表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨降る心の滞り  作者: Ry77


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/28

27 金曜日とほっぺにキス

おさらい。ほっぺにキスされた。

「あ、綾香...?」


『あやか』と書かれたドアの前に立ち、声を掛けた。気まずいが、あの意図を知りたかったし、綾香本人からそれを――


「...なに」

「え」


ドアが開き、反射的に一歩後ずさった。綾香が出てきた。が、目を合わせようとしない。そして、うっすら頬が赤い気がする。


「...入ってきて」

「う...うん...」


綾香の許可に俺は息を呑んで、小声で『お邪魔します』と言いながら、部屋に入った。綾香と同じく、目を合わせずに。


「「...」」


気まずい空気が流れた。お互いに視線をどこかに向け、ひたすらに無言。そして、限界を迎えたのか綾香が口を開いた。


「...何する?」


気まずさに、キョロキョロと辺りを見渡す。本棚、勉強机などが目に入った。本棚には、この前の『ハーレム主人公は辛すぎる!!!』や、いろんな作品の漫画が並んでいる。


「たっつ...?」

「あ、わ...悪い...」


視線を感じるが、合わせられない。でも、目を合わせず話そうとするのもアレなので、片手を前に突き出し、盾のようにして横から覗き込んでみる。


「何やってんの...」


まだ顔全体は見れてないが、綾香の顔が赤い気がする。


「あ、いや...」

「さっきはごめん」


突然の謝罪に、少し動揺してしまった。言葉が詰まる。さっき謝られたはずなのに。


「謝ってただろ」

「でも、もう一度謝りたかったし...」


不意に、綾香が俺の服を引っ張った。軽いような強いような曖昧な力で。そして、次は強く引っ張られ、盾にしていた手が退かされた。


「嫌、だった?」

「...え?」


綾香と向かい合う形になった。綾香の頬が赤く帯びている。後ずさろうとするにも、体が言う事を聞かず固まってしまう。


「だから、嫌だったの?」

「あー...それは、その、あの...」


自分からしたら難しい質問に、また言葉が詰まった。答え方が分からない。否定をすれば、綾香が悲しむ。肯定すれば、またやりかねない気がする。俺は額を掻きながら、最善な答えを出そうと頭の回転を速めた。


「びっくりは、したかな...」

「じゃあ、嫌じゃなかったってこと?」


もうダメだこれ。RPGゲームのはいを押さない限り、進まない選択肢のやつだ。あと、さっきのは答えになってない気がした。


「...嫌じゃなかったよ」


諦めたようにそう言った。


「よ、良かった...」


綾香はホッと息をつき、肩を降ろした。すると、綾香はニヤッと笑みを浮かべて俺の顔を覗き込み、一言放った。


「またするね?」

「...」


何も言えず、数回瞬きをした。


「今からでも――」


綾香が言いかけた瞬間に、玄関から音がした。


「えっ?」


綾香の笑みが崩れた。


「ただいまー」

主な登場人物

住田竜司(すみだたつじ):主人公。紫陽花高校1年1組。

福留結希(ふくどめゆき):紫陽花高校1年2組。

水月心寧(みずきここね):紫陽花高校1年2組。

一ノ瀬綾香(いちのせあやか):紫陽花高校1年2組。

桃瀬詩織(ももせしおり):紫陽花高校1年2組。


Ry77「高校大変助けて」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ