表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/12

世界観説明

ここの世界は魔法がある世界。魔法を使えば火を起こせるし、自分の周囲に透明な壁をつくって、いわゆるバリアを張ることもできる。空を飛ぶことは高度な魔術のためできる人が限られてくるが、とにかく魔法が使えることと使えないことではできることに大きな違いが生まれる。

魔法が使える人のことを『マジック』という。魔法は生まれながらにして親が『マジック』かどうかで決まる。魔法が使えない人と使える人が結ばれた場合は?そもそも『マジック』とそうではない人が結ばれることはまずない。『マジック』側が魔法を使えない人を蔑んでいるから──ではなく、『マジック』とそうではない人は住み分けられているのだ。

魔法を使えない人は『マジック』と比べて、貧相な暮らしをしているか。それも違う。魔法を使えない人は使えない人なりに知恵を絞ってきたのだ。簡単に言うと、「電気」のことなのだが、家の明かりはもちろん、テレビや洗濯機、携帯電話などいろんなものを発明してきた。そういう暮らしをしてきた者は誰が言ったか知らないが『テクニック』と呼ばれるようになった。『マジック』にとってみれば魔法を使わないのに、遠くの人と話したりできることは驚くべきことなのだ。「向こうの世界には、こちらと違う種類の魔法がある」という人がいる始末である。

現在、『マジック』と『テクニック』が会うということはほとんどない。お互いの境界には厳重な警備が敷いてあり、お互いが会うことは避けるべきとしているのである。

そうなってくると、お互いの力関係が気になってくるだろう。しかしこれも問題はない。お互いが睨み合っていることは否定はできないが、互いに無視を決め合っているのである。『マジック』がどんなにすごい攻撃魔法を開発しても、『テクニック』がどんなにすごい武器を発明しても、それを相手に浴びせようとは考えないのである。それが理想だからか?それが自分に跳ね返って良いことだからか?そういうことではない。それでは何故か。ここではあえてそのことについては言わないでおこう。なに、後々わかることであろう。

それではみんなにお話をしよう。どんなお話か?『テクニック』のことは、私よりみんなの方がよく知っているのではないか?だからといって、私が『マジック』であるということはないのだが、ここは魔法がある世界。どうせなら『マジック』のことについて話す方がいいのではないか?それでは──

『テクニック』の世界─『リーヤー』─の境界近くの町に『マジック』が二人いる。いや今は一人と一匹と言った方がいいだろうか。

「臭いは続いているかデオン?」

「ああ、臭いが濃くなってきている。もうそろそろだ。」

彼らは今、『マジック』の世界─『アルル』─で焼死した『テクニック』を『リーヤー』に遺棄した犯人である『マジック』を『リーヤー』からの臭いを頼りにして『アルル』の町まで来ていた。

何故このようなややこしいことになってしまったかというと、『マジック』と『テクニック』の文化交流ということで特別に出会うことが許された5人ずつ計10人が『アルル』の町「キセ」でお互いの技術を見せ合っていたとき、突然護衛の『マジック』全員が『テクニック』に襲い掛かったのだ。『リーヤー』に逃げ込んだ『テクニック』達は怖くて怖くて、『テクニック』の世界に逃げ込んでもしばらく走り続け、散り散りになり気が付いて集まってみると、4人だったそうだ。

護衛の『マジック』は、護衛の『テクニック』にも襲い掛かり、怪我をさせた。一人を除いて全員捕まえたが、一人を捕え損ねた。キセの町じゅうを探しても、キセから『リーヤー』までの辺りを探しても、見失った『テクニック』は見当たらなかった。


そこでこれもたまたま『リーヤー』で『テクニック』の世界を知ろうと、『アルル』を飛び出していた『マジック』のソムが、行方不明の『テクニック』と犯人であろう『マジック』を探すために、白羽の矢が立ったのであった。『アルル』では同じチームであった獣人であるデオンに『テクニック』を驚かせないために犬の姿になってもらい、臭いを頼りに探していた。『リーヤー』で黒焦げになった『テクニック』を見つけ落胆しながらも、臭いから『アルル』に戻っているらしい犯人を見つけるため、キセの町まできているのだ。

「デオン、あとどれくら─」

「しっ!」

ここからは小声である。

「ここを左に曲がったら、いる。」

「じゃあまず俺から行く。手こずってたら、不意打ちを食らわせてやってくれ。」

「わかった。」

ソムは頷くと、勢いよく走って左へ向かった。そこは路地裏から少し開けた場所だった。

「おい!」

「んあ?」

「お前が人殺しか?」

「は?いきなり人に何聞いているんだよ?『テクニック』がここにいるわけないだろ。」

「しらばっくれるな。」

ソムは咄嗟に木刀並みの太さの木の枝で相手の顔目がけて叩き付ける。相手は『バリア』を使って枝を受け止める。

『バリア』というのは、魔法で戦う者の基本中の基本であり、使った者を中心に球の上半分の形を基本としている。範囲や強度は使用者の能力で決まっており、大きくしたり小さくしたりもできる。バリアを狭くすることで強度をするなど、応用は様々である。

 相手はバリアで受け止めた枝を掴む。その手から火が出て、枝を燃やしにかかる。

「相性が悪かったな。お前もそんな手ェ抜いた戦い方しないでよ、魔法を使えよ。」

ソムは枝を勢いよく振り、相手の手から抜き取る。その枝を捨てると、今度は鉄の棒を腰から抜き出す。

 「なめたマネしやがって・・・」

相手は魔法を使う素振りさえ見せないソムに怒りを示す。

─お前には魔法を使うまでもない。

「ならいやでも使わせてやるよ!」

相手は右手をソムにかざし、火の玉を手から出す。

ソムは出される火の玉を体をひねらせるだけでかわす。

「もうやめだ。」

軽い調子でソルは言うと、相手の方へ歩き出す。

「く、来るなっ!」

相手は右手をソムに向けたまま、一歩一歩後ずさりを始める。しかしすぐに壁に背中がぶつかる。

「あーあー、そんなにビビっちゃってさぁ、だいじょう─」

直撃。火の玉がソムの右足に当たった。が、

「なにそれ?そんなんで人燃やせるの?」

「ち、ちがっ。もっとチャージしたら、倍の威力は出せるんだ!そしたら人一人くらいっ。現に一人やってるんだぞ!」

ソムが目の前に来る。相手の右腕を押さえ、腰から手錠を出し右手首にかける。左手で右手首を押さえていた左腕も前に引っ張り左手首にかける。

「はい自供成立。」

「はぁ!?」

相手は火の魔法が得意。そして弱い。『マジック』と『テクニック』の大事な場に弱い護衛などありえない。なのに『マジック』側の護衛は皆、銃を恐れたらしい。国が決めたちゃんとした護衛なら、『リーヤー』の銃ならバリアを張れば簡単にはじいてしまう。それは国が決めた護衛がキセに来なかった、少なくとも『マジック』『テクニック』の大事な友好の場にはいなかったことになる。そしてどうして国が決めた護衛と反『テクニック』の組織が入れ替わっているのか。それはそれで問題だろうが、それはともかくソルが枝を偽護衛のバリアに当てたとき、勢いよくはじかれるのではなく、逆にちょっとヒビが入った感触がしたのだ。木の枝でさらにちょっと手加減しただけであれ。それだけで相手の能力を見切ってしまったのだった。さらにデオンが言う臭いの件もあり、もはや確実だろう。一応木の枝と死んでしまった『テクニック』との魔法痕跡も調べたらより確実だろうが(デオンの鼻を頼りにすれば一発でわかる)。

事件は一件落着である。


「俺は奇襲用にしときやがって、あいつが弱いこと前からわかってただろ」

「念のためだって、油断は禁物だよ?それに誰がバックにいるかわからない。」

「お前そんなこと言って、油断どころか完全に舐めきってたじゃねえかよ!魔法も使えないで。」

「・・・え、ばれてる?」

「バレバレ、まず敵に対しての対応としてお前そんなに大きな態度とらないだろ。『テクニック』の世界で何があったかいろいろ考えちまったじゃねえかよ。というかあっちでは『テクニック』になりきってたの?魔法一切使わなかったのか?」

「いやー、それが魔法が使えないんだよね・・・」

「・・・は?」

「いやだからあっちでは魔法が使えなくて、こっちに戻って最初の仕事に使おうと思って、魔法発動しなくてやばいやばいってなったから、こうするしかなかったんだよ・・・」

「それじゃあ『マジック』と『テクニック』が争わない理由って・・・。」

「お互いが不利な条件に置かれるからなんだ・・・。」

評価・感想お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ