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乱入者

 チーム「カラフル」は来たところの向こう側の湖の岸でピランを狩ることになった。

50kmもある水の上をグリフォンに乗り、移動する。途中、ピランが飛びかかってきて、慌ててグリフォンが高度を上げて事なきを得たが、それだけでもピランの獰猛さが伝わってくる。

「俺とライエン、エーヴァ、アスマスの4人体制でピランを狩る。デオンは爪だけだと、体にかぶりつかれるかもしれない。今回は休みだ。もしものときに待機しておいてくれ。コリンも俺たちが危険になったら、防御を頼む。」

グリフォンの上でソムが作戦を伝える。

5人5様の返事が返ってくる。

「あれ?」

岸辺が見えたとき、アスマスは間の抜けた声を出す。

「どうした?」

ソムが声をかける。

「いや・・・、ライエンさん。ユス湖に川なんてありましたっけ?」

グリフォンの上から、ユス湖の北側の方へ川らしき直線の水路が見える。

「ユス湖に川なんてないぞ。」

ライエンが答える。

ソムたちが岸辺に着いてグリフォンから降りる。皆で湖と水路の境目を見る。

水路の幅は20mだ。直線にきれいに同じ幅のまま北の方へ繋がっている。

「湖から水が流すために掘ったんでしょうか?でも、何のために・・・?」

コリンが不思議そうに水路を見つめる。

ソムが水路のそばを歩いていく。すると、ピランがソムに向かって飛びかかってきた。

「えっ!?」

ピランはもう少しでソムのところに届こうかというところで、矢に刺さり、矢の進行方向に飛びながら、地面に落ちる。矢はピランを貫通しており、ピランが跳ねて水路に戻ろうとするが、上手く水路の方へ跳ねられずじたばたしている。そのうちピランの動きが鈍くなっていき、そして動かなくなった。

「アスマスありがとう。」

ホッと胸をなでおろし、ソムは言う。

「いえ、水路にもピランがいるとしたら、ピランはこの水路を渡ってユス湖まで来たってことでしょうか?」

「どうしてそんなことを・・・?」

エーヴァにも見当がつかないようだ。

「それにここ道だったはずだぞ。水路作る意味あるか?邪魔なだけだと思うが。」

ライエンが眉を寄せて考えるが、何も思いつかない。

「あっ!」

アスマスはなにかひらめいたように声を出す。

みんながアスマスの方を見る。

「ユス湖の近くってほど近くじゃありませんが、ピランが棲息している川があります!」

「その川までどれくらいの距離だ?」

ソムが尋ねる。

「10kmですかね。」

「遠いな。目的がピランをユス湖に放つこととは考えられないし・・・、他に何か理由があるのか?」

ここで考えていても埒が明かない。

「とりあえず行ってみよう。アスマス、俺と一緒に来てくれ。他の4人は、予定通りピランを狩っていてくれ。」

「大丈夫ですか?デンゼルさんに伝えた方が良いのでは?」

コリンが尋ねる。

「変な水路があるからといって、デンゼルさんが何かできるか?『おかしいね、それで?』とはなりたくないだろ。ピラン狩りが終わったら話せばいいんじゃないか?ちょっと確認してくる。何もなかったら、すぐに戻ってくる。」

「ちょっと待ちな。」

エーヴァがソムを呼び止める。

「なんだよ。」

「この水路がピランが棲息している川に繋がっているとしてだよ。私たちはその川からやってくるピランを永遠に狩り続けなければならないのかい?」

「・・・。」

うっかりしていた。気になることはすぐにでも確認したいタチなのが仇になった。興味ないことはとことん避けるのだが。

「コリン、お前の魔法でこの水路をせき止めることが出来るか?」

「え、あ、はい。出来ます。」

「じゃあ、コリンはそれを頼む。ライエンとエーヴァはコリンが水路をせき止めている間にできるだけ湖のピランを狩るんだ。匂いを出す魔器具は使わない方が良いかもしれない。近くに寄るだけでも、飛びかかってくるからな。そいつらを倒すんだ。」

「ああ」

「あいよ」

「デオン、お前はデンゼルさんに水路のことを伝えて、こっちに連れていくんだ。」

「わかった。」

「俺とアスマスは先に水路をたどってみる。いいな?」

「はい。」

アスマスは返事をする。


ソムとアスマスはグリフォンに乗って、水路をたどっていった。デオンもグリフォンに乗り、湖中央に向かって飛んでいった。

コリンは茶色で横2本縦2本を空中に書く。すると水路の幅に合った、厚さ10cmの銀色の壁が出現する。

「準備できました。」

「よし、俺たちも始めるか。」

ライエンが湖の岸に近づく。待ってたかのようにピランが一匹飛びかかってくる。

エーヴァは白で横2本縦4本を空中に書く。すると、エーヴァの頭の上と地面に半径5mのマジックサークルが出現する。その円をすぐにピランの方へ移動させ、ライエンに飛びかかってきたピランに上から光線を浴びせる。ピランは飛びかかった勢いのまま地面にぶつかったが、跳ねることはせず、動かなかった。

ビーム・シャワー。マジックサークルの範囲の中だったら、上から光線を落とすことが出来る。エーヴァの十八番だ。ピラン程度なら一撃でやっつけられる。光線を細くすることで、威力を大きくすることもできるが、今回はその必要はないようだった。

最初は、一気に3匹程度襲い掛かり、エーヴァがまず襲い掛かってきたピランを攻撃、撃ち漏らしたピランをライエンが剣で切るという役割分担して、ピランを効率よく倒していたが、そのうちピランがあまり飛びかからなくなってきた。

「この魔器具使うか?」

ライエンがエーヴァに尋ねる。

「そうだねぇ。あのSランクに襲い掛かってきた勢いで来られると、ちょっと厄介だね。それは使わず、場所を移すだけにした方が良いんじゃないかい?」

「無理することはないからな。」

ライエンは了承した。ユス湖に最初にきたときのデンゼルに向かって次々と襲い掛かってくるところを思い出した。エーヴァは意外と冷静なのだ。


ソムとアスマスはグリフォンに乗って、水路をたどっていた。水路は相変わらず直線だった。

「ここか。」

水路と川の合流地点が見えた。

「はい、あれがバイズ川です。」

バイズ川。幅50kmの大きな川はロンドの森から下っていき、しばらく北へ下っていった後、東に曲がり流れていく。アスマスが言う通りピランが大量にいるため、大きな船でないと渡れない。さらに頑丈であっても、ピランが船にかじりついてくるためすぐボロボロになり、割に合わないらしい。時間はかかるがユス湖を渡り、徒歩で歩いていった方が総合的にみて得策なのだ。

「・・・何もないな。」

「そうですね。」

グリフォンから降り、水路と川の合流地点の近くに行くが何もない。水面をみようと近づいたら、ピランが飛びかかってきたが、剣で撃退する。

「収穫なしか、無駄足だったな。」

「でもピランがユス湖で見つかった理由はわかりましたね。」

─と、二人がグリフォンに乗っかろうとしたとき、

ドバッッッッシャーーーーーン!!!

「───」

バッと後ろを振り返る。そこには、川の水面から頭と体で高さ20mほどありそうな、巨大な蛇が出てくる。頭はドラゴンのそれにえらがついたものといってもいいだろうか。

グリフォンたちが驚き、乗っかろうとしていたソムとアスマスを振り払い、逃げてしまった。

─ここままではまずい。

「走るぞ!」

ソムは叫ぶ。アスマスはうなずき、ソムと一緒に水路に沿って走る。

しかし、モンスターの光線がソムたちの目の前を通る。ソムたちは止まるしかない。砂埃が舞って辺りが何も見えない。ソムは黄色の線で横3本縦1本を書く。剣に電気を帯びさせ、川に刺す勢いで刃をつける。川に電流が流れ、ところどころでスパークを起こす。

「こっちだ!」

その光を見逃さずに、アスマスの手を引っ張り、川に沿って砂埃の中を走る。

砂埃から抜けてしばらく走り続ける。あの砂埃のおかげで目くらましになったはずだ。ソムは後ろを振り返る。

目の前は、水色の光。

ソムはとっさの判断でバリアを張り、防御する。

数秒間、光線が出し続けられ、バリアの張り続けるしかない。

モンスターは光線を撃つのをやめると、次に1秒口から魔力を溜め、また光線を発射する。

ソムはまたバリアを張ったが、今度はバリアに当たった瞬間、バリアと光線の接触部分が水となり、穴が開いた。

とっさに左に避け、攻撃を免れる。

「バリア貫通とか聞いてないぞ!」

「そのはずです!あれは『ブルーランド』です!」

「『ブルーランド!?』なんだそりゃ!?」

「水路が出来ていたのも納得です。あれは大地を水に変える魔法攻撃を使うんです!」

「なんだそりゃ!?」

「とにかくデンゼルさんと合流しないと、非常に危険だということです!」

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