28 金曜日と帰宅者
おさらい。誰かが帰ってきた。
「ただいまー」
玄関の音で、帰ってきた事が分かった。声はドアなどでこもり、誰なのかは分からなかったが、学校をサボっている事実は変わらないので、怒られる事は確定している。
「や、やばい...帰ってきちゃった...!」
「ど、どうするんだよこれ...」
「とりあえず隠れて!」
「隠れるって...どこに...!?」
密会をするように小声で話し合う。この状況がバレたら何か言われるかもしれない。俺は冷や汗を搔きながら、頭を捻った。
「クローゼットで良いから...!早く!」
「え、え、え...待ってまっ...!?」
綾香は服が何着も掛かっているクローゼットに、なりふり構わず俺を押し始めた。服を犠牲にする程、焦っていたのかは定かではないが、抵抗する間もなくドアは閉まった。
「とりあえずそこで...!」
「おいっ...!!」
「静かにしといてっ...!」
綾香の指示は、ドアでこもりながらも聞こえた。俺は仕方なく、そこで黙り込むしかなかった。
「...暑い」
狭い密室に大量の服が沢山あり、とても蒸し暑い。そのせいか、額から汗が溢れ出していた。
そして、ドアを小さくノックするような音が聞こえ、それに続いてドアが開く音も聞こえた。
「綾香、あれ誰の靴?」
声からして、詩織...だろう。足音は一つしかないし、詩織だけだと思う。クローゼットからは状況が見れないのが辛い。
「あれは私のだ...よ?」
「...そう。てか、今日サボってなかった?」
「ちょっとお腹痛くて...」
「そ...気をつけなさいよー」
「...うん」
ドアが閉じる音が聞こえ、静寂に包まれた。ようやく出れるだろうと、俺は安堵のため息をついた。
「はぁ...やっと出れるのか?」
しばらくしてからクローゼットが開き、汗まみれの状態でそこから出た。涼しい風が押し寄せ、蒸し暑い空間から出てきた俺を迎えた。
「...ごめん」
「いや、うん...汗かいたから、帰るわ...」
「まだ詩織ちゃんいるかもしれないよ...?」
「...頑張ってみる」
そっとドアを開けて、外の様子を伺う。そして部屋から出て、玄関に向かった。
「え」
突然、左肩が重く感じた。
「やっぱり居たね?」
息を呑んで振り返ると、満面の笑みで俺を見つめていた詩織が居た。
主な登場人物
住田竜司:主人公。紫陽花高校1年1組。
福留結希:紫陽花高校1年2組。
水月心寧:紫陽花高校1年2組。
一ノ瀬綾香:紫陽花高校1年2組。
桃瀬詩織:紫陽花高校1年2組。
Ry77「すいません上手く書けませんでした」




