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第四章第四話

長居スタジアムを埋め尽くす超満員のサポーター。勝ち点4を積み上げ、グループステージ突破に王手をかけた日本代表は、初の大舞台でのグループ首位通過をかけ、北アフリカの雄・チュニジア代表との第3戦に臨んでいた。


フランス人監督は、ここまでの激闘による疲労と、直後に控える死闘必至の決勝トーナメントを見据え、スタメンの大幅なターンオーバーを決行。


前線を力強く牽引してきた日本の絶対的エース・響木蒼生と、最前線で肉弾戦を挑み続けるフィジカルコンタクトの強いFWの二人は、この運命の一戦で「最後までベンチ温存」という指揮官の冷徹な戦略的決断のもと、牙を研ぎ澄ませながらピッチを見つめることとなった。


中盤には天才プレーヤーや天才レフティーが先発に名を連ね、フレッシュな顔ぶれで挑む日本。


背水の陣で挑んでくるチュニジアは、序盤から激しいプレッシングと激しい肉弾戦で日本に襲いかかる。新構成の日本は要所でフレッシュな選手たちが技術と運動量で対抗するものの、相手の死物狂いの堅守を前に決定打を欠き、重苦しい空気のまま前半を折り返した。


響木の澄んだ瞳に揺らぎはなかった。


迎えた後半3分、破調が訪れる。


中盤の底でボールを持った天才プレーヤーが、相手のプレスを優雅にいなすと、前線へ雨を切り裂く極上のアーリークロスを供給。


エリア内へ飛び込んだ先発の快速FWが相手CBと激しく競り合い、こぼれた球に反応した黄金世代の大型ボランチが豪快にネットへ叩き込む!


『1 - 0』!


歓喜に沸く長居スタジアム。ベンチを飛び出した響木も、笑顔で仲間たちの先制ゴールを称える。


焦るチュニジアはさらに前傾姿勢を強めて反撃に出てくるが、ターンオーバーで入った日本のフレッシュな守備陣、そして対人守備の強いボランチを中心とした強固なブロックが落ち着いてこれを跳ね返し続ける。


そして後半14分、決定的な追加点が生まれる。


右サイドを突破した天才プレーヤーからの絶妙なクロスに対し、中央へ飛び込んだ絶対的エースが打点の高いヘディングシュートを叩き込む!


『2 - 0』!


スタジアムは狂乱の渦と化し、勝利を確信したフランス人監督は残留していたカードを使い切るが、響木と相方のFWは温存されたまま、静かに戦況を見届けた。


『ピーーーッ! ピーーーッ! ピーーーッ!』


長居の空に響き渡るタイムアップの長笛!


「試合終了!! 日本代表、チュニジアを2-0で退け、2勝1分けの勝ち点7!! グループHを無敗の『首位通過』で悲願の決勝トーナメント進出決定―――ッ!!」


主力を温存しながらもチーム一丸となって掴み取った見事な完封勝利。


絶対的エース・響木蒼生は体力を完璧に温存し、万全のコンディションで未知なる領域――ワールドカップ決勝トーナメントという最高の舞台へ解き放たれようとしていた。



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