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片目をなくした夜
ひとりきりの女の子
ある晩、トゲトゲお化けはひとりで星空をにらみつけながらつぶやきました。
「神さまなんて、ほんとはいないんでしょ。こんなにがんばって、ひとりで立ってるのに、だれもわかってくれない」
すると、空のどこかから、静かな声が聞こえました。
「おまえの本当の気持ちを、ひとつだけ、わたしに見せてごらん」
トゲトゲお化けは、はじめて本当の心をこぼしました。
「こわいの。きらわれるのが、すごくこわいの。本当はひとりになるのはさびしい…。だけどこわいから、トゲトゲで自分を守ってるの」
神さまは少しだけ悲しそうに言いました。
「では、おまえの世界を半分だけわたしがもらおう。のこり半分を、よぉく見ておいで」
その言葉とともに、トゲトゲお化けの左目は、すうっと見えなくなってしまいました。世界は右側だけが見える、ゆがんだ半分の世界になりました。
トゲトゲお化けはこわくて、悔しくて、泣くことしかできませんでした。涙は、頬を何度も何度も伝ってこぼれおちました。けれど泣いても泣いても、なくした片目は戻ってきませんでした。




