↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
42/105

第三章第八話

マドリードのまばゆい太陽が照りつけるエル・ブランコのトレーニングセンター。


「白い巨人」のピッチに足を踏み入れた響木蒼生を出迎えたのは、世界のフットボール界を牽引する超一流のマスターたちだった。


「ようこそ、マドリードへ。君の噂はイングランドで嫌というほど聞いているよ」


そう言って爽やかな笑みを浮かべて握手を求めてきたのは、クラブの象徴であり至高のエース。

その横には、世界最高額で移籍してきた異次元の技術を持つ右サイドの悪魔や、丸太のような太ももから規格外の爆風シュートを放つ左サイドの悪魔が立ち並ぶ。


さらに、圧倒的な存在感でディフェンスラインに君臨する闘将が鋭い眼光を向け、中盤の底では広大なエリアを完璧に回収する黒いエンジンが静かに佇んでいた。


「フン……前代未聞の移籍で来た東洋人か。実力を見せてもらおうじゃないか」


闘将の低い声がピッチに響く。

初日のミニゲーム。超一流のスターたちが放つプレッシャーの中、響木は静かに呼吸を整えた。


黒いエンジンが中盤でボールを奪い取るや否や、右サイドの悪魔が美しいフェイントで相手を抜き去り、中央へピンポイントのクロスを配球する。

相手CBが弾き返そうとしたその一瞬の死角――響木は影のように滑り込み、左サイドの悪魔すら目を見張る鋭いダイレクトボレーをゴールネットへ突き刺した。


静寂ののち、至高のエースがニヤリと笑う。

「……なるほど。噂通りの冷酷な『捕食者』だ」


一瞬で巨人のマスターたちの信頼を勝ち取った響木は、そのまま開幕戦のピッチへと向かった。


サンティアゴ・ベルナベウ。8万人を超える超満員のサポーターが詰めかけたラ・リーガ開幕戦。


白いユニフォーム(エル・ブランコ)に身を包んだ背番号9・響木蒼生がピッチに姿を現すと、ベルナベウ全体が大歓声と割れんばかりの拍手で揺れた。


対戦相手は、激しいフィジカルコンタクトと組織守備を武器とするラ・リーガの強豪。


試合開始のホイッスル。

巨人のフットボールは異次元だった。

中盤の黒いエンジンが相手の攻撃をことごとく芽を摘むと、至高のエースと右サイドの悪魔が華麗なパスワークで相手陣内を切り裂いていく。


そして前半21分、ベルナベウを揺らす至高の瞬間が訪れる。


左サイド深く攻め込んだ左サイドの悪魔が、代名詞である地を這うような弾丸グラウンダークロスをペナルティエリア内へ配球。


相手CB陣がボールの勢いに圧倒され、一瞬後手になったその隙。

相手の「死角」から突如として姿を現したのは、響木だった。


「……捕まえた」


響木は滑り込むように右足を合わせ、ワンタッチで流し込む。


ドスッ――!


ボールは鋭くゴール右隅へと吸い込まれた。


『1 - 0』!


「ゴーッッール!! 響木蒼生!! ラ・リーガデビュー戦で早くも先制ゴール!! 左サイドの悪魔からの超高速クロスを、冷酷なワンタッチで仕留めました!!」


ベルナベウが狂喜乱舞する。左サイドの悪魔が響木を豪快に抱き上げ、至高のエースや右サイドの悪魔が弾けるような笑顔で駆け寄ってくる。


さらに後半15分。

至高のエースとの細かなワンツーからペナルティエリア手前に侵入した響木は、相手GKの逆をつく冷酷なワンタッチシュートで2点目を奪取。


デビュー戦での圧巻の2ゴール。

『3 - 0』の快勝を収め、試合終了の笛が鳴り響くと、ベルナベウの観客席からは一斉に白いハンカチが振られる最高級の賛辞(トレロ)が送られた。


「素晴らしいデビューだったな、ヒビキ。今シーズン、俺たちで全てのタイトルを総なめにしよう」


至高のエースから肩を抱かれ、響木は爽やかな笑みを浮かべながら深く頷いた。


「白い巨人」の新たな主役として、響木蒼生のスペインでの伝説が鮮烈に幕を開けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。