↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
56/105

第三章第二十二話

シーズンオフ。地中海の風が心地よく吹き抜けるバルセロナの港町。


2年間にわたる前代未聞の「エル・ブランコとブラウグラナによる交互所属契約」が、ついに満了を迎えていた。


1年目、サンティアゴ・ベルナベウで白い巨人のマスターたちとともに掴み取った栄光と、名将から授かった“BOX THE POACHER”の異名。

2年目、カンプ・ノウで重圧と批判を跳ね返し、オランダラインやカンテラの魂とともに刻んだ勝利の記憶。


宿敵同士の両クラブに1年ずつ所属し、その双方でリーグ制覇とピチーチを達成するという、フットボール史上に永遠に残り続けるであろう前人未到の足跡。


空港のゲート前には、ブラウグラナの仲間たちが集まっていた。


「本当に行ってしまうんだな、ヒビキ。君という最高の『相棒』とプレイできた2年目は、僕のキャリアでも最高の時間だったよ」


大型オランダ人FWが寂しげに笑い、固い握手を交わす。両ウイングのふたりも「どこへ行ってもお前のゴールを待ってるぞ」と背中を叩き、若き闘将CBは「次会う時は、容赦なく足を削りに行くからな」と不敵に笑った。


「ああ。みんなと戦えて良かった。ありがとう」


搭乗口へ向かう響木は、ふと足を止め、胸の奥で静かに静寂のペナルティエリアを思い描いた。


エル・ブランコの気高き白、ブラウグラナの高貴な青と臙脂。

二つの偉大なクラブで研ぎ澄まされた冷酷な爪と牙は、すでに次なる戦場を見据えている。


スペインでの刺激的な2年間を経て、ストライカーとしての完成を見た響木蒼生。

その冷徹な眼光の先には、欧州フットボール界を揺るがす新たな挑戦の舞台が広がっていた――。


(スペイン編・完)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。