30 復習と唐突
おさらい。修羅場だった。
週末に入った。この一週間、ものすごく時間が長かった気がする。そして、天井を意味なく見上げることを止め、ベッドから立ち上がる。
金曜日は休んだ(サボってしまった)為、その分の勉強をしないといけない。俺は椅子に座り、デスクライトの電源を入れて、おそらく昨日の授業したであろう教科書のページを開き、筆箱からシャーペンと消しゴムを取り出した。
「違う...ここがマイナスじゃなくてプラス...あれ...」
教科書を見てもいまいちピンと来ない。
ペンを握る手に無意識に力が入り、シャー芯が折れては、出す。そして、逆の手で頭を掻く。これを繰り返していた。
「はぁ...」
込み上げてくるものを必死に抑え込み、ため息をつく。分からない。自業自得ではあるし、ここで感情を出すのはおかしいと自分でも思っている。
「飲み物取りいこう...」
気分転換をさせようと、俺はデスクライトの電源を消しながら立ち上がり、キッチンに向かった。
ピンポーン
「...ん?」
唐突にチャイムが鳴り、動きを止めた。インターホンに目をやり、近づく。そして、目を見開いた。
「...詩織?」
桃色の髪色の人物がモニターに映し出され、唖然と口を開く。
普段のような制服姿ではなく、普段着?なのかどうかは分からないが、よく着こなしている。そして、化粧をしているような...気がする。
「ええ...?」
困惑しながらもとりあえず、玄関に向かい、ドアを開けた。
「...はい」
俺は詩織の顔をチラッと見た後、視線を逸らした。そして、その詩織はボソッと一言。
「...行くよ」
「...え?何?」
聞こえなかったのでもう一度耳を澄ませる。
「デート!!行くよ!!」
「うっ...!?」
詩織から発された大音量に耳鳴りが起こり、顔をしかめた。当の本人は頬を赤らめていたが、何をやってしまったのかを遅れて知り...
「あ、ごめん」
反省していた。
「いや...はい...準備するので待ってください...」
額に手を当てながらも部屋に戻り、急いで着替えや歯磨きを済ませた。
主な登場人物
住田竜司:主人公。紫陽花高校1年1組。
福留結希:紫陽花高校1年2組。
水月心寧:紫陽花高校1年2組。
一ノ瀬綾香:紫陽花高校1年2組。
桃瀬詩織:紫陽花高校1年2組。




