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10話 『鬼』

いつも読んでいただいてありがとうございます!



「機心とソレが1つになったぁ!?なんでそんなおもしろそうな事を勝手にやってんだよ!」



師匠を起こし、事情を説明するとこんなことを言い出した。



「いやいや、あの光で起きないのもどうかと思いますよ!?」



かなり眩しかったからなぁ。ほんとによく起きなかったもんだ



「ちっ…とりあえず一通り説明は聞いたんだろ?んじゃ試してみんぞ」



ニヤリ、と師匠が笑う。



そして連れてこられたのは街の外、森の手前だった。



「ここならなんかあっても大丈夫だ。んじゃ魔身(マシン)出せ」




早くしろ、と子供のような顔をしている。



「師匠、魔身ってなんですか??」



「召還用の機心もらったんだろ?それで召還する自分の分身のことだ。魔身機って言われる。召還すればわかるが、機械とか鎧みたいな外見してることが多いんだよ。わかったら魔素込めて召還って言ってみろ」




…機心が宝石と合体なんざ聞いたことねぇ。


カマキリの時の魔法もそうだが、やはりコイツはなんかある。


さて、蛇が出るか、鬼が出るか…。





「なるほど。わかりました、では」




ふぅ、と一息つき、右手を前に出した。



魔素を込め、おぉ、なんか光ってるぞ




「…召還!」




目映い光が機心から溢れ、思わず目を閉じてしまった。






目を開けると、…視点が高い。



「師匠、小さくなりましたね」




随分上から師匠を見下ろしている。5~6メートルくらいかな?




あれ、つかこれ、Fighting Mad《ゲーム》の操縦席じゃん!


なんで!?



「アホかお前がでかくなったんだよ」



「魔身機の中にいるってことですかね?あと操縦席見覚えあるんですけど」



「術者の心で作られるからな、自分の中で一番やりやすい形がとられるハズだ。それがお前のイメージだったんだろ」



「ちなみにどんな見た目ですか??」



「あぁー?侍みたいな格好してんな。さっき買った籠手の影響じゃねぇか?ゆっくり動かしてみろ」



さっきの籠手、確かに着けたままだったし気に入ったから魔身にも着いたんだろうな。




「いきますよー」



とりあえず歩くことだけ考えて!って頭の中で美少女戦士が言っているが、操縦桿なので考えるだけではたぶんダメだろう。



さていろいろやってみよう。






◇◇

結果的には、全く問題なく動かすことができた。



そりゃそうだ、丸四年近く費やしてたゲームと同じなのだから。



風ステ~ステキャン~なんて遊んでたら師匠に、


「なんだその気持ち悪い動きは。お前よくそんだけ動かせるな?普通はもう少し手間取るもんだ」



なんて言われた。得意分野だ。



魔身機は飛べないのでフワステはできなかった。残念だ。




「いい感じだな。んじゃ最後にそこのでかい石を切ってみろ」



師匠は街の反対、森の入り口にある、魔身機と同じくらいの大岩を指差している。



「岩なんか切れますかね!?剣が折れませんか!?」



魔身には短めの両刃剣が装備されていた。



本人にそんな技量がないのに分身である魔身機にできるのだろうか。



「言ったろ?魔身機はイメージだ。お前の心を召還、具現化する。強く思えばできるはずだ、仮に切れなくても岩程度なら砕けるはずだ」



いくら自分の分身でもここまでスムーズに動かせる奴はいない。操縦したことがあるのか?だが嘘をついてるとも思えない…。



真剣な顔で師匠は言った。師匠ができると言うのならできるだろう。それくらいの信頼はある。…やってみるか。



「はい」



俺は岩の前に立ち、剣を抜いた。




両手で剣を持ち、右手を右耳の辺りに、剣を立てて構える。



時代劇でよく見る、いわゆる八相の構えだ。






◇◇


構えたか。集中してるな、ハルのやつ。さて、斬れるか?




剣が動きだした瞬間、アルフレッドは見た。



魔身機の持つ剣の刀身が縦に開き、鍔のようになる。すると、赤く輝く炎の刀身が現れ伸びていく。天高く、空へどこまでも。




なっ?アレはやばい!!




「おいハル!止めろ!!!」




集中しすぎていた為か、アルフの叫びも虚しく、炎の剣は降り下ろされ、巨大な熱量と爆音、衝撃波が辺りを包む。



「ちっ!しゃーねぇっ!」



そう言ってアルフレッドは魔法を発動する。


森はしょーがねぇ。街だけは守る…!



アルフレッドが土と氷の魔法を発動し、街へ被害が及ばないように大きな壁が現れる。




◇◇



音が止み、魔法を解除する。煙が晴れると、ハルは魔素切れでも起こしたのだろうか、その場で倒れていた。




「お、生きてたか。しかしなんつーデタラメな威力だ…」




巨大な剣が降り下ろされた場所は、10メートル程の幅で森が消失していた。


まるで昔から街道があったかのように、地平線までどこまでも森は消えていた。





…蛇どころか、とんでもないもんが出やがったな。



「街の連中になんて言い訳しようか…」



あの音ならすぐに警備がやってくるだろう。どう言いくるめようか、そんな事を考えながらアルフはハルを背負って街に向かって歩き出した。





ようやく登場しました。明日も更新しますよ!

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