1/7
よわい自分を守るため「トゲトゲお化け」になった女の子
半分の世界とトゲトゲお化け
ある街に、ひとりの女の子がいました。女の子は本当はとても泣き虫で、臆病で、弱虫でした。
ちょっとぶつかられただけで、びくっとしてしまう。
少しきついことを言われただけで帰り道にひとりで泣いてしまう。
でも、そんな自分を知られるのが、なによりもこわかったのです。
だから女の子は、心のまわりにトゲトゲのかべを作りました。だれかに話しかけられると、とっさにきつい言葉で追い払いました。
「べつに、ひとりでいいし」
「わたしのことなんて、ほっといてよ」
本当は「いっしょにいて」と言いたいのに「こないでよ」としか言えません。
やがて女の子のまわりからは、少しずつ人がいなくなっていきました。
「こわい子」
「いじわるな子」
「トゲトゲお化けだ!」
とささやかれ、気がつけば女の子はひとりぼっちになっていました。
それでも女の子は泣きそうな顔をぐっとこらえて、胸をはるように言いました。
「ひとりなんて、べつに全然平気だもん。わたしはトゲトゲお化けなんだから!」




