35話『天災』
初めて評価を頂きました……本当にありがとうございます(泣)嬉しすぎて夜中に変な声出ました……めっちゃがんばります(・ω・´)!
竜のブレスを回避しながら、アルフレッドは考える。
セキチクから万全の装備の騎士団や冒険者が来るまで最短でも1日半、下手したら2日はかかる。
長期戦になるのは分かっているので魔力を節約したいところだが、相手は『竜』だ。
一撃一撃の攻撃が大きすぎてとてもそんな事は言っていられない。
それに、さすがに1人で倒しきれるとも思えない。相手は「魔力そのもの」のような生き物だ。
逃げるだけならなんとでもなるがさすがに『竜』を野放しにする訳にもいかない。
下手したら国がいくつも滅んでもおかしくない。
そもそも人間よりも遥かに高度な知能があるはずの『竜』がなぜこうも無茶苦茶な暴れ方をしている?
なんども呼び掛けているがとても意思の疎通ができる状態ではなく、まさに「半狂乱」状態だ。
不可解な点が多すぎる。どうにもきな臭い。誰かが何か…
等と考えていた事は全て頭の片隅に押しやり、目の前の状況に集中する。
ブレスをかわしたタイミングで、尾刺が目前に迫っていたのだ。
魔導王の前方に、全力の風魔法で上昇気流を発生させつつ全速力で自機を後退、さらに鋼の盾を出しつつ、雷撃を竜に向かって撃つ。
「…あっぶねぇな…」
なんとか回避しつつ、さらに反撃も叩き込む。
が、アルフレッドが撃った雷撃は軽くいなされてしまった。
続けて魔身と同じ程度の大きさの水の刃を100程出すアルフレッド。
「これならどうだ!魔導王の水遊び!」
魔導王が腕を前に出すと、刃は竜に向かって放たれる。
さすがの竜も回避を選択したようで、さらに上空へと飛翔する。
逃げる竜を追うように複雑な軌道で竜を追尾する水の刃。
だが、竜はきりもみ、捻りこみ、急旋回で次々と刃同士を接触させて消していく。
(回避するってことは当たればダメージ与えられるって事だな。少なくとも牽制にはなる…)
「魔導王の雷土崙!」
間髪入れずに魔導王が腕を振ると、地面から山のように巨大な岩の腕が現れ、出てくる勢いのまま竜を下から殴り付ける。
さらに怯んだ瞬間に竜を掴み、動けない竜に、蒼穹より巨大な雷が降り注ぐ。
巨大な雷に打たれ、竜は悲痛とも怒号ともとれる叫びをあげる。
(アレくらってもその程度のダメージか…気が遠くなるな。しかも隙が大きいから次は決まらんだろうな…)
岩腕での攻撃も、雷撃も、魔獣ですら軽く一撃で消し飛ばす威力があった。だが、竜は残念ながら健在だ。
竜は頭を振ると、魔導王に向かって吠える。
「よくもやったな」とでも言いたげだ。いや、言っているのだろう。
竜は一際強く翼をはためかせると、暴風が吹き荒れる。
そのまま竜巻はその場に留まっている。たはだの羽ばたきではなく魔法なのだろう。
魔法で、見渡す限りの天候すら操る。やはり相手は強大だ。挑むことが、間違っている程に。
(くそ、風魔法が使いずれぇ…厄介だな)
風魔法の竜巻によって辺りの風が荒れている。特に繊細なコントロールが必要な風魔法にはかなりの痛手だ。
「上等だ…時間はたっぷりある。付き合ってもらうぜ!」
生き物を超越した絶対王者を相手に、アルフレッドは挑む。
長い1日になりそうだ。
◇◇◇◇
馬車の限界まで飛ばし、なんとか昼前にセキチクに着く事が出来た。
そのまま冒険者ギルドに大急ぎで転がり込む。
「助けてくれ!仲間が毒でやられた、回復術士を早く!」
扉を乱暴に開け、ほうぼうの体でハルは叫ぶ。
「大丈夫か!?何人だ?」
扉の近くに居た壮年の冒険者が尋ねる。
「毒は1人、もう1人は魔力の使いすぎで倒れた。とにかく早く!」
ハルは必死に叫ぶ。アリスの毒を、早く!
「ちょっと落ち着け!何の毒だ?」
「受付ギルド職員、とりあえず回復術士すぐに呼んできな!」
「魔物か?」
ギルド内に居た冒険者が集まってくる。
「…竜です。竜の毒に」
落ち着きを取り戻したハルは静かに言う。
「竜?トカゲかなんかか?」「飛竜じゃねぇか?」
冒険者は口々に思い当たる魔物を言う。
「ギルドマスターと国王へも至急お伝えください。緊急事態です。天災級の『竜』がこの街に向かっています」
「竜…?そんなバカな。どうせ下位の飛竜や蛟竜だろう」
「…ちょっと待て、あんたもしかして『炎迅』か?」
周りの冒険者が考えづらい事態に、一笑に付そうとした時、違う冒険者がハルの顔を見て思い出したように尋ねる。
「はい、『炎迅』の二つ名を頂いています。師は『雷神』アルフレッド様です。その師匠が今、たった1人で時間稼ぎをしています」
ハルは真剣な眼差しで答える。早く信じてもらって、少しでも早く備えなければならない。
「やっぱり!こないだの人拐い事件の時に城に居たな」
「あぁ、奴隷商捕まえてのアジトぶっ潰したあれか」
「…てことは、本当に『竜』…」
周りにいた冒険者は顔を見合わせると、真実味を帯びた話と、その重要性に気づいたようで、大騒ぎになる。
「落ち着いて下さい!回復術士の都合が付きましたのでとにかくお連れの二人を運んでください!『炎迅』様はすぐに王城へ、ギルドマスターも一緒に向かいますので詳しい話をお願いします!緊急時対応として依頼は現時点を持って全てを凍結、国との対応協議が終了次第、討伐・防衛部隊を編成しますので、冒険者の皆さんは装備を整えて待機、街に仲間が散っている場合は集めてください!」
小さな女の子が一息に叫ぶと、一斉に静かになり、
「「「「「「おう!!」」」」」」
てきぱきと動き出す冒険者達。
(若いのにこの子すごいな…)
と、考えているとギルド職員がアリスとフィーダを運び出す。
回復術士の所に行くらしい。
(アリス…フィーダさん…)
目で追うハルに、先程の女の子が声をかける。
「大丈夫、うちの回復術士は優秀だから!明日には動けるようになってるわよ。さ、行きましょう」
「はい…ありがとうございます。あ、さっきの凄かったです。皆が冷静になった。で、どこに行くんです?」
「私と一緒に王城に行くに決まってるでしょ!早くしなさい!」
女の子はぷんぷんと頬を膨らませている。
(!?私と一緒にって…もしかしてこの子がギルドマスター!?どう見ても小学生くらいなのに!?)
「こんなちんちくりんが?とか思ってる顔してるわね…私は妖精属だから、これでも貴方の何倍も生きてるの!いいから早く行くわよ!」
小さなギルドマスターは胸を張ると扉を開けて出ていく。
「…いや、そこまでボロクソには思ってないです…」
いや、今はそんな事を気にしている場合ではない。とにかく王城へ急ごう。
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あと文字の大きさ変えれることに今さら気づいたんですが中くらいのほうが見やすいのでしょうか…パソコンないんでわかんないんですよね…




