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66話『作戦会議』




次の日



ハルが目覚め、客間へ行くと、ちょうどセリスさんも起きてきた所だったようだ。



「おはよう、ハル君」



シルクだろうか、上質なネグリジェ姿のセリスさんが現れた。



「おはようございます、セリスさん」



「着替えたらすぐ朝ごはん作るからね~」



「何かお手伝いできますか??」



ハルは尋ねる。何もしないのも申し訳ない。


「じゃあ裏の菜園で適当に野菜を少し採ってきてくれる?三人で食べきれるくらいね。あっち!」



セリスは菜園の方向を指指して言う。



「わかりました」



返事をしたハルは裏手へ向かう。



薬草やハーブ、野菜等いろいろなものがあったので適当に何種類か摘んでいく。



家へ戻るとセリスさんは着替え終わり、料理を作り始めていた。



「どぞ、こんなもんでいいですか?」



ハルは採ってきた物を手渡す。



「大丈夫よ、ありがとう。もうできるから、彼女を起こしてきてくれる?」



セリスはにっこりと笑う。





「ミナー!起きてるー?」



ハルは扉を二、三度叩いて声をかけるが返事はない。



……しかたない。



「はいるよ~…」



声をかけ、扉をあける。



部屋に入ると、未だ、ベッドに魂を縛られている獣人の姿が見えた。



「気持ち良さそうに寝てんな…つか野生の感覚とかどこいったんだよ。ミナ~」



ハルは側へ寄り、ミナの肩を揺らして声をかける。



「んん~…ハル?…おはよう?」



体を起こしたミナは目をこすりながら言う。



「ごめん、勝手に入ったよ。セリスさんの朝ごはんが待ってるよ」



「にゃ!すぐ行くにゃ!」



そう言って服を脱ごうとするミナ。



「ちょっ!出る、出るから!着替えたら来てね!」



ハルは慌てて部屋から出る。



やれやれ、と客間へ戻ると、ちょうど朝食の準備が終わった所だった。



パンの焼けたいい匂いがする。



パン?



「パンもいけるんですね」



昔見た話では、エルフは肉や魚と共にパンも食べなかったような記憶があったのだが。



「ここ2000年くらいのエルフは食べるわよ。年寄りはまだ食べたいエルフもいるけどね。おいしいのにもったいない」



「おはようにゃ~あぁやっぱりいい匂い」



ミナが起きてきた。ようやく朝ごはんだ。



三人でいただきます、の後に、これからの話がはじまる。



「とりあえず国王に会わないといけないでしょう?私が話をつけてあげる」



セリスが言う。



「助かります、正直、いきなり僕があんな話をして信じてもらえるかどうか怪しくて」



「そうね、いきなり現れた若い旅人が話すには大きすぎる話だわ」



セリスも少し考え込む仕草をする。



「なにがダメなのよ?」



ミナが尋ねる。



「後ろ楯もない、顔も知られてない俺達が言っても嘘だと思われるかも、ってこと」



ハルが言う。



「私がいるじゃない」



それに対し、ミナは平然と言う。



「「私?」」



ハルとセリスは同時に聞き返す。



「あっ!そうか」



ハルは思い出したようだ。



セリスは怪訝な顔をしている。



「私は獣王の娘、ミナ・ギルよ。ハル、貴方は『雷神』アルフレッド様の一番弟子にして私の護衛兼従者。師匠の事を故郷へ伝えたいと言うハルの願いを叶えるために私がここまで来たの。…どう?」



ミナが一気に喋りきる。



「娘って…王女ってこと!?なんでこんなとこに人間と二人で居るのよ!?…でも、なんとか苦しくない程度には…話になるかも」



セリスは驚きと、少しの呆れた顔をした後に言った。



「よし、それでいこう。ほとんど真実だし」



ハルはミナに言う。



「貴方達は、聞けば聞くほどおもしろい話が出てくるわねぇ……じゃあ食べたら行きましょうか」



そうしてある程度話が決まったので、朝食に集中することになった。

 







朝食後、国王の居る大樹へやってきた。




セリスさんが衛兵と話すのを少し後ろから見ている。



さて、どうなるか…?






セリスさんが振り返り、にっこりと笑う。どうやらうまくいったようだ。



「アルフレッド様の弟子と、アルフレッド様の友人である獣人の姫が来てるって話したら、国王がすぐに会いたい、だって!」



セリスさんの近くへ行くと詳しく教えてくれた。



「国王が、私達どっちと話したいかが分からない。場合によっては私から話すからね」



ミナがハルに言う。



たしかに、相手の出方次第によってはその方がスムーズかもしれない。



「わかった、その時はお願い」



ハルは頷く。



「よし、行きましょうか!」



セリスが言う。



「えっセリスさんも行くんですか?なんかあったらアレなんでここまででいいですよ」



何かしら問題になった場合、セリスさんの立場が危うくなる可能性がある。



それは避けたいので、案内してきただけです、何も知りません!のスタンスで居てほしいのだが……。



「君達はこの国の事、知らないでしょう。助けられるかもしれないから。任せて!」



セリスさんは胸を張って言う。



「……わかりました。お願いします」



そう言ってハルは頭を下げる。



何から何までお世話になりっぱなしだ。本当に申し訳ない。



「おもしろそうだし。見逃すなんてとんでもない!」



セリスが小さな声でこっそりと言う。



「セリスさん!?わかってます!?」



ハルは思わず言う。



「あちゃー声に出てたか。てへっ(わかってるわよ!任せといて!)」



「セリス、本音と建前が逆にゃ」



ミナが猫顔で言う。



大丈夫か…!?




いつもありがとうございます!

評価を頂きました…本当にありがとうございます!!めっちゃ嬉しいです!!ブクマも嬉しいです!!がんばります!!

明日は10時です!

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