7. 抜け駆け
日曜日。
朝の訪れを感じさせるようにスズメが鳴いている。スズメは何故鳴いているのだろうか?エサの場所を知らすためか、求愛か。
ここにも似たようなものがいた。
心躍る二人と、緊張しすぎてがちがちの一人、そしていつも通りの2人がいた。
「うぅ、4階、以上の、建物...怖い。崩れないよね。」
「お前相当な田舎者だな。」
聞いたことのない不安を抱えているクトルにパンジーがつっこんだ。
その直後、奥から女性陣が歩いてくるのが見えた。
「うぉぉぉぉ!!!私服だぁ~!!」
いつも着ている軍服とは打って変わり、より一層魅力が増して見える。
カージナルの興奮は最高潮だ。
それを聞いて女性陣も少しいい気になっ
「それで、今日は何するの?」
周辺で最も大きなショッピングモールに着いた。
ここには様々商品、娯楽がある。
しかしカージナル、パンジーは退屈そうにしていた。何故ならここで何をするか考えていなかったのである。
結果、数多の魅力に目移りする女性陣の金魚のフンになっていた。
「これが、休日の父の気持ち...。」
パンジーは近くのベンチに座り、半ば会話を諦めていた。
一方カージナルは、女性陣に交じってコミュニケーションを頑張ろうとまだ奮闘している。人当たりの良いアイビーは会話に協力しているが、他三人は既にその周辺からは消えていた。
ちなみに他三人の男どもはそれぞれがマイペースなため、独立して動いている。
なんともまとまりのない9人チームであった。将来が不安である。
そんな中、大きな動きがあった。
流石にほぼ全員がバラバラでは全員で一緒に来た意味がないと感じたパンジーが全員を誘ってフードコートでお昼を食べることを提案した。
それだけでは腹が満たないコーンスープを食べているメイズにムロンが近づいた。
「ちょっといいか?」
二人はどこかに消えていった。
(まさか!?ムロンはメイズ目当て!どこに惹かれたんだよ!)
パンジーは気になった。気になりすぎて目の前にある料理を爆速でほおばって2人を尾行した。
その様子を見たカージナルも後に続いた。
二人は離れた椅子に座り、ムロンがメイズに話しかけているところだった。
メイズはコーンスープをすすりながら話を聞いているようだった。
カージナルはパンジーに追いついた。二人で仲良く柱の陰に隠れ、二人の様子を注意深く眺めていた。
カージナルがひそひそ声で話しかけた。
「おい!今どんな感じだ。」
「わかんねぇ、声はさすがに聞こえないから様子から予測するしかねぇ。」
ガタッ!!
そんなことを話していると、メイズが勢いよく立ち上がりその場から離れようとした。
「お!!ムロン、告白失敗したか!?」
ムロンは透かさずメイズの手首をつかみ引き留めた。
「マジかよ!ムロン!!!展開熱すぎ!!」
メイズは先ほどとは打って変わって席についてムロンの話を聞き続けた。
一体何が起こっているのか。告白性能なのか。それとも失敗なのか。
確信が持てないままメイズとムロンは席を立ち、それぞれがそれぞれの場所に戻った。
お昼休憩が終わり、カージナルはムロンに先ほどの密談の内容を聞きに行った。
「おい!告白成功したのかよ!?」
ムロンは呆れた顔をしていた。
「はぁ?告白だって?いつ俺がそんなことした。」
ははーん。コイツ恥ずかしくて隠してるんだな。差し詰め失敗したってところか。
カージナルはそう考えていた。ただ一方でこんなしょうもない嘘をムロンが付くはずがないとも薄々感じていた。
お昼休憩後もみんなで楽しく時間を過ごした。
こんな感じで楽しいショッピングは幕を閉じようとしていた。
ショッピングモールから離れ、帰路の途中にある下着屋で全員の足が止まっていた。
女子たちが夏に向けての水着を選定している最中、男子たちはまたもや暇していた。
「なぁ、帰んねぇか?」
シアンは非常識な提案をしていた。
「だめに決まってんだろ。足並み揃えろよ、馬鹿。お前モテねぇぞ。」
一方、パンジーは常識人寄りであった。
「...モテる必要ねぇし。」
バンバン!!
突如銃声と思われる音が響いた。
下着屋の隣は宝石店であり、その店が強盗に襲われたようだ。シアン達は中を覗くわけにはいかないため少し離れた場所で待機していたため巻き込まれずに済んだ。
が、
「やべぇ、女子が外に出られてねぇぞ。」
一部試着していたメンバーがいたため、迅速な対応を取ることができていなかった。
「ど、どどど、どうしよう...」
クトルは分かりやすく動揺していたが、シアンが宥めた。
「シッ!静かにしろ。」
シアンが立ち上がり宝石店の方に向かった。
「シアン君!何をするつもりなの!?」
「決まってんだろ。俺たちは何になるつもりだ?」




