↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
47/157

45話『依頼』

いつもありがとうございます(^-^)楽しんで頂けてますでしょうか…?




セキチクを出発し、道のりの半分ほど。



数日もあればサウスワークへ着くだろうといった辺りだ。




天気も良く、魔物の襲撃もないため実に平和だ。



陽気が眠気を誘う。あくびが出てしまうほどに。



いかんいかん、油断大敵。急になにか現れるかもしれないし。



「きゃーー!!!」



どこからか叫び声が聞こえる。女性にしては幼い…子供?いや、それよりも!



「アリス!いける!?」



叫び声を聞いたのであろう、出てきたフィーダとアリス。



「ちょっと待って!」



アリスは動きを止め、目をつぶって風魔法を使う。



優しい風が髪を揺らし、広がっていく。



「あっちに20メートルくらい!」



目を開いたアリスは森の中を指指す。



「よし、ハル、行くぞ!」



「はい!アリスはなんかあったら知らせて!」



フィーダはアリスの指を指した方向に駆け出す。



アリスに馬車を任せ、ハルも続く。




少し進むと、悲鳴の主を見つける事ができた。



老人と少女が、熊に襲われている。



少女を庇うようにしている老人に、今まさに爪が振り下ろされようとしている。



「引き離すぞ!」



フィーダがそう言って土魔法を発動させる。



老人の足元の地面が盛り上がり、盾が作られ熊の攻撃を阻む。



こちらに気付かせる為にハルがわざと弱めに飛ばした雷撃が熊に当たり、熊がハルに向かって振り返る。



吠えながら走ってくる熊に対し、体当たりをすんでで回避し、横を通り抜けるようにハルが炎の剣で斬る。



大きな音を立てて熊は地面に倒れる。



「大丈夫か」



フィーダは襲われていた二人の所に駆け寄る。



盾が目隠しもしたようで、突然現れた壁と、壁がなくなると熊が倒れていたことに驚く二人。



少女にあまりショッキングなシーンは見せたくないので助かった。さすがフィーダさんである。



「危ないし所をありがとうございます」


「ありがとうございます」



老人と少女が頭を下げる。老人は足に、少女は腕に怪我をしているようだ、血が出ている。



「怪我をしているな…待ってろ」



フィーダはアリスを呼びにいく。治療の為だろう。



少しすると二人が戻ってきて、アリスが二人の怪我を癒してくれた。



「はい、もう大丈夫だよ」



アリスが少女に笑いかけると、少女は嬉しそうに腕をさすっている。



「痛くない!おねぇちゃん、ありがとう!」



満面の笑みだ。おかげで少し打ち解けたようだ。



「で、なんでこんな所に居たんだ。不用意にうろつくと危険だぞ」



フィーダは老人に問いかける。



「近くの村に住んでおるんですが、魔物が出ましてな、街のギルドへ助けを求めに行こうとしとったところです」



「それにしたって老人と子供では危険だろう。男手はどこに?」



「サウスワークワークに大きな仕事がありましてそっちへ行っておりましてな…まだ戻らんので仕方なく…」



老人が手をさすりながら言う。農作業だろうか、ゴツゴツした手だ。



「フィーダさん、なんとかできませんか」



助けたい。ハルはフィーダに聞く。



「気持ちはわかるがな…」



ギルドを通さない仕事はあまりいいものではないのだ。



色々と理由はあるが、依頼する側にとっても、冒険者(バスター)にとっても。なぁなぁになるのは良くない。




(でもこの二人このまま行かせる事できます?なんかあったら…)



ハルはフィーダに耳打ちをする。



魔物どころか、動物でも対処は難しいだろう。実際、熊に襲われてたし。



(だがなぁ…)



ハルの言っている事ももっともだ。迷いが出たフィーダはアリスの顔を見る。



慈母神のように穏やかな笑顔でアリスは頷く。



フィーダも腹が決まったようだ。



「…仕方ない。わかった、私達がなんとかしよう。詳しく聞かせてくれるか」



「本当ですか!!」「本当に!?おねぇちゃんありがとう!」



フィーダが言うと、老人と少女は歓喜の声を上げる。



そして二人に村まで案内してもらうことになった。




◇◇



村まで行くと随分と歓迎されてしまった。



かなり頭を悩ませていたらしい。



村を襲っているのは、バッタだった。



もちろん魔物なのでデカイ。1メートルくらい。人によってはトラウマものである。



これが厄介な事に、集団でやって来て、作物どころか家畜まで全て食っていくらしい。それなんてスプラッタ。考えただけで恐ろしい。



雑食で大きくて大量のバッタとは本当にタチが悪い。



大きさと狂暴性から、一般人ではまず駆除は難しいだろう。どころか、餌になるのがオチだ。



そのくせ逃げ足が異常に速い。



黒いアイツじゃないのが唯一の救いだろうか。



巣というか、住み着いた場所も分かっているそうで、教えてもらった。



で、その場所までやって来た訳だが…。







「この先だね……マジか…」



森を抜けると、草原…原っぱと言うには少し植物の背が高いが、開けており、なるほど、居心地は良さそうな場所だ。



が、一目見て異常とわかる。



「……これは……凄まじいな……」



フィーダは衝撃の光景に言葉に詰まる。



「………ムリ……」



アリスは涙目になっている。あ、虫だめなんだ…




三人の視線の先には、バッタ、バッタ、バッタ、バッタ……



老人から聞いた話では100か200程度のはずだったのだが、どう見てもその10倍は居るだろう。



1メートルの大きさのバッタが1000匹…別に虫が苦手ではないハルから見ても地獄絵図である。



「繁殖力が異常だ…はやくなんとかしないと」



フィーダが呟く。



下手すれば村は全滅、次は街が襲われる。そんなレベルになってきている。



「どうする?やれるだけやる?」



ハルが機心を持って言う。が、



「待って、一気に全滅させないと逃げる。あちこちに逃げられたら駆除はもう無理だよ」



ハルをアリスが止める。




このバッタ、狂暴なくせに臆病なのだ。



自分より弱い相手には襲いかかるが、強い相手だと一目散に逃げる。



しかも1度逃げるととにかく速い。飛ぶし。



そして異常な繁殖力でまた群れを増やす。



駆除するには、一気に全滅させる必要があるのだ。




「三方向から…でも難しいな」



生身で相手をするには数が多すぎて逃げられる。飛べるし。



魔身だと魔法の威力は大きくなるのでやりやすくなるが、大きさ故に、逃がしてしまう可能性がある。足元をすりぬけるのが少しは出るだろう。



「……方法は、ある。けど、一回、村の村長さんに聞いてみないと。一回戻ろう」




さて、アリスの考えとは…?ともあれ、1度村に戻ることになった。






明日も21時に更新します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。