世界観説明4
今回は『アルル』の暮らしを話してみよう。魔法は万能だ。上級魔法が使えれば使えるほど、家事に体を動かす必要がなくなる。それでは朝から夜までの生活の一環を『リーヤー』の暮らしと比べてみてみよう。
朝起きるとき、『アルル』では目覚まし時計が鳴る。『リーヤー』でも目覚まし時計が鳴る。普通じゃないかって?魔法は万能ってさっき言ったばっかりだけど、寝ていたら魔法は使えない。現在の時より先の時に例えば5分後に魔法を発動させるのは、かなり上級な魔法なんだ。難易度でいったら、レベル3ぐらいにはなるかな。習得してしまえば、5分後でも一年後でも同じようなものなのだけどね。そして『リーヤー』では騒音じゃなくて、音楽を鳴らして起きる人もいるみたいじゃないか。これを魔法でやるのは難しい。『アルル』では、騒音なら波属性魔法レベル1ソート2で発動することはできるだろう。音楽を鳴らすとなると、波属性魔法レベル4ソート5で発動する。もちろんそんな上級な魔法を使える『マジック』は少ないだろう。
目覚まし時計に話を戻そう。『アルル』と『リーヤー』の目覚まし時計は動力が違う。『リーヤー』では電池、なら『アルル』は?それは魔石だ。
魔法を固形化するのは、難しいことだ。一般の『マジック』ができる業ではない。それは上級魔術師がやることだ。魔石を作ること自体は無機質属性レベル5ソート2の究極魔法だ。これができるようになったら、もう暮らしには困ることはない。魔石の需要は、暮らしにも戦闘にもあり、膨大だ。『リーヤー』の石油王を想像してもらったら、分かりやすいだろうか。『アルル』では魔石を個人が勝手に売ることは犯罪なんだ。一度国に大きさごとに値段を決めて買ってもらい、それを国が全国に売るというシステムを採っている。
おっと、また逸れてしまった。すまないね。目覚まし時計の音の鳴らす魔術とその動力を教えた。でもそれだけではまだ動かない。料理に例えるなら材料と調理器具と火と水があるだけだ。これだけがあっても意味がない。調理の過程、魔法でいうなら「回路」が必要だ。回路にはミスリルが使われる。
ミスリルは何かって?一言で言ってしまえば、魔力を均等に伝えやすい金属、かな。ミスリルは武器や防具にも頑丈だと言われ、使われていたりして、『アルル』では重用されるんだ。
そのミスリルに回路を刻み込むんだ。回路って具体的に何を刻み込むのかって?みんなに前に言った「魔線」だよ。横線と縦線。これが刻み込まれたミスリルに魔力を注ぎ込むと、たとえ魔力を流し込んだ本人がその能力に見合わなくても発動するし、動力となる魔石によって魔力が流し込まれても発動するんだ。これがあれば論理的にはレベル4でもレベル5でも魔法が発動するんだけど、今のところレベル3がせいぜいといったところだろうか。レベルが高い魔法はその分使ったときの魔力消費量は大きくなるけど、回路を使えば、微量な魔力を注ぎ込ませるだけで魔法を発動させることが出来るんだ。そしてそのミスリルに回路を刻み込むのには高度な技術が必要なんだ。普通は、回路に一回魔力を注いで魔法が発動すると、消えてしまうんだ。『マジック』同士が戦闘するときに魔線を書いて魔法を発動したら、すぐに消えてしまうようにね。そんな回路を簡単な魔法だったら一万回ぐらいまで使わないと消えないようにするんだ。回路の摩耗は魔力の消費量を大きくすることで小さくすることが出来る。でもいくら回路を消耗させたくないからといって、一回にたくさん魔力を注ぎ込ませていたら、疲れてしまうだろう。魔力の消費量と回路の摩耗、バランスがとれたものが『アルル』の世界に広まるんだ。
目覚まし時計の話に戻ると、決まった未来の時間に魔法が発動する回路と音を出す魔法が発動する回路を組み合わせて、それに魔石を合わせて初めて目覚まし時計の役割を果たすんだ。
暮らしを見てみると言って、目覚まし時計だけにどれだけ時間を食っているんだと言われそうだけど、いくら魔法が万能だからといって、何かをするのはそれだけ大変な思いをするということなんだ。説明が長かったことくらい私にも自覚はあるさ。
さて朝起きたら、次は朝ご飯だ。
ご飯は『リーヤー』では「作る」ものだろう。『アルル』では材料さえあれば魔法でパッとできてしまうんだ。それではどうパッとやるのか。火属性レベル1ソート1と水属性レベル1ソート1の複合魔法を使うんだ。
複合魔法。また知らないワードが出てきてしまったね。複合魔法とは、別の色の魔線を交わらせて魔法を発動するんだ。魔線の色の話は覚えているかい?例えば火と水の複合魔法だったら、赤の横線縦線、青の横線縦線を組み合わせればいいんだ。つまり赤と青で横縦2本ずつの魔線が出来上がるわけだ。気をつけるべきことは、魔線の書くとき、色に注意することだね。他の例を言うと、植物を一気に育てたいとき、これは水属性レベル1ソート1、光属性レベル4ソート2、無機質属性レベル2ソート2を組み合わせる。横線7本縦線5本という恐ろしく高度な魔法になってしまったけど、難しいことをしようと思うと、それなりのことをしないといけないということだね。
料理の話に戻そう。料理も魔法で簡単にできると言ったが、作った者によって味も見た目も食感も変わってしまうんだ。これは料理の複合魔法がこれから作ろうと思う料理が術者のイメージした通りにできるようになっているからだ。だから術者は味の細かいところから食感、見た目、量をしっかりと想像できてないといけないんだ。だからご飯は『アルル』では「想像する」ものなのだ。『リーヤー』では料理が下手だと不器用だねと言われるが、『アルル』では想像力がないねと言われてしまうんだ。でも初めて作る(想像する)料理が上手くいかないのは、どこでも同じということになるのかな。ちなみに『アルル』のレストランのシェフは皆、想像力が豊かであるという話を聞いたことがあったね。料理の上手下手は『アルル』にもあるんだ。
朝ご飯を食べ終わったら、いろいろと準備があるのはどっちも一緒かな?そして、学校なり仕事なりに行くんだ。
学校では子供は何を習うのか。魔法の練習、国語、算数、地理その他諸々。物理や化学もやるけど、理科系は『リーヤー』に劣ってるのは間違いないね。それと注目してもらいたいのは、『リーヤー』のことは全く教えてもらえないというところかな。あっち側の人は敵だとも味方とも言わない。完全無視。「『テクニック』って何?」と言われてしまう始末さ。
大人たちは仕事で忙しいのは、どっちも変わらないかな。仕事は『マジック・マキシマム』や魔法研究以外は、公務員、製造業、サービス業、建設業、農業、林業、漁業とあまり変わらないが、そのどれにも魔法が関わっていることは言うまでもない。
昼ご飯は、もういいよね。
みんなは掃除はどうしているだろう?『リーヤー』には掃除機という便利なものがあるそうじゃないか。『アルル』にも似たようなものがある。魔石付きの吸引機だ。ほかには水属性と波属性の複合魔法の回路が組み込ませた、一瞬で物を綺麗にする魔石器具もある。これを部屋全体にやろうとすると、すぐに魔石が魔力切れを起こすから、さっき言った2つを状況によって使い分けているといった感じだろう。ちなみに魔法で一気に片づけということは高度な魔法になる。まず軽い物を1つ浮かせるには、無機質属性レベル2ソート1の魔法を使わなければならない。それを決まった場所に移動させるには、もう少し高度な魔法をつかうことになる。これを複数同時にこなすとなれば、より難しい魔法になるだろう。魔法を発動して、はい片づけ終了♪とはいかないのである。残念だ。
夕方、夜になったらみんな帰宅だ。夜こそ本番の仕事もあるけど、それはそれだ。どっちもそれは同じだろう。
帰宅したら、お風呂かな?でも体を洗うのは一瞬だ。魔石が動力のヒーリングシャワーで体を流したら、体は綺麗そのものだ。回路の説明をしておくと、水属性レベル1ソート3と光属性レベル2ソート1の複合魔法だ。湯船は一瞬で沸かすことが出来る便利機能な魔石付き湯船が主流だね。
そして晩ご飯、就寝となる。
『リーヤー』ではかかせないものとなっているテレビは、『アルル』にも似たものがある。『リーヤー』のパソコンにあたるものは・・・、『アルル』にはないのだ。不便極まりないじゃないかって?そうかもしれない。これは価値観の問題になるかもしれないね。
世界観長すぎ




