第034話 ○○○○の刑!
第一試合が終わり第二試合がすぐ始まるのかと思ったらここで昼飯時間となった。
なんでもこの時間を利用して第一試合での相手の作戦を見てここで作戦を変える為に話し合いをするのが伝統らしい。
どうりて私を第一試合に出すはずだ。
ようは第一試合は様子見の捨て試合に当てられていたわけだ。
まぁ、私の実力は見せたからどうでもいいけど…
惜しむらくはあの金髪貴族のぼっちゃんを種無しにし損ねたことだ。
あのあと大慌てで周りがポーションを浴びるように下半身にかけ数少ない回復魔法の使い手により回復魔法まで使いまくっていたからどうにか回復しやがった。
手加減なんてするんじゃなかったな…
なんか騎士団の連中にすごい睨まれていけど気にしないでおこう。
ついでに言えば私の出番はもう終わりだから話し合いに参加しなくて良いし。
ついでだから食事にしますか。
そう思いながら王都で買ったダミー用の肩掛けかばんの中からお弁当箱を取り出す。
へっへっへ~♪
出かける前に女将さんに作ってもらったスープ類や熱々のおかずを詰め込んできたんだ~♪
とりだしたるは…
ジャジャジャーーン!
真空ステンレスジャーのお弁当箱なのだ~♪
これ再現するのなかなか大変だったんだから…
まずステンレス鋼の開発から始めないといけなかったし、さらに真空式にするのにどうしたら良いのか頭悩ましたものだ。
まぁ、そんなことを悩んで紹介してもらった鍛冶師とあーでもない、こーでもないと作り上げたものである。
先日試作品が完成したのだが今日まで使う機会が無く本邦初公開である。
湯気の溢れるスープに暖かい肉料理。
これで米があれば最高なんだが…
宿では米取り扱ってないの…お隣の国では陸稲が盛んだというのに…
少し残念。
しかしまぁ、暖かい飯を食べられるのは良いことだ。
そんなわけで…
“いただきまーーす!”
ここは日本人としての癖が出るところだが気にしてはいけない。
世界が変わってもマナーは似たようなものだ。
こっちでは神に祈りをささげるのが正式なマナーらしいが…。
“うまうま!
肉ジューシー!
女将さんさすがプロ!
スープ熱々うまうま!!”
ガツガツ食べているとなんか視線が痛い…
気が付くと随分しずか…
うん?戦術の話し合いを食べながら両チームともするのではなかったの?
思わずリーダの顔を見るとリーダの目線は私の弁当箱にロックオン状態。
ゆっくり周りを見回してみると冒険者達のチームどころか騎士団のチームまで私の弁当箱をロックオンしている…
“……あ、あげないよ?
これ私のだからね?
これでも少ないくらいなんだから…
人に分けてあげたら私お腹空いて倒れちゃうから……”
そう言ってお弁当箱の中身がこぼれないように再度連結してそっと出口に後ずさりする。
「その食料ケースをこっちによこせ」
なんか騎士団からえらそうな三下がこっちにきた。
“なんでお前なんかにやらなくちゃいけないんだ!”
「いいからこっちに渡せ!」
そう言って弁当箱に手を伸ばすイケメン三下。
しかしそうはイカの金玉!
“汚い手で私の弁当箱に触るな!”
言葉と同時にいつものように足が出る。
当然狙いは金的。
さっきぼっちゃん貴族がそれをやられたから警戒はしていたようだがそこは三下、ランの動きについていけず哀れ『キーン!』の効果音と共に悶絶轟沈。
さらに追い討ちをかけるようにひざまついた三下の顔を横からそのまま蹴り倒す。
手は弁当箱を持っているために使えないからとはいえ情け容赦ない攻撃である。
相手が三下であるというより『イケメン』であったことが情け容赦ない攻撃に繋がったようだ。
「貴様!侯爵家に逆らう気か!」
他の三下がなんかわめいていますが『侯爵家』である以上家と言うから父親が『侯爵』なんでしょう。
大体当人が『侯爵』なら『家』はいらんだろうし…
とりあえず…騎士としての階級(団長等)はあるにしても当人はまだ『貴族』ではないのだろう。
ということは…別に遠慮は要らないよな?
そもそも人の弁当を取り上げようなんて浅ましい奴だし…
まぁ、当人が貴族であっても関係ないけど…
答えは『闇から闇へ』ってね。
というわけでジャニーズモドキで最初からむかついていたしこのイケメンボウヤ達は殲滅決定と♪
どうやらここまでのやり取りでランの中では彼らに対して死刑執行の書類にサインをしてだされたようだ。
冒険者達が唖然としている中で騎士団の連中が次々空中に舞い上がっていく。
ここはギルドの訓練センターの中でも特に大きい建物の中で天井も高い。
元々魔法も含めた飛び道具訓練等で使う訓練用として建設された建物だから。
なのにその天井のむき出しになっている梁の部分に次々と騎士団達がロープに足を縛られ逆さ釣り状態になってぶら下がってっていく。
しかもご丁寧に腕は背中のほうで縛ばられていて完全に身動きが封じられている。
そして吊り下げられたものから順にいつのまにか装備が全て剥ぎ取られ地面に丁寧に折りたたんで置かれている。
つまり『真っ裸』状態でさかさまにされて吊り下げられていると。
しかも両手封じられたまま…。
さらにいつのまにか出入り口と窓には沢山のギルド女性職員と女性冒険者達の群れ群れ群れ…。
自分達がランのターゲットで無いことを心からそれぞれが信じる神に感謝しそして今生贄にされている騎士団達に心からの同情と嘲りの視線を送る。
吊るされひん剥かれたことは非常に同情する。
しかも大勢の女性達の前でだ。
自分達ならこの先生きていく自信が無いかもしれない。
『だが』とも同時に思う。
『ざまーみろ』・『そのまま死んでしまえ』と…
第二騎士団は美形ぞろいで王都でもものすごく人気のある騎士団だ。
当然冒険者の中には意中の女性にこの騎士団の連中(主に団長)と比べられて振られるという事態もかなり発生している。
つまり結構第二騎士団の連中は男共にかなり嫌われていたりする。
しかも無駄に『騎士団』とだけあって強い上に権力もあるときている為始末も悪い。
当人達もそれをわかって威張っており上から目線な為なお市中の男達に嫌われている。
そんな男達も『強い』・『権力』・『イケメン』の3拍子が揃っているのでもてまくる。
そりゃ、他の男は面白くないだろう。
だがここにそれらがまったく通用しない強者が出現した。
『イケメン』?・『美形』?
それがなにか?
むしろむかついて仕方ないのですけど!
『権力』?『権威』?
そりは貴様達の家族のことだろうが。
貴様達個人には何にもないだろうに。
『強者』?『強い』?
私にのされている時点で貴様らは『弱者』だ!
ににしろランのいた地球の日本には『貴族』なる人種はすでに絶滅した存在である。
明治維新後少しの間存在したらしいが第二次大戦後は少なくとも皇族を除き存在していない。
他国には存在するが一度もその存在と付き合いがあったわけでもないので『貴族』なる生き物を想像することも出来ない。
しかも悪い意味でノベル等で『傲慢な貴族』の知識しか持っていないので貴族に対して尊敬の念なんていうのはこれっぽっちも持っていない。
ある意味『搾取するが側の政治家よりたちの悪い生き物』という認識である。
よって『貴族』なるものに手加減どころか殲滅する気で攻撃する気まんまんだったりする。
もっとも殺すとややこしくなる程度の理性はあるので殺しはしないが尊厳は徹底的に潰す気であったりする。
(『貴族』というより『イケメン』に対する要因のほうが今回は多いのであるが…)
数分後、騎士団全員が吊るされるとそれはもう明るい笑顔でこう宣言した。
“これでおしまいなんて思ったら大間違い!
私のご飯狙った罰はこれからだからね!!
町の広場でその貧相な下半身を大公開してあげるから楽しみにしてなさい♪”
のちに王国の歴史書にこう書かれたという。
『「金髪の白い悪魔」降臨。
その尻尾を踏んづけた王国第二騎士団はその「金髪の白い悪魔」に心を蹂躙され全滅。
~ 王国産業革命期 第1巻 ~ より抜粋』
“ふはははは!騎士団よ、聞こえていたら君達の生まれの不幸を呪うがいい!!
なまじイケメンに生まれた不幸をな!!
うははははは!!! ”
その日広場には多数の若い女性達の見学者の山と吊るされ心を徹底的におられて生ける屍と化した不幸な騎士団の連中とそれを前にして馬鹿笑いするランが見れたという。
ちなみに王国はこの事件を無かったこととし第二騎士団そう入れ替えを命じたという。
たった一人に100人いて魔法も無しに全滅させられたと諸国に知られると恥になるゆえに…
ただ広場のことは即刻各国の大使館経由で諸国に知れ渡ったが…
いや海外にすごしたんなら貴族とはある程度のおつきあいはあると思うよ。
アメリカ海兵隊でも他国の海軍とのおつきあいとかあるのでイタリアとかフランスとかイギリスなら普通に貴族がいるからおつきあいさせられる可能性は十分にあるし。




