか?」
「いや、これが無いと足元も見えんのじゃ。」
隣ではリュウと女中が戦っている。リュウは嘘をついてまで抵抗している。
「…あなた、どこかでお見かけしました?」
「いや、メウィティカ人にはよくある顔じゃ。」
その攻防を、髪を結い直してもらっているユフィが怪訝な顔で見ていた。
「こちらの扉の向こうが、会場となります。」
そう案内されて、扉の前でマキとイザベルを待つことにした。カイ曰く、女性のほうが準備に時間がかかるということだ。
「あら、びっくりした。みんな素敵ね。」
聞き慣れた声がしてそちらを見ると、見慣れた顔のような女が立っていた。
「ん?ま、マキ?」
「ふふっ、どう?」
俺が驚くと、マキはドレスを広げて気取ってみせた。
「やあ、素敵だよ。人魚姫みたいだね。」
「ええ、そんなに?ありがとう。」
カイがまっすぐ褒めた言葉に、マキは驚きつつ照れ臭そうにする。
人魚姫は、かなり的を射ている気がする。
マキのドレスは明るく緑みを帯びた青と言えばいいのか、美しい海を思わせる色だ。普段、茶系や赤い服が多い彼女には珍しい。肩や鎖骨を出しつつ、マキの明るい健康的な雰囲気のために、上品な印象を受ける。
「その髪の毛の小さい花、なんか良いな。」
俺が指差すと、マキも髪をふわりと触る。
「これ?ちょうど衣装部屋に飾られていたから、髪に散らばせられないか聞いてみたの。そうしたら、髪結いさんもいいねって言ってくださって、ちょっと差してみたの。」
マキは楽しそうに微笑む。
長い髪は後ろで三つ編みにしているが、本物の白い小花を散らばせており、生き生きとした雰囲気もある。あとは、あえてだと思うが、わざと三つ編みに束ねていない髪は緩くふわふわとしていて、やはりいつもより大人びた感じがする。
「イザベルも素敵よ。」
マキがイザベルを、手で示す。
イザベルは、マキと対照的な大人っぽさがあった。化粧や髪型は屋敷に入る前に見た上品で落ち着いたもので、ドレスは深い紺色だ。首元や肩、二の腕はレースで覆われ、ストンと落ちたドレスが場慣れしている雰囲気だ。
「ありがとうございます。潜入などで、慣れているもので。」
イザベルが謙遜して言う。しかしどこか照れた様子もあり、冷静な彼女の人間らしい一面が垣間見えた。
「では、参りましょう。」
イザベルの言葉とともに、扉が開かれた。




