検察審査会の人々おまけ 小林さんと平野さんの活動
小林さんと平野さんの趣味がこうなりました。
BL・腐女子が苦手な方はスルーしてください。念のため。
「小林さ~ん!」
裁判所の敷地を出て梅田に向かって歩いていると呼び止められた。
「? 平野さん? どうしたん?」
ついさっきまで同じ会議室にいた平野さんが少し興奮した顔で追いかけてきた。
小林さんは立ち止まって平野さんを待ち、二人で並んで歩きだす。
「今日の審査会。気になりません?」
何を言いたいのか、すぐに分かってしまうのは共通の趣味を抱くものだから、だろう。
「平野さん、もしかして?」
「はい! 実は」
「そうか~」
「「同士!」」
二人は立ち止まり、同時に叫んで熱烈なハグをした。
暫くの間ではあったが二人の抱擁はがっしりと力が入っていて、通行人は少なかったので狭い歩道での迷惑がかかるようなことはない。
「もう、まさか審査会で新しいお仲間と出会えるとは思いませんでした!」
「そうですよね!」
平野さんの台詞に小林さんも同意する。
「あ、高山君の写真撮ってたけど、それどうするん?」
「どうする? そりゃあもう、活動のモデルになってもらうに決まってるやないですか!」
「ほぅ?」
「鑑賞してインスピレーションを得て、活動に役立てたいです!」
「活動」
「ハイ、作品に昇華させてもらいますよ~」
ニコニコ顔の平野さんの様子に小林さんは困惑した。
「あー、作品か。創作できるんや。すごい」
「同人活動なんですけどね。フフフ~。こんなところにええネタが転がってるとは思わんかったわ~。これはホンマに奇跡的な巡りあわせやと思う!」
平野さんが往来で熱く萌えていた。
二人でまた歩き始める。
「平野さんの活動に興味あるわ。私は作品を読み漁るだけで満足してたから、創作活動してる人が羨ましい。こんな話が読んでみたいなぁと思ってても私には作り手側の才能なかったし」
「小林さんは読専ですか。因みに何を?」
「私は小説が好きかな……。あ、マンガも好きやで? 好きやけど、だいたい小説の方を買って読んでる」
「どんなジャンル?」
「何でも。現実世界でもファンタジーでも鬼畜系も筋肉系もアニキもスパダリも何でもあり。あの世界はホンマに面白いわ」
「私は読むだけは物足りんくなって、実際に書いてみたくなったんですよ。難しいけど自分の趣味にどっぷり浸って自分の思うとおりに物事が進んで。今ではお仲間と一緒に創作してイベントに参加してるときが、なんか学生の部活みたいで燃えるんですよ!」
平野さんは楽しそうに詳しい活動内容を説明してくれる。
「で、小林さんは高山君をモデルにしたらどんなふうになってくれたら面白いと思います?」
「え? 高山君? ……そうやなぁ。……高山君がもしカップリングするとしたら~……有馬さん?」
今日の会議室にいた男性メンバーの中で妄想してみたのだが、旅行好きだし、有馬さんの務める旅行会社に就職すると宣言していたのを思い出すと、これから上司と部下の関係になって親密なシーンが出来上がるんじゃないかと、想像できる。
平野さんにそう答えてみた。
「向井さんではない?」
「ん。向井さんは望月さんがいるから想像しにくいわ……」
「そうやなぁ」
「高山君て完全にノンケさんやから。狙われるとしたら年の離れたおじさんがじっくりじわじわと余裕かまして外堀を埋める戦略で、完全に逃げられんように捕まえてから頂きます……。な、ストーリーになったらええなぁ」
「高山君、甘やかされてとろとろに溶かされてしまうん?」
「ってなったら面白いなぁ」
「そのアイデア、貰っても!?」
平野さんが鼻息荒く小林さんに迫る。
「もちろんええよぉ。私は書かれへんし」
「ありがとうございます! 美味しくお料理して、出来上がったら献上します!」
「読ませてもらえるん?」
「当たり前やないですか! しっかり作品にしてしまいましょう! 冒頭はやっぱり審査会の出会いからですよね!?」
「それはお任せで。平野さんの好きなようにしてな」
「今度のイベントに間に合うようにせな! 今日から徹夜でやらな! 小林さん! 私これから全力で執筆しますのでこれで失礼します! 早く帰ってどんどん書かなきゃ~!」
そう言って平野さんは全速力で走っていってしまった……。
「頑張って~……」
そうして二人の腐女子活動が始まったりする。
らしい。
腐女子の妄想のさわり程度なのですが、きっとこんな始まり方の交友関係があるのではないでしょうか?
BL注意、とは書いてますが、濃いないようは書けません。
寸止めにもなってないまだまだ可愛らしいもんだと思っていますが、読者様はどのように感じているのでしょうね。
いつも誤字報告をしてくださってありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いします。




