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第022話 ギルドランク

“えっほ、えっほ”


今ランは港にある倉庫で荷物の出し入れの手伝いをしている。

所謂【お手伝いクエスト】だ。


5日前、一波乱ありながらも無事ギルド登録を済ませたランは【F】ランク冒険者として登録された。

冒険者ランクは計17のランクがあるらしい。

上からS・A・B・C・D・E・FとありSとF以外はそれぞれさらに3つに分かれる。

例であげるなら【A(+)】・【A】・【A(-)】という風にだ。

ただギルドカードには【A】ランクとしか表示されない。

また依頼表にも【A】ランクとしか書かれていない。

ただギルド内のランクはここまで細かく分かれているというだけだ。

ちなみにカールドさんのギラドランクは【B(+)】でした。

ただしギルド内ではAランク昇進試験をまったく受けない問題児認識らしいですが…


さて【E(-)】から【E】に昇進は自動的に行われるが【E(+)】から【D(-)】などの表示ランクが変わるに時には昇進試験があるという。

ちなみに特別なときを抜き基本【筆記】+【実技】の試験があるという。

たとえ実力があっても世の中の常識を知らん奴は上には上げてやらんというスタンスらしい。

常識?…非常に困った…

自慢じゃないがラン的にはこの世界の常識なんか抜けまくりなんだが…

どうしようか?(悩)


そして【S】ランクと【F】ランクは特別扱い。


【S】ランクは名誉称号。

これは国やギルドに貢献度が高い冒険者に送られるものでなんと『アーネルランド王国』では今だ排出したこと無いランクだとか…

建国王ですら【A】ランク止まり。

どんだけ高い壁なのか…

ちなみに冒険者ギルドが各国に出来て350年(最初のギルドはアルス大陸西部戦国時代に出来ている)、今まで【S】クラスは3人だけだとか…。

全員【勇者】と呼ばれた人類の規格から外れた化け物級らしいが…


【F】ランクは見習い冒険者

なんでも数年前に新設されたランクらしい。

それまではギルドカードをもらうと気が大きくなって粗末な装備で獣や魔獣や魔眷属に突っ込み死ぬ初心者が多かったらしい。

また、どうも街中の仕事を嫌がり夢ばっかり見る奴も多かったとか…

(もっともこの件に関してはこの国の成り立ちを考えれば夢を見たくなるのはわかるのだが)

そんな奴らばかりだと街から来た依頼は貯まっていく一方、ギルドとしての信頼の問題にもなる。

さらに出て死んでくる奴らばかりだと人材も育たない。

そんな訳で見習い制を導入。

一定以上のポイントが貯まって【E】ランクに昇進しない限り街から出る仕事の斡旋はしない方針になったらしい。

【F】ランクの間に街の仕事をさせるとギルドとしても貯まった依頼が減るし初心者も宿代と飯代除けばたいした金額がかかるわけでも無いので余ったお金を【E】ランクに昇進したときに必要になる装備や道具の購入資金に当てることが出来る。

結果として死人になる確率がかなり減るということで一部を除き好評だとか。

え?【一部】って誰かって?

決まっているだろう…

村で一番の力持ちとか言われてちやほや育ってきた【井の中の蛙】達だよ。

これには一部の金持ち連中も混ざっている。

小さな世界で【俺は強いんだ】と思い込んで名声や富を求めて冒険者になる馬鹿。

すぐ現実に気が付いて修行を積む奴らはいいのだがまったくそれに気が付かず突っ込んで返り討ちにあう馬鹿の多いこと。

俺がその話を聞いたとき思いっきりあきれ返ったさ。


まぁ、そんなのを防ぐための見習いと言うより試用期間とも言うべき【F】ランク制度は大多数に賛同されているわけだ。

当然どんなに強くても他のところで名声があってもこのランクに関しては飛び級無しである。


そう言った訳でランも【F】ランクから始めることになり今次のクランクに上がるため必死にポイントを貯めているところである。

必要ポイントは100ポイント。

この【F】ランクの仕事は最大でも2ポイント。

最低でも50個の仕事をこなさなければならないのだがこの2ポイントつく仕事が恐ろしく少ない。

大抵は…【力仕事】である。

そしてランはこの世界では見た目10歳ぐらい。

ギルドで仕事を請けて現場に着くと思いっきり嫌な顔されることが多い。

そこを必死に説得して仕事をさせてもらっている。

もっともランが一度仕事をすると驚いてぜひ次も来てくれと言うお誘いになる。

そりゃね…普通2人掛りで持つ荷物を一人で10歳くらいの女の子がひょいひょいと複数運んでいればそりゃ驚くさ。

ゲーム上のステータスをこちらに持ち込んでいるのだから見かけよりはるかに力は高い。

そもそもランは【攻略組】と言われる連中の中でも上位陣(生産職メインの癖にだ)にいた者だ。

単純にステータスを見るだけならこの世界の誰よりも強靭なステータスを誇っているだろう。

まぁ、こちらの世界では他人のステータスを見る装置やスキルは無いらしい…

(ゲームでは【観察】や【看破】の高スキルプレイヤーは見れるのだが…)

ギルドカードも名前とラギルドランクと所属国、通し番号が書かれているだけだ。

はっきり言えば地球の運転免許書程度のことしか書かれていない。

もっとも専用の装置を通すと本物か偽者かがわかる上に前回のカード確認時からどんなものを倒したかまで記録されているそうだ…

村での狩の時ははずしておいたほうが無難かもしれない…



まぁ、そんな訳で今必死に【お手伝いクエスト】、ラン的には【日雇いバイト】を必死にこなしている。

ポイントの多いものを重点的にするのでどうしても力仕事メインだ。

ちなみにカールドは2日前思いっきり後ろ髪引かれながら再びレギオスさんの馬車で村に帰っている。

昇級までこちらにいたら何日かかるかわからない上にそう何日も家を空けるわけに行かないからだ。

何度も何度も【人だけは攻撃するな】と言われてしまった。

カールド曰く下手すると死ぬレベルの攻撃を平然とするからだそうだ。

失礼な…一応相手見て手加減はしている。


そうそう、ランが仕事をなるべく早く終わらせようとしているには理由がある。

それはカーリさんのお耳である!

いや実はギルド登録した日、あまりにもカーリさんのキツネ耳のモフモフ感に感動していたら「依頼が終わったときに私が受付にいたらまた触ってもいいですよ」というカーリ神のお告げがあり、そりゃ、もう早く触りたいが一心の全力投球である。

もっともカーリ神も24時間ギルドのカウンターにいるわけで無い。

あの方だって時間勤務なのだから。

いない時に行ってもモフモフは味わえない。

そこでカーリ神に邪な視線を送っていた若い下級土着民(E・Dランク冒険者)達を路地に引きずり込み懇切丁寧に主に拳と蹴りによる肉体言語で説得した結果土着民達は親切にもカーリ神の勤務時間を教えてくれた。

うむ、熱心な布教結果であると満足したい。


『あの世に幸多からんことを』


ただ、その土着民達の姿がそれから見ないのが気になるが。

会ったらお礼と共に先の言葉を送りたかったのだが…


本日のバイトはこれで3個目。

カーリ神の勤務時間は本日は後3時間!

なんとしても終わらせるぞーーーー!




「カーリ、なんかあの子にものすごく気に入られたみたいね。」


いつものようにカーリの耳のモフモフを楽しんだ後、「本日は終わり」と言って出て行ったランを見つつ同僚のミランダがカーリに話しかけた。


「あははは、どうも彼女王都に来るまで人獣種や獣人種を見たこと無かったらしくてこの耳がものすごく気に入ったらしいです。」

「見たこと無いって彼女の故郷にはいなかったの?」

「こっちに連れてこられるまで『人種』しか見たことが無いそうです。

エルシア村にもいなかったらしいですし。」

「旅人でくら…あっ…エルシア村といえばそうか…皆あの道避けているから通る人いないものね。」

「そう言う事です。」

「それで彼女のポイントは?」

「さっきので38ポイントです。」

「え?38?」

「えぇ、5日間で19件の依頼達成。

毎回帰ってきて私の耳触って行くので数え間違いじゃありません。(笑)」

「すごいわね…でも明日は休みなんじゃない?」

「なぜですか?」

「明日カーリ休みの日じゃない。」

「納得しました…」



ちなみにここ最近冒険者の間には『ちびっこ悪魔警報』なるものが出ている。

ランに数多くの冒険者達が色々な因縁を吹っかけ撃退され、また逆にランからモフモフ教の布教と称す意味不明の攻撃に会う冒険者も多数発生しておりランの姿が確認されたら『ちびっこ悪魔警報』が出て皆ギルドの建物から逃げ出し隠れるという事態が発生している。

ちなみにモフモフ教の布教は主にカーリに対してスケベな眼で見ていた者が対象っているのは皆うすうす気が付いていた。

カーリを含むギルド女性員はあのスケベ目線に嫌気をさしていたのでランによるモフモフ教の布教は一切妨害せずむしろランに布教を進めているくらいである。


もふもふ教…

ランが作った時点でトラブルが起きる以外予想が付かない…。

受付嬢、ランにより神様認定!

お耳のモフモフ感がたまらんそうです(笑)


『ちびっこ悪魔警報』

こうしてこの世界でも順調に階段上っていくわけですね…

そろそろ白い装備出したほうがいいかな?

『魔王』の称号出る前に…

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