↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
99/157

97話『人探し』




昨夜はしこたま飲み、食べ、なんとも素晴らしい夕食であった。



帰り際、店長さんに握手してもらった程だ。



明けて本日、お日柄もよく、人探し日和である。




「おはよ~」



部屋を出て食堂へ行くと、既に三人は朝食をとり始めていた。



「おはよう~珍しく遅かったじゃない」


ミナがパンをかじりながら手をひらひらとさせて言う。



「おはよ!たしかに、ハル君、割と朝は強いイメージだったけど」



アリスはもう食べ終わったようで、コーヒーを飲んでいたようだ。



「いやぁ~おいしいもの食べてしっかり眠るって最高の贅沢だよね」



緩く笑いながらハルは言う。



「おはよう。人探しは足だぞ、しっかり食べておけ」



フィーダが言う。



なんか刑事ドラマの先輩警官みたいだな…。



「おい~っす…」



寝ぼけ眼のハルは返事をしながら朝食を運び、席につく。



「いただきます」



「はい」



手を合わせて食べ始めると、アリスがコーヒーを淹れてくれた。



「あぁ、わざわざごめんね。ありがとう」



アリスに礼を言うと、にっこりと笑うアリス。



「アリスブレンドだよ~♪中身は何かな~♪」



ミナがにやにやとしながら言う。



「いやコーヒーだろうよ。まぁアリスが持ってきたなら仮に泥水でも飲むけどね俺は」



「ハル君、嬉しいけどよくわかんないよそれ」



アリスがクスクスと笑いながら言う。



「俺もよくわかんないよ」



ハルも笑って答える。



と、やりとりを静観していたフィーダが口を開く。



「ハル、恩人探しはお嬢様と行ってくるといい。買い出しは私とミナで行くから」



「えっ…でも…いいんですか?」



フィーダの言葉に、驚いた表情をするハルとアリス。



「この大きな街を一人で探すなんて無茶でしょ~」



ミナが腕を組み、やれやれ仕方ないわね、とでも言うような雰囲気で言う。



「二人とも…ありがとう。じゃあハル君、私がんばるね♪」



アリスは二人に礼を言うと、ハルにとびっきりの笑顔を向ける。



「ありがとう、よろしくね!」



ハルもまた、とびっきりの笑顔で返す。



そんな二人をニヤニヤと眺めるミナとフィーダであった。







朝食後、宿を出て別行動を始める二組。



「では私達はあちらですので。大丈夫だと思いますがお気を付けて」



フィーダがアリスとハルに言う。



「フィーダ達もね!夕食前には宿に戻るから」



「ついでに夜ご飯のお店も探そう……♪」



アリスの言葉に、ミナはもうご飯の事を考えているようだ。



「それじゃ!」



そう言って別れる二組であった。







ハル達と別れ、買い出しへ向かうフィーダとミナ。



「よかったのか?ゴネると思っていたが」



フィーダが言う。



「んー?……まぁ、私だけ二人っきりの時間が長かったのはちょっとずるいかなーってね。実際、距離は縮まったし」



ミナは照れ隠しのような表情で言う。



「…むしろ数ヶ月二人っきりでよく何もなかったな」



「いやー、大森林の深部はサバイバルすぎて魔獣とかウロウロしてたからそんな余裕なかったのもあるけどね~。寂しさにつけこんで掠めとるってのはさすがにねぇ……アリスは…友達だから。」



ミナは物憂げな表情から、最後は少し恥ずかしそうに言った。



「……ふっ。…ありがとう」



フィーダはそんな殊勝なミナを見て少し笑い、そして感謝する。



いつもは自由奔放勝手気ままだが、周りをよく見ていて、それでいて等身大の少女としての面を見せてくれた事がフィーダは嬉しかった。




「まぁ最悪、二番目の妻でも種だけもらえればいいかなって」




「んなっ……」



続いて出てきたミナの言葉に、脱力するフィーダ。



ちょっと感動した気持ちを返してほしい。



「……ミナ、どうなるかはわからんが()()は最後の時まで言わない方がいいと思う」



がっくりとうなだれた様子でフィーダは言う。



「そう?あぁ人間は一夫一婦だったわね。不便だわぁ~強い者が子孫残すのは当然でしょうに…」



あっけらかんと話すミナ。



「文化の違いは大変だな……」



そんな話をしながら二人は買い物を勧めていくのであった。






「さて、行きましょうか」



アリスがくるり、とその場で回って振り返る。



「ありがとう、よろしくね」



「どこから行く?当てはある??」



「いや全く。人の多い所で聞き込みかな」



「じゃあ大通りに出ましょう」



そうして大通りへ向かう二人。



「とりあえず聞いてみようか」



ハルはそう言って適当な店に入り、店主に尋ねる。



「お仕事中にすいません、人を探していまして。商人か運び屋をやってるトーマスと言う人なんですが…」



「んー…聞いたことねぇなぁ」



店主は首をかしげ、答える。



「お邪魔しました、ありがとうございます」



礼を言って店を出る二人。



「まぁいきなり当たりなんてことないよね。とにかく聞いていこうか」



「そうね。じゃあ私は向こうの通りを当たっていくね」



「わかった、離れすぎないように小まめに合流しよう」



「は~い」



そう言って手分けして聞き込みをしていく二人。



探し人を見つけることはできるのだろうか??







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。