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【完結】検察審査会の人々  作者: 鈴音あき


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検察審査会の人々18

短いです。

すみません~。


「高山君はお昼はどこで食べてるん?」


一時前に会議室に戻ってくると平野さんから声をかけられた。


「え、どこって。今日は淀屋橋の純喫茶ですよ。ナポリタン食べてきました」


「純喫茶? 渋いとこに行くねんなぁ」


「ミックスジュースも美味しかった。平野さんは?」


「私はここの食堂できつねうどん。給料日前に余裕が欲しくて何となく節約してる感じ」


「食堂のうどんは低価格ですからね。俺も財布が軽くなってきたらお世話になる予定」


二ッと笑って会話が続くかと思ったけど、波野さんが部屋に入ってきた。


学校の先生のように、職員が来ると休憩は終了お仕事モードに切り替わる。


「皆さんお帰りなさい。午後もしっかり頑張りましょう!」


張り切っている波野さん。


「はい。それでは、議決書の草案を朗読してください」


向井さんが会長としての司会の仕事をする。


すると、波野さんは、今回の事故に対する不起訴処分を不当とする申し立てを話し合った結果を、今までの審査会メンバーの発言を交えながら草案として、パソコンを覗き込んで朗読していく。


最後には望月さんが心のままに喋っていた台詞を、何とか言葉を言い換えている。


「と、まぁこんな感じで草案を作りましたが、いかがでしょうか?」


「えー? もっとガツンと説教できません?」


望月さんが煽る。


「いや~……それは不味いんじゃない?」


有馬さんが宥めた。


「そうやな。理性ある大人の対応としてはこれが最適やろう」


「それで、気になるところはありますか?」


「あー、他にもそうゆう行為を繰り返している歩行者がいるので、一人一人が交通ルール守っていれば、こんな事故は起きないってことを書いておいた方が良いのでは?」


山城さんが追加で指摘する。


「そうやんな、今度はあんたがそうゆう人を見つけたら注意することを願う……とか?」


望月さんはきっと「反省しろよ」という気持ちを込めたのだろう。


「わかりました」


そして、波野さんは小気味の良いタイピングの音を響かせて、メンバーが指摘した内容をパソコンに入力していく。


そうして調整していきながら、皆で今回の審査の感想もどんどん発言して議決書を作成していった。


「ではこれで完成です。議決書を関係者に送付して、今回は審査会から各メディアにも広めるように手配する方向で手続きしますね」


「これで無理な横断で事故が減りますように!」


望月さんは手を合わせて神頼みをした。


「そうやな。俺も! 皆が少しでも交通ルール守って横断歩道をちゃんと使ってくれますように!」


俺も望月さんと同じように手を打ち鳴らして神頼みする。


俺たちよりも年上の皆さんは暖かい眼差しで微笑んでくれていた。


「では、次回の予告をしますよ。次回の審査会は……ケンカからの傷害事件です。男女のー、恋人同士のー、もう過去の婚約者だった二人の~……はぁ」


波野さんがため息をついて途中で言うのをやめてしまった。


「痴話げんかからの暴力沙汰ですかー?」


「はぁ……。男女のオハナシは……おひとり様には堪えるわー……来週ここに来るのイヤやな」


ありゃ、平野さんが独身で今恋人がいないことがバレてしまったけど、いいのかな。


「平野さーん、そんなこと言わんと来てください~……」


波野さんが困った顔で縋りつきそうな情けない声で引き留める。


「えー……」


とは言ってるけど、平野さんはちゃんと来る事は分かっている。


「美味しいコーヒー用意してますから~」


もう、二人のやり取りは言葉遊びの様になっている。


「美味しいコーヒーってそこに置いてあるインスタントやん。まぁ、ちゃんと来るで?」


「ほんまですか?」


「ホンマや」


「絶対ですからね」


「大丈夫、大丈夫」


手をひらひらと振って平野さんが応じる。


「それにしても、ケンカから始まって刑事事件から裁判まで? こちらにまで争いが発展するやなんて原因はなんやろな。来週が楽しみになるわ~」


そう言ってワクワクした口調で感想を述べたのは河野さんだ。


「あ、ごめんなさい。不謹慎やった」


「ええですよ。この会議室以外での口外はダメですけど」


波野さんが許してくれる。


「まぁ、来週来て下さったら何があったのか詳細が分かります」


「そうやね。来週も参加しますので、よろしくお願いします」


締めくくりの雰囲気が出た。


「じゃぁ本日はこれで終了にしましょう。お疲れ様でした」


「「「お疲れ様でした」」」


次回のための現場視察はない。


屋内の出来事なので下見する必要性がなかった。


なので、参加できる人だけで近くの飲食店でお喋りをすることに決まった。


「では、高山君」


「あ、はい」


「どこか、この辺でええ店ないか?」


「んー……。今日の昼に行った淳喫茶の少し手前に皆が入れそうなカフェがあったので、そこに行ってみますか?」


「皆さん、どうですか?」


「オッケー!」


「行く~」


高山君、道案内よろしくお願いします」


有馬さんからナビを頼まれた。


あれ、これ採用試験に入ってますね……。

淀屋橋の駅地下でご飯食べてますが、実在しません……。

もう二十年くらい行ってないな……。

今どんな感じなんだろう。

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